渡辺喜美の発言 (本会議)

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○渡辺喜美君 日本維新の会、渡辺喜美であります。
 増税の前にやるべきことがある。
 我々は、かねてより、消費税率の引上げ以前に、国会議員の身を切る改革、公務員人件費削減等の行政改革の徹底、そしてデフレ脱却、景気回復が先だと主張してまいりました。残念ながら、こうしたことがいまだに進んでおりません。国内外の経済は予断を許さず、世界経済見通しも不透明、政権運営の通信簿である日本の株価は低迷し、為替相場も年初に比べてはるかに円高になっております。これ以上円高が進行すれば、再びデフレに陥りかねない危うさが続いております。
 安倍総理は、消費税率一〇%への引上げを再延期する理由について、世界経済が大きなリスクに直面しているために政策総動員が必要な中で、消費税率の引上げは内需を腰折れさせかねないと述べておられます。そのとおりですよ。このような先が見通せない状況であれば、消費税増税は延期ではなく凍結をすべきであります。
 日本経済を駄目にした長引くデフレは、少子高齢化や人口減少のせいではなく、マクロ経済政策、すなわち国家経営の失敗そのものに根本的な原因があります。増税をやってはいけないときに増税をやる、金融緩和をやるべきときにやらない。つまり、アクセルを踏むべきときにブレーキを掛ける、暖房を掛けるときに冷房を掛ける。この失敗こそ日本を長期停滞に陥れた真犯人であります。
 我が党は、十一月二日、消費税増税凍結法案を参議院に提出いたしました。景気の現状や身を切る改革等がなされていないことに鑑み、政府は消費税率の引上げを凍結するとともに、国民の間に不公平感が残り、将来の税率引上げにつながりかねない軽減税率制度を廃止すべきであります。
 具体的には、消費税の税率一〇%への引上げは経済状況、歳出削減の成果等を総合的に勘案して検討するものとし、特にデフレ脱却をまず行い、その結果に基づいて定められるものとすること、その際、歳出の無駄削減を図るために必要な措置を講ずること、そして、政府は消費税の軽減税率制度を廃止するために必要な法制上の措置を講ずるものとすることであります。
 財務大臣にお伺いをいたします。
 毎年度においてその時々の経済状況を見ながら定める税法の中で、なぜ消費税だけが例外で、将来の時点の経済状況が予見できないにもかかわらず、税率引上げを予定しているのでありましょうか。
 これまで、村山内閣が決定し、橋本内閣が実施した一九九七年の消費増税は大失敗でした。野田内閣が決め、第二次安倍内閣が実施した二〇一四年の増税も失敗です。個人消費を減速させ、景気の足を引っ張り続けているではありませんか。物価安定目標二%の未達成もこの増税が主因であります。麻生副総理はそう思われないでしょうか。元々、将来の増税決め打ちには無理があります。
 安倍総理は、増税して景気を悪くしたら元も子もないとおっしゃっています。そのとおりですよ。もとより、アベノミクスというのは金融緩和、積極財政、構造改革を旨としています。増税とは全く異質の政策なのであります。麻生大臣はそうお思いになられませんか。
 この際、引上げそのものを凍結して、デフレ脱却に全力を挙げるべきであります。増税を将来予定をすることはデフレマインドを助長させるだけであります。いかがでしょう。
 それに関連して、最近の日銀はかなり変です。金融緩和が雇用の回復に一定の貢献があったのは事実でありますが、先頃の金融政策の変更は、まず金融緩和をすべきであるという意味で本来の仕事になっていません。
 失業率が二%台半ばまで下がれば、更に雇用は二十万から三十万増えてまいります。物価安定目標二%より現在のインフレ率は低いのでありますから、今は金融緩和をすべきであります。そうすれば、賃金はおのずと上がり、デフレ脱却も見えてまいります。財務大臣はそうお考えになられないでしょうか。
 また、民間が未来への投資をちゅうちょするのなら、政府が率先して五十年物、六十年物の超長期国債を発行し、投資したらよろしいのです。財政出動だけでは円高を招きますが、金融政策と一体化をすれば、金融緩和をより強力に推進し、デフレ脱却にもつながってまいります。いかがでしょうか。
 いずれにしても、消費税増税の前にデフレ脱却を徹底すべきと考えますが、財務大臣の御見解をお伺いをいたします。
 そもそも、税制抜本改革法は、民主党、自民党、公明党の三党合意で成立をいたしました。その際、民主党政権下で決められた社会保障・税一体改革大綱には、議員定数削減や公務員総人件費削減など自ら身を切る改革を実施した上で増税をすべきだと明記されました。
 しかし、政府と自公民三党は、国民との約束を破りました。今年ようやく決まった衆議院定数削減は、十減らすのみであります。大綱にある八十削減はどこに消えたのでありましょう。
 議員歳費と公務員人件費については、復興財源のための歳費、給与カットは二年余りで終了する一方、国民の復興所得課税はあと二十年以上も続くのであります。去年、今年は公務員給与を引き上げる給与法案が成立し、さらに、人事院勧告では三年連続の公務員給与引上げとなっております。厳しい財政事情に鑑み抑制に努めていくとの麻生大臣の御答弁と整合性が取れていないのではないでしょうか。
 我が党は、既に衆議院定数削減法案、議員歳費削減法案、国家公務員総人件費二割削減法案を始め、身を切る改革法案を提出してまいりました。政府・与党が本気で取り組んでいただけるのなら、協力は惜しみません。
 大綱に定めた議員定数削減や公務員総人件費削減は、まだまだ不十分であります。麻生副総理には、より具体的、より建設的な御答弁をお願い申し上げます。
 社会保障と税の一体改革の考え方を根本的に見直し、社会保障の恒久財源を消費税以外に求めることを真剣に検討すべきであります。
 増税の前に、まずは社会保険料の取りっぱぐれをなくすところから始めるべきであります。国民年金未納や厚生年金、健康保険の加入要件を満たすにもかかわらず加入していない加入逃れの問題を解消する方が先ではないでしょうか。
 社会保障と税との一体改革というのであれば、社会保険料と税を一体的に管理できる世界的な流れでもある歳入庁を創設すべきであります。安倍総理は歳入庁設置に前向きと存じますが、麻生副総理はいかがでございましょうか。
 我が党は、歳入庁設置による業務効率化等推進法案を提出しています。既存組織防衛のための形式的な反対理由は聞きたくございません。御所見をお伺いをいたします。
 最後に、我が党は、どの党よりも先駆けて消費税増税の凍結を訴えてまいりました。期日を定めた増税ありきの延期法案と我が党の増税凍結法案とでは全く異なります。デフレ脱却、名目成長率四%が達成されれば、増税そのものが必要なくなることさえ考えられるのであります。
 再度、延期ではなく凍結すべきであることを訴えて、質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣麻生太郎君登壇、拍手〕

発言情報

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発言者: 渡辺喜美

speaker_id: 22070

日付: 2016-11-09

院: 参議院

会議名: 本会議