小沢鋭仁の発言 (憲法審査会)
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○小沢(鋭)委員 日本維新の会の小沢鋭仁です。
我々日本維新の会は、これまで、憲法改正に向けた具体的な提案をしてまいりました。
我が党は、憲法改正は、特定のイデオロギーの表現のためではなく、政策的な課題の解決のために行うべきものと考えています。法律の制定や改正に立法事実が必要であるのと同様に、憲法改正についてもいわば憲法事実が必要だと考えるわけです。
また、我々は、憲法改正の項目として国民が身近で切実に感じている問題を取り上げ、できるだけ多くの国民が賛成できる形で憲法改正を進めていくべきと考えております。
以上のような考え方に基づき、昨年三月、我が党は、教育の無償化、国と地方の統治機構改革、憲法裁判所の設置の三点について、憲法改正原案をまとめて発表いたしました。昨年の参議院選挙もこの原案を掲げて戦い、選挙の結果、国民の一定の負託を得ていると考えております。
我が党は、このたびの憲法審査会で、これまでの逐条的解釈論を離れて、我が国が直面する諸課題について立法事実、憲法事実の議論を行うべきという我が党の提案が実現し、議論が開始されることを大いに評価したいと思います。
今回の議題である参政権に関する問題について、我が党の考え方を申し上げたいと思います。しかし、この問題については、我が党の議論はまだ収束しておりません。我が党の憲法改正原案以外の提案、主張であっても憲法審査会での議論は喜んで行いますが、全てのテーマについて結論が出ているわけではないことを冒頭申し上げておきたいと思います。
まず、緊急事態における参政権のあり方です。
緊急事態に関する規定については、幾つかの論点が考えられます。
そもそも憲法に緊急事態に関する新たな条項は必要なのか、法律で対応すれば十分ではないかという意見があります。
我が党は、憲法改正には具体的な立法事実、憲法事実が必要と考えていますので、緊急事態として何を想定するか、政府の対応はどうあるべきか、具体的に議論すべきと考えます。このような具体的な議論を詰めるほど、法律レベルでの対応に近づくとも考えられますが、この点での国会における議論を大いに進めていくべきだと考えます。
仮に、憲法改正で緊急事態条項を設けるとした場合、緊急事態における何らかの決定を行う機関はどこか、例えば内閣か内閣総理大臣か、また、基本的人権の制限まで踏み込むのか、それには触れない範囲で行うのか等々の論点があり得ます。こうした点について、国会での議論を進めるべきと考えます。
また、緊急事態条項がなければ、緊急時の必要に応じて内閣等が超法規的な措置をとらざるを得ず、それでは立憲主義に反するので、きちんと事前に権限を与えておくべきではないかという主張もあります。
ただ、この議論では、事後的にどの機関が最終的な憲法適合性を判断するのかという視点が抜けています。こうした事後的な審査の必要性という視点から、我が党が提案する憲法裁判所の設置の正当性が認められると考えます。
政府が緊急事態において何らかの超法規的対応を行った際、それが事後的に憲法違反であると判断されるおそれがあれば、政府は緊張感を持って慎重に行動することが期待されます。現行憲法の裁判所では、緊急事態における政府の行動につき、統治行為論によって判断を回避するおそれがあります。憲法裁判所であれば、政府の行為の合憲性につき、公権的な判断を下すことになります。
以上のように、緊急事態については、どのような要件の緊急事態条項を憲法に新設するかという事前の問題だけではなく、緊急時の政府対応に関する事後的審査の問題も重視されるべきと考えます。我が党の憲法改正原案の立場からは、緊急時の政府対応の是非に関する判断というのは、憲法裁判所が重要な機能を果たし得る一つの例と言うことができます。
次に、解散権のあり方、特に解散権の制限について、緊急事態も含めた一般的な議論については、党内での議論はまだ収束しておりません。
解散権について、憲法改正で制限をするという議論の前に、まず、七条解散について憲法上の疑義があるならば、そうした疑義を徹底的に議論をしていくこと、徹底的に進めていくべきと考えます。
次に、選挙制度のあり方について申し上げます。
まず、一票の格差についてです。
選挙制度に関連する問題としては、我が党は、旧党時代から一院制の導入について提起をしてまいりました。同時に、道州制導入を含めた統治機構改革を憲法改正で実現すべきことも選挙等で訴えてきました。
一院制にせよ、道州制にせよ、今の選挙制度の一票の格差の問題を超えて考える必要があります。道州の範囲や一院制における選挙制度のあり方について、我が党としては細部まで具体的な案はまだ確定しておりませんが、現在の都道府県を前提とした制度とは大きく異なるものであることだけは御理解いただけることと思います。
最後に、投票率の低下の問題について申し上げます。
我々は、国民の意識、世論がどこにあるかを常に把握して政治が行われるべきと考えております。政治への関心をいかに高めていくか、政治全体の努力が必要であります。
我が党は、政治改革に関しては、身を切る改革のほかに、選挙をより自由で公正な形で行えるようにするためのさまざまな提案を行い、法案も提出してきております。
若い人たちに政治への門戸を開くことで政治への関心と責任感を持ってもらうため、衆参両院の被選挙権年齢の十八歳引き下げ法案も提出しております。また、スマホ投票、ネット投票の導入、ポスター掲示板のデジタル化等、技術革新に応じた法改正を行うことも必要です。さらに、戸別訪問、合同演説会、人気投票の解禁等、不合理な規制についての見直しも行うべきです。我が党は、こうした諸課題に対応するための法案も提出してきております。
いずれにせよ、国民が政治に参加できるルートや契機をできるだけふやすことが極めて重要であります。政治は、常に時代の変化を捉えて、その時代に応じた政治参加のあり方をつくっていくべきであると考えます。
以上です。