辻元清美の発言 (憲法審査会)

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○辻元委員 本日の審査会で、五月三日の安倍総理の憲法改正に具体的に踏み込む発言や期限を示されたということについて、複数の議員から意見が出ております。私も一言申し上げたいと思います。
 この審査会でも提起してまいりましたが、憲法改正には三つの原則があるのではないかと申し上げてまいりました。
 一つ目は、国民主権を実現する。国民の大多数がこの点を憲法を変えてほしいという点をしっかりと、あれば、この審査会で受けとめて、そして議論を進めていく。ですから、憲法を守らなければならない総理大臣がどこを変えたがっているかと顔色をうかがって改正を論じることはあってはならぬということを、一つ、まず申し上げたいと思います。
 そして、二つ目は、法律で対応できることは法律で対応する。
 そして、三つ目は、国論が二分されているような課題は憲法改正になじまない。これは、憲法調査会、憲法調査特別委員会、ヨーロッパの視察等でも、国民の統合ではなく、そのような憲法改正をすると、その結果、国民の分断を招きかねないということで、大多数の国民のコンセンサスを得られることを原則とすべきではないか。
 この三点を申し上げてまいりました。改めて提起をいたします。
 そして、安倍総理の発言ですが、これも私、何回も提起しておりますが、立憲主義というものをわきまえていられるのかどうか。
 今回の五月三日の発言でも、憲法は、国の未来、理想の姿を語るものですとおっしゃっています。しかし、憲法というのは、第一義的に、権力者の権力行使、これを縛るものであるというのが近代立憲主義の考え方ではないでしょうか。これに対して、国会等で安倍総理は、そういう考え方は、かつて王権が絶対権力を持っていた時代の主流的な考えだとも述べています。
 憲法改正を論じるに当たって、立憲主義の認識が違っているようでは、土台が違うということになりかねません。この点も、改めて本審査会では、憲法は権力者を縛るものであるという確認をしてまいりたいと考えております。
 そして、安倍総理は九条にも触れました。九条で、多くの憲法学者や政党の中には、自衛隊を違憲とする議論が今なお存在している、自衛隊が違憲かもしれないなどの議論が生まれる余地をなくすべきである。と言うのであれば、安保法制のときに、九割近くの憲法学者が憲法違反だと言った、そのことは無視して強硬に採決をしておきながら、そして、自分の都合のいいときだけ立憲主義を持ち出す、これは御都合主義というのであって、私は、そういう姿勢で、憲法改正を論じる資格がないということも申し上げておきたいと思います。
 最後に、憲法改正の機は熟したという話。皆さん、そうお考えでしょうか。ここもよく考えていただきたいと思います。
 そして、さらに、国政選挙と憲法改正国民投票があたかも同時にできるような、これは菅官房長官が見解を示されましたが、これは、今までの十年以上にわたる憲法の議論の場での認識とは違います。
 第百六十三回国会で保岡委員が、今、自民党の憲法の責任者、当時の改正の国民投票法の提出者でした、こうおっしゃっています。「与野党が政権の維持、獲得を目指して相争う国政選挙と超党派で合意した憲法改正案に対する賛否を争点とする国民投票との性格の相違にかんがみれば、国民投票と国政選挙とは別個に行うことが適当である」「両者を同時に行うと、各政党は、国政選挙では対立しながらも、国民投票運動では連携しなければならないという場合が生ずるなど、運動をする側も国民の側も混乱してしまうおそれがあり、なお、ルールそのもの自体を決めることが非常に難しくなってくる」。
 次の第百六十四回国会では、今いらっしゃいます公明党の斉藤委員が、与野党が政権を争う国政選挙と、国会の三分の二以上の勢力が協調して国民合意を問う国民投票とは全く性格が異なるものであり、同時に行えば国民の混乱を招くとの観点から、両者の同時実施を念頭に置いた規定は設ける必要はない。これは立法者の発言でございます。
 そのほかにも、加藤勝信、今の一億総活躍担当大臣が、当時の提出者でしたけれども、憲法改正国民投票と国政選挙を同時に実施するということは想定しておりませんと、立法意思が示されております。
 このような議論の積み重ねを御認識なさっていないのか、官房長官がこの実施についての御発言もされている。これも、本審査会としては、しっかりと与党の筆頭には理解をさせていただきたいと思います。
 終わります。

発言情報

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発言者: 辻元清美

speaker_id: 8731

日付: 2017-05-18

院: 衆議院

会議名: 憲法審査会