中谷元の発言 (憲法審査会)

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○中谷(元)委員 自由民主党の中谷であります。
 本日、先ほど各会派の御意見を伺いましたが、憲法改正で必要な事項として、地方分権、そして地方自治のあり方、これは公明党、維新、民進党から述べられましたけれども、この点におきましては自由民主党と共通の認識があります。
 戦後、地方における人口の減少と東京一極集中が進行し、市町村では、ふるさと離れ、過疎化、高齢化、これが一段と進んでおります。そこで、全国で地方創生の取り組みが進められておりますが、現行憲法には地方自治に関する規定や記述が少ないために、みんな霞が関を向いて行政をしており、我が国は依然として中央集権が強く、地方分権が進んでいないと感じております。
 フランスでは、憲法上の理念に地方分権があり、補完性の原理、地方財政に関する規定があります。ドイツでは、地方に関する財政規定が設けられ、税目ごとの割り当てまで細かく規定をされているほか、連邦裁判所を設け、自治権の侵害に対して司法的な救済を求めることができるという規定が置かれております。イタリアでは、地方の立法権の強化が図られ、地方分権の推進を重視した憲法となっている補完性の原理があり、アメリカには、地方自治にはホームルールという規定が認められております。
 いずれも地方分権を確立し、人口も経済もバランスある国となっておりますが、我が国も地方分権を推進していくための憲法改正を多角的で丁寧な議論を積み重ねて行っていく必要があるのじゃないでしょうか。
 このためには、まず、憲法前文に国と地方の役割を書くということが考えられます。
 地方自治の前提として、国の役割を必要最小限とし、地方自治体の役割を最大化する地方分権を確立すること、このことは、国及び地方自治体がそれぞれの責務を担いつつ互いに協力し、住民に身近な行政は地方自治体が優先して執行することを原則とするものであり、国家として、地方自治体が相互の自立と協力関係のもとに、自治体間の利害の対立を超え、ともに発展をするということを目指し、地方自治の担い手として地方自治の充実と発展に寄与していくという地方自治の趣旨を憲法の前文に明記すべきであります。
 その上で、住民自治、団体自治、地方財政について、自主的な財源確保や財政調整制度などについても憲法の条文で規定することを検討すべきだと考えます。
 また、緊急事態における地方自治体が機能できないとき、広域にわたるとき、迅速に国家が救援活動が実施できるように、国の緊急対処のあり方も憲法で規定することを検討すべきであります。
 次に、現行の地方自治制度においては、広域自治体は都道府県なので、都道府県単位の代表を出すということは大事なことであり、少なくとも一人の代表を選出することを担保すべきであります。要するに、合区制度、これの問題点であります。
 この三十年で高知県選出の衆議院議員は五名から二名になりました。また、参議院議員は徳島県と合区となり、その結果、住民が政治にアクセスしにくくなり、顔の見える民主主義が維持できなくなってきております。
 国からの地方交付税、補助金の配分、産業振興計画、警察、教育、医療、福祉、これは都道府県別の制度が設けられておりますが、都道府県議会も独自の権限を持っておりますが、このような独自性を無視して選挙だけは合区だとすると、県民の権益、権利、民意、これを的確に反映することができなくなります。人口の多い地域ほど国会議員が多くなれば、大都市などの人口の集中する地域ほど有利な政策が展開され続け、地方は不利な状況に置かれ、結果として、さらに大都市に人口が集中するという負のスパイラルに陥ることが懸念をされます。
 人口減少や少子高齢化といった我が国が抱える極めて構造的な問題に対処するためにも、東京一極集中を是正し、地方の活性化を図らなければならず、国全体のことを考えても、人口が流出する過疎県の切実な声が国政に最大限に反映されなければなりません。合区制度によって人口の少ない地域の代表が減るということで、この結果、投票率の減少、無効票の増加の弊害、これが明らかになってきております。
 アメリカの上院は州代表です。一票の格差は七十・七九倍、オーストラリアは十三・九四倍です。諸外国と比べても、都道府県から少なくとも一名の参議院議員が選出されるという制度は認められるのではないでしょうか。
 そのため、この対応として、例えば一人別枠方式で、各都道府県に最低でも一人の参議院議員がいるような制度を考えなければなりません。そのような制度を設けると、参議院が地方代表としての性格をあわせ持つことになります。参議院のあるべき姿については参議院が長年取り組んでおられるところでありますが、国会における議論の進展次第では、法改正では足りず、憲法改正が必要なことも考えられます。
 私は、地方分権や豊かな地方創生を実現するためにも、どのような手段をもってしても合区を解消すべきであると考えていることを最後に申し上げ、自由討議における私の発言といたします。
 ありがとうございました。

発言情報

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発言者: 中谷元

speaker_id: 2715

日付: 2017-05-18

院: 衆議院

会議名: 憲法審査会