稲田朋美の発言 (安全保障委員会)

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○稲田国務大臣 防衛大臣の稲田朋美でございます。
 本日は、山口委員長を初め理事、委員の皆様に、防衛大臣としての所信を申し上げます。
 我が国を取り巻く安全保障環境は一層厳しさを増しております。
 北朝鮮は、昨年、二度の核実験や二十発以上の弾道ミサイル発射を強行いたしました。また、本年に入ってからも、ICBM試験発射準備が最終段階に至った旨発表するなど、ICBM発射試験を示唆するような発言を繰り返しているほか、今月十二日にも弾道ミサイルを発射しました。こうしたたび重なる軍事的挑発行為は、まさに新たな段階の脅威と言えます。
 一方、中国は、継続的に高い水準で国防費を増加させ、軍事力を広範かつ急速に強化しつつ、周辺海空域等における活動を急速に拡大、活発化させています。昨年末には、空母遼寧を含む計六隻の海軍艦艇が沖縄本島—宮古島を通過いたしました。遼寧が太平洋へ進出するのはこれが初めてです。また、昨年九月、戦闘機と推定される軍用機が初めて沖縄本島—宮古島間を通過しました。平成二十八年度の中国機に対するスクランブル回数は、第三・四半期までで六百四十四回に達しており、既に昨年度一年分の回数を超えております。これらの動向は、今後も強い関心を持って注視していく必要があります。
 このような状況を踏まえ、以下の施策を積極的に推進してまいります。
 我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増す中、安全保障政策の根幹となるのはみずからの努力であるとの認識のもと、我が国自身の防衛力を強化し、みずからが果たし得る役割の拡大を図る必要があります。
 このような考えのもと、統合機動防衛力の構築を着実に進めており、周辺海空域における安全確保、島嶼部に対する攻撃への対応、弾道ミサイル攻撃への対応等を引き続き重視し、防衛力整備を進めております。特に、南西地域における防衛体制の強化は重要であり、昨年三月には与那国沿岸監視隊等を新編いたしましたが、今後、奄美大島、宮古島及び石垣島に警備部隊等の配置を進める所存です。
 今後とも、国家安全保障戦略、防衛計画の大綱及び中期防衛力整備計画に基づき、国民の生命、身体、財産、我が国の領土、領海、領空を断固として守り抜くため、体制を強化してまいります。
 次に、日米同盟の強化について申し上げます。
 もはや、どの国も一国のみでは自国の安全を守ることはできない時代となっている中、日米同盟の抑止力、対処力の強化が重要です。
 今月四日に、訪日したマティス新国防長官と会談いたしました。日米同盟は、我が国とアジア太平洋地域の平和と安定を守る上で極めて重要な役割を担っており、日米同盟の抑止力、対処力を一層強化するとの認識で一致しました。また、さきの日米首脳会談では、日米双方が日米同盟を一層強化するための強い決意を示しつつ、米国は地域におけるプレゼンスを強化し、日本は同盟におけるより大きな役割及び責任を果たすことで一致しました。
 今後とも、日米防衛協力のための指針に基づき、同盟調整メカニズムによる緊密な調整、共同訓練、演習、共同研究開発など、さまざまな分野において両国の協力を進展させてまいります。
 また、日米同盟による抑止力を維持しつつ、地元の基地負担を軽減するための取り組みも重要です。
 特に、現在も多くの米軍施設・区域が集中している沖縄においては、昨年末、北部訓練場の過半、約四千ヘクタールの返還が二十年越しで実現いたしました。これは、沖縄県内の米軍施設・区域の約二割に当たり、沖縄の本土復帰後最大の返還です。
 今後とも、沖縄の基地負担軽減のため、できることは全て行う、目に見える形で実現するという基本方針のもと、普天間飛行場の辺野古への移設、返還など、基地負担の軽減に取り組んでまいります。
 また、米軍機の飛行安全の確保は駐留の大前提です。米側には引き続き安全の確保を求めてまいります。
 次に、安全保障協力の推進について申し上げます。
 豪州、ASEAN諸国、インド、欧州諸国などの基本的価値や安全保障上の利益を共有する国々との共同訓練や防衛装備、技術協力、能力構築支援を含む防衛協力、交流を引き続き推進してまいります。
 特に、日・ASEAN防衛協力については、昨年十一月に私が第二回日・ASEAN防衛担当大臣会合で表明したビエンチャン・ビジョンに沿って着実に強化してまいります。
 欧州諸国に対しては、アジア太平洋地域へのコミットメント強化を働きかけつつ、具体的な防衛分野での協力を強化してまいります。本年初めの私の欧州訪問は、まさにこうした観点から実施したものです。
 また、現下の朝鮮半島情勢を踏まえ、北朝鮮問題に関する緊密な情報共有や実践的な共同訓練の実施を初めとする日韓、日米韓の連携を強化してまいります。
 中国に対しては、引き続き透明性の向上を働きかけつつ、日中防衛当局間の海空連絡メカニズムの早期運用開始に向け、協議を継続してまいります。
 また、国際社会が抱える課題への取り組みとして、自衛隊は南スーダンPKOにおける施設活動やソマリア沖・アデン湾における海賊対処行動を実施しています。
 防衛省・自衛隊は、今後とも、積極的平和主義の旗のもと、日本らしい現地の実情に寄り添った活動の実施を通じて、国際社会の平和と安定のための取り組みを推進してまいります。
 続いて、平和安全法制の着実な具体化について申し上げます。
 昨年は、南スーダン派遣施設隊に新たな任務等を付与したほか、在外邦人等保護措置訓練や日米共同の統合実動演習、キーンソード17で重要影響事態における捜索救助活動についての訓練等、新たな任務に関する必要な訓練を実施しております。さらに、昨年末には、米軍等の部隊の武器等防護について、米軍を対象として運用を開始いたしました。
 防衛省といたしましては、今後とも、各種の事態に適切に対応できるよう万全を期してまいります。
 次に、国会提出法案について申し上げます。
 まず、駐留軍等の再編の円滑な実施に関する特別措置法の一部を改正する法律案は、本年三月三十一日に同法の有効期限を迎えるため、いまだ実施に至っていない米軍再編事業を円滑に実施できるよう、有効期限を十年間延長する等の改正を行うものです。
 また、防衛省設置法等の一部を改正する法律案は、陸上総隊の新編、南西航空混成団の南西航空方面隊への改編や、日豪・日英ACSAに関する規定の整備、開発途上地域の政府への不用となった装備品等の無償譲渡のための規定の整備等を行うものです。
 委員各位におかれましては、御審議のほどよろしくお願いいたします。
 以上述べましたように、防衛省・自衛隊が直面する課題は山積しております。私は、防衛大臣として、防衛省・自衛隊のよき伝統とともに、変化する安全保障環境に対応するため、創造の精神を持って、今後とも安全保障上の諸課題に取り組んでまいりたいと考えております。
 山口委員長を初め理事及び委員の皆様の一層の御指導、御鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

発言情報

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発言者: 稲田朋美

speaker_id: 17560

日付: 2017-02-28

院: 衆議院

会議名: 安全保障委員会