大門実紀史の発言 (本会議)
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○大門実紀史君 日本共産党を代表し、消費税増税延期法案に関連して質問をいたします。
日本経済が停滞から抜け出せない最大の理由は、経済の六割を占める個人消費の低迷が続いていることです。九月の家計調査を見ても、うるう年で二月が一日多かったためにプラスになったことを除くと、十三か月連続のマイナスとなっています。個人消費が増えなければ、企業の売上げも設備投資も増えません。
石原大臣は、個人消費が伸びない要因がどこにあるとお考えでしょうか。
消費低迷の第一の要因は賃金、所得の低迷です。この間、低賃金の非正規雇用が雇用者数に占める割合は四割近くにまで上昇しましたが、非正規の年収は正規の三割台にとどまっております。年収が二百万円以下のいわゆるワーキングプア層は一千百三十万人と、三年連続で一千百万人を超えました。賃金の低下は、一時的な現象ではなく、非正規雇用の拡大によってつくられた低賃金構造に根本的な原因があります。
家計調査を見ると、非正規雇用が多い低所得の勤労者世帯ほど消費を減らしています。年齢でいえば、三十九歳以下の若い世帯の消費の落ち込みが深刻です。石原大臣が序文を書かれた今年度の経済財政白書でも、個人消費が伸びないのは、特に三十九歳以下の若年子育て世帯が消費を抑えており、その背景には非正規雇用の増加があると指摘をされております。そうであるならば、非正規雇用を拡大する労働法制の改悪をやめ、正社員化の道を広げることこそ景気回復にもつながるのではありませんか。
実収入から直接税や社会保険料などを除いた可処分所得も、安倍政権発足前と比べて減少しています。その原因は、賃金の伸び悩みや年金給付額の削減などに加え、年金、介護、医療などの保険料が引き上げられてきたことにあります。消費税増税や異次元金融緩和の円安誘導による物価上昇も実質可処分所得を減少させました。まさに安倍内閣の経済政策、アベノミクスそのものが国民の可処分所得を減少させ、消費を冷え込ませてきたと言わなければなりません。
今こそ、手厚い中小企業支援とセットにした最低賃金の大幅引上げや年金改悪のストップなど、具体的に国民の賃金、所得を上げる政策に踏み出すべきではありませんか。石原大臣の答弁を求めます。
消費を低迷させている第二の要因は、国民の将来不安の増大です。内閣府の国民生活に関する世論調査によれば、国民が不安を感じる事柄は、〇三年以降、老後の生活設計についてがトップになっています。将来の年金受給額が減り、医療や介護の負担が増えるのではないか。社会保障制度への不安が消費者意識に重くのしかかり、消費を冷え込ませる要因になっているのです。
政府の厚生労働白書でも、社会保障の充実は国民の将来不安を取り除き、経済を活性化させると指摘をしております。社会保障の連続改悪をやめ、むしろ充実することで、国民の将来不安を取り除き、景気を回復させ、税収も増やすというプラスの好循環に方向転換する必要があるのではないでしょうか。石原大臣の答弁を求めます。
消費を冷え込ませた第三の要因は、消費税の増税です。二〇一四年四月の消費税率の八%への引上げ後、個人消費は一四年度、一五年度と二年連続でマイナスとなりました。二年連続のマイナスは戦後初めてのことです。麻生財務大臣は、二〇一四年の消費税増税が現在も続く消費の低迷を招いた最大の要因だという認識をお持ちでしょうか。
安倍政権は二〇一五年十月に予定していた税率一〇%への引上げを延期することにしましたが、それ以降も消費は伸びていません。なぜなら、消費者は、先送りになっただけで近い将来に増税されると考え、消費を抑えようとします。企業も、増税後の景気悪化を予想し、設備投資を控えるようになります。増税予定そのものが景気を停滞させているんです。この点からも、消費税増税は延期ではなく、きっぱり断念、撤回すべきではありませんか。
いつから日本の政府は、財源といえば消費税のことしか思い浮かばなくなったのでしょう。八〇年代のレーガン、サッチャーの新自由主義路線を模倣し、日本でも直間比率の見直しが進められ、国際競争力の名の下に法人税率、所得税の最高税率の引下げが行われる一方で、国民には消費税を押し付け、税率を引き上げてきました。
その結果どうなったか。大企業は空前の内部留保を積み上げ、巨万の富を持つ超富裕層が出現する一方、国民生活は疲弊し、経済も長期停滞から抜け出せなくなってしまいました。今後もこの方向を続ければ、国民の暮らしも経済も落ち込んでいくだけではありませんか。
大体、消費税は国民にとって一利もない税金であります。
第一に、こんなに増税するたびに景気を悪くする税金は見たことがありません。
第二に、所得の低い人に手厚くする社会保障の財源を所得の低い人に重い消費税で賄うこと自体、自己矛盾であり、所得の再分配に反します。
第三に、社会保障のための消費税という話そのものがでたらめです。
消費税創設以来二十八年間でその税収は三百二十八兆円にも上りますが、ほぼ同じ時期に、法人三税は二百七十一兆円、所得税、住民税も二百六十兆円も減少してしまいました。不況による税収の落ち込みに加え、大企業、富裕層への減税が繰り返されたからであります。結果的に、消費税はその穴埋めに消えてしまったことになります。
五%から八%への増税分八兆二千億円も、社会保障の部分的手直しに充てたのは僅か一兆三千五百億円で、残り六兆八千五百億円は赤字削減などの口実を付けて他の用途に消えてしまいました。
本法案は、こういう消費税を一旦延期しても二〇一九年十月には必ず引き上げるという法案であり、容認できるものではありません。
麻生大臣、税金は苦しい庶民から取るのではなく、もうかっている大企業や大金持ちから取るべきです。消費税頼みの考え方を改め、応能負担の原則で税制を抜本的に見直すべきではないでしょうか。
この点では、研究開発減税の見直しは緊急の課題です。トヨタ一社で一千億円以上の減税、トップ企業十社だけで減税額の約四割を占める異常な大企業優遇です。総理も麻生大臣も来年度税制改正での見直しを約束されました。政府税調も抜本的な削減を求めております。政府として、研究開発減税の削減に踏み出すべきときではありませんか。
このことを含め、応能負担の原則に基づく税制改革を強く求め、質問を終わります。(拍手)
〔国務大臣麻生太郎君登壇、拍手〕