麻生太郎の発言 (本会議)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○国務大臣(麻生太郎君) 消費税率の引上げと経済状況について等々十問いただいております。
 まず、消費税率の引上げと経済状況についてのお尋ねがあっております。
 税制を変更するに当たっては、国民や事業者の準備期間を設けるとともに、予見可能性を確保するためには、施行日を将来の一定の日に定めることは、これは一般的なことであります。消費税率引上げにつきましても、この予見可能性や経済への影響などを総合的に勘案し、平成二十四年八月に成立をいたしました税制抜本改革法においては、平成二十六年四月に五%から八%へ、二十七年十月から八%から一〇%へと二段階で引き上げることとし、その上で経済状況等を総合的に勘案し、引上げの判断を行うこととしたところであります。
 次に、消費税率の引上げの経済への影響についてのお尋ねがあっております。
 消費税率の引上げが経済に影響を及ぼすことは否定しません。経済は、税制のみならず、これは世界経済の動向を含め様々な要因によって決まるものだと認識をいたしております。今般の消費税率引上げの延期につきましては、世界経済が新興国経済の陰りなど需要の低迷、また成長の減速リスクが懸念される状況の下で、個人消費にも力強さを欠くということなどを総合的に判断したところでありまして、増税決め打ちとの御批判というのは当たらないと思っております。
 消費税率引上げとアベノミクスについてのお尋ねもあっております。
 日本経済の再生を実現していくためには、少子高齢化が進展をしていく中にあって人々が安心して暮らしていくためには、持続可能な財政と社会保障を構築していくことは必要不可欠の条件であります。三本の矢が持続的に効果を発揮するためにも、国民の安心を支えてまいります社会保障制度を次の世代に引き渡すための消費税率の引上げは、これは極めて重要だと思っております。したがって、消費増税はアベノミクスとは異質の政策との御指摘は当たらないと考えております。
 デフレ脱却と消費税率引上げの凍結についてのお尋ねがありました。
 デフレ不況からの脱却は安倍内閣の最重要課題であります。まさに、そのためにも、伊勢志摩サミットにおける合意に基づきあらゆる政策を総動員する中で、構造改革の加速など総合的かつ大胆な経済対策を講じることと併せて、消費税率引上げの再延期を判断したものであります。同時に、二〇二〇年度の財政健全化目標を堅持し、消費税率の引上げはその実現を損なわないタイミングでしっかり実施していく必要があり、いつまでも先送りをするわけにはいかないと考えております。したがって、消費税率を凍結ということは考えておりません。
 日銀による金融政策についてのお尋ねがありました。
 先般、日銀は、総括的な検証を行った上で、金融緩和をいわゆる強化するための新しい枠組みとして、長短金利操作付き量的・質的金融緩和の導入を決定をされておられます。これは、二%の物価安定目標を早期に実現するためのものであると理解をしております。また、黒田日銀総裁は、金融緩和の拡大はまだ十分可能であり、必要であれば追加措置もちゅうちょしないと説明をしておられます。デフレ脱却と持続的な経済成長の実現は、政府、日銀の共通の重要な政策課題でありまして、引き続き、政府、日銀一体となって金融政策、財政政策、構造改革など、あらゆる政策を総動員して全力で取り組んでまいらねばならぬと思っております。
 五十年債、六十年債の発行についてのお尋ねもありました。
 五十年債、六十年債の発行につきましては、投資家の幅広いニーズが見込まれるわけではなく、その安定的な消化は困難なおそれもあります。また、あえてこれを発行しなくても既存の国債の安定的な消化が図られていることから、発行を今の段階で検討しているわけではありません。
 消費税率引上げとデフレ脱却についてのお尋ねがありました。
 政府としては、二〇一九年十月の消費税率一〇%への引上げを確実に行える環境を整えていくべく、デフレ不況からの脱却に向けて経済財政運営に万全を期してまいる所存であります。
 次に、議員定数及び議員歳費の削減、公務員総人件費の削減についてのお尋ねがあっております。
 政府として、国家公務員の総人件費については、その抑制に努めていくことが重要であると考えており、一昨年の給与法改定に盛り込みました給与制度の総合的な見直しにおいて、初任給を据え置く一方、高齢者層を四%引き下げることにより、俸給表水準を平均二%引き下げることとしております。また、簡素で効率的な行政組織体制を確立することで、総人件費の抑制に努めていく考えでもあります。なお、国会議員の定数や歳費の在り方につきましては、これは民主主義の根幹に関わる話でありますので、各党各派においてしっかり御議論いただくべきものであろうと考えております。
 国民年金の納付率や被用者保険の適用についてのお尋ねがあっております。
 国民年金納付率の向上や被用者保険の適用対策は、これは極めて重要な課題であります。厚生労働省において適切に取り組んでおられるものと承知をしております。他方、消費税率の一〇%への引上げは、国民の安心を支える社会保障制度を次世代に引き渡す責任を果たす、それとともに、市場や国際社会からの国の信頼、信認というものを確保するためにはこれは是非必要なものであり、二〇一九年十月には引上げを実施させていただきます。これらの課題は共に重要な課題であり、それぞれ速やかに対応していくべきものであろうと考えております。
 最後に、歳入庁についてのお尋ねがありました。
 いわゆる歳入庁につきましては、非公務員とした年金機構職員を再び公務員にするということがある、また、同一の滞納者に対して、時効の異なります年金保険料と国税の徴収業務を同時に行うということになるといった実務上の混乱も生じかねないというなど様々な問題点があり、適当ではないと考えております。なお、社会保険料と国税の徴収に関しては、現在、国税庁から厚生労働省に法人情報を提供するなど、関係省庁間で連携を強化しているところであります。(拍手)

発言情報

speech_id: 119215254X00920161109_020

発言者: 麻生太郎

speaker_id: 17218

日付: 2016-11-09

院: 参議院

会議名: 本会議