照屋寛徳の発言 (憲法審査会)

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○照屋委員 社会民主党の照屋寛徳です。
 最初に、本日のテーマの一つである緊急事態における国会議員の任期の特例について意見を述べます。
 憲法第四十五条は、衆議院議員の任期は四年とする、ただし、衆議院解散の場合には、その任期満了前に終了すると定め、憲法第五十四条に、解散・総選挙、特別会及び緊急集会の各規定があることは周知のとおりであります。
 昨今、衆議院選挙の最中に大規模災害や外敵からの攻撃があると、衆議院議員が不在となり、対応できないので、憲法第四十五条の例外として、衆議院議員の任期を延長できる規定を、憲法改正の上、盛り込むべきとの主張があります。また、憲法第五十四条第一項の要求する期間内に総選挙を施行できない場合に備えて、憲法改正をすべしとの意見もあります。
 社民党は、このような緊急事態における国会議員の任期の特例等に絞った改憲論議は、自民党日本国憲法改正草案第九十八条及び第九十九条の緊急事態条項新設への批判をかわし、マイナーな改憲条項に絞ることによって、可能なところから改憲を実現したいとの、いわゆるお試し改憲そのものであり、強く反対をいたします。
 自民党日本国憲法改正草案第九十九条第四項は、「緊急事態の宣言が発せられた場合においては、法律の定めるところにより、その宣言が効力を有する期間、衆議院は解散されないものとし、両議院の議員の任期及びその選挙期日の特例を設けることができる。」と定めております。要するに、選挙を実施しないということです。
 確かに、大規模災害によって、選挙実施が困難な地域も発生します。かかる場合、公職選挙法第五十七条の繰り延べ投票制度によって解決すべきで、改憲は不要です。
 憲法第五十四条第二項ただし書きは、「内閣は、国に緊急の必要があるときは、参議院の緊急集会を求めることができる。」と定めております。この参議院における緊急集会の規定は、GHQとの交渉の中で、不測の災害に対応する措置として、日本側の要求で盛り込まれたとも憲法学者が指摘をしております。
 したがって、自民党日本国憲法改正草案第九章緊急事態の創設は必要ありません。同時に、緊急事態下で内閣の解散権を制限するための憲法上の必要性もなく、そのための憲法改正の必要もありません。加えて、今や災害対策基本法に災害対応措置が定められていることを踏まえれば、今、いわゆるお試し改憲は論外であります。
 安倍総理は、衆議院本会議や予算委員会等において、緊急事態条項を新設するために憲法を改正すると明言しております。その上、憲法施行七十年の節目に当たり、憲法審査会で具体的な議論を深めようではありませんかと、行政府の長が三権分立や立憲主義を無視して国権の最高機関たる国会に改憲への取り組みの強化をするよう求めております。全くもって言語道断であります。
 恐らく、緊急事態における国会議員の任期の特例を認め、解散権の制限を求める論議は、これら安倍総理の発言に起因するものと思われます。
 国家緊急権とは、戦争、内乱、恐慌ないし大規模な自然災害などで、平時の統治機構をもってしては対処できない非常事態において、国家権力が国家の存立を維持するために、立憲的な憲法秩序である人権の保障と権力分立を一時停止して非常措置をとる権限だと憲法学者の芦部信喜氏は定義し、通説となっております。
 社民党は、我が国において国家緊急権としての非常事態条項を憲法に盛り込む必要性はなく、そのための改憲には断固反対であります。
 最近では、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック開催と関連し、テロ攻撃を理由に、改憲の上、国家緊急権新設を主張する向きがあります。しかしながら、テロは国家緊急権が発動される非常事態ではありません。テロはあくまで緊急対処事態であり、法律に基づき、犯罪として警察が対処すべきであります。
 最後に、一票の格差問題について、手短に意見を述べます。
 一票の格差問題の本質は、憲法が求める選挙人の投票価値の平等、すなわち一票の価値の平等をいかに実現するかという問題であります。
 現行小選挙区比例代表並立制の選挙では、得票率と議席占有率の乖離が顕著となり、死に票が大量に生み出され、民意が大きく切り捨てられております。
 したがって、一票の格差の是正、すなわち一票の価値の平等実現と同時に、民意を的確に議席数に反映させる選挙制度改革が必要で、この二点を両立させるため、比例代表選挙を重視した選挙制度の改革を検討すべき。社民党は、政党が獲得した票、すなわち政党名または候補者個人名に応じて議席を配分する比例制を中心とし、地域代表の性格も加味した小選挙区比例代表併用制を主張していることを申し述べ、意見表明を終わります。

発言情報

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発言者: 照屋寛徳

speaker_id: 24406

日付: 2017-03-16

院: 衆議院

会議名: 憲法審査会