足立康史の発言 (憲法審査会)

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○足立委員 日本維新の会の足立康史でございます。
 私からは、昨年三月に我が党が公表した憲法改正原案のうち教育無償化の部分についてそのポイントを御紹介し、幾つかの論点について意見を申し述べます。
 私たちが憲法改正原案の柱の一つに教育を取り上げたのは、教育の機会均等を徹底するという観点とともに、大胆な少子化対策として、就学前教育から高等教育に至るまでの教育の無償化を国づくりの柱に位置づけるためであります。
 第一の教育の機会均等については、現行の日本国憲法第二十六条一項に「能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。」と既に一定の規定はされていますが、現実に目を向ければ、経済格差が連鎖し固定化するといった子供の貧困が深刻化する一方です。個人が自立して切磋琢磨できる環境を確保するためには、教育を受ける権利に係る規定をさらに強化すべきであります。
 こうした認識から、私たちは、第一項の後半に、「経済的理由によつて教育を受ける機会を奪われない。」と明記する改正案を策定しました。各人の適性とは無関係な家庭的、経済的な事情による選別は許さないということを明確にするためであります。
 第二の教育の無償化についても、義務教育については既に現行憲法二十六条二項に、「これを無償とする。」と明記されていますが、私たちが焦点を当てたいのは、この無償化の範囲です。
 私たちは、現行規定を抜本的に拡充し、「法律に定める学校における教育は、すべて公の性質を有するものであり、幼児期の教育から高等教育に至るまで、法律の定めるところにより、無償とする。」旨、同条第三項に規定する改正案を公表しています。
 現行の教育法体系における法律に定める学校とは、学校教育法第一条に規定するいわゆる一条校を意味しますが、我が党は、幼児期の教育から高等教育に至るまで、体系的、組織的に行われる教育は全て法律に定める学校とし、無償措置の対象とすべきと考え、既に関連する法律案を国会に提出しています。
 例えば、保育所における保育は養護と教育が一体となって行われるものであり、保育所における教育も、幼稚園における教育と同様に無償化の対象とします。専門学校を初めとする専修学校等についても、職業または実際生活に必要な能力を育成する等、他の学校に類する体系的、組織的な教育を行っているものについては、社会人の学び直しも含めて広く無償措置の対象にすべきと考えています。
 無償措置の対象となる学校の範囲とともに重要なのが、無償の意味です。
 私たちの改正案では、「法律の定めるところにより、無償とする。」と規定していますが、これは、例えば私立学校に係る支援限度額等の導入も無償措置に係る立法政策として許容することを示しています。
 教育の無償化が、既存の学校法人に青天井で税金をばらまくことであってはなりません。公立と私立、異なる課程間を含めて競争を促し、経常費等の効率化を進めるためにも、無償措置の対象となる私立校の授業料には上限を設ける制度が望ましいと私たちは考えています。
 実際、当時の橋下徹大阪府知事が導入した私立高校を含む高校無償化では、制度を利用できる私立高校の授業料の上限を年間五十八万円に定めましたし、我が党が既に国会に提出している教育無償化法案においても、授業料の上限設定を許容しています。
 以上、教育無償化に関する我が党の憲法改正原案の概略を紹介しましたが、残る時間で、三つの主要論点に関する我が党の考え方を申し述べます。
 まず、教育無償化は立法と予算措置で実現できるので、憲法に定める必要はないとの意見があります。先週の憲法審査会において辻元清美委員が強調されていた、法律で対応できることは法律で対応するという原則、いわゆる辻元原則がこの典型例であります。
 しかし、憲法で定めれば、国と地方に立法と予算措置を義務づけることとなるため、時の政権の政策変更等の影響を受けずに済みます。憲法に定める方が、単なる立法と予算措置に比べて政策の優先順位が上がり、恒久的な無償化の実現が容易となることも考えられます。
 実際、義務教育は現行憲法で無償と規定され、教育基本法、学校教育法に基づき、現に小中学校の無償化が実現しています。一方、保育を含む幼児教育は憲法上の無償規定がないため、財源不足等を背景に、待機児童問題が一向に解決されません。
 そもそも、辻元原則に従えば、現行憲法第二十六条第二項の義務教育の無償についても、法律で対応できるのだから現行の憲法規定は不要になります。民進党が今後とも、法律で対応できることは法律で対応する、教育無償化は憲法改正にはなじまないと強弁されるのであれば、現行憲法の規定をも否定する反立憲主義であるとのそしりを免れないと指摘せざるを得ません。
 次に、教育無償化を憲法に規定する前に財源について議論すべきとの意見があります。
 しかし、小中学校の無償化がなぜ実現しているのかに思いをはせれば、問題は財源ではなく政策の優先順位であることは明らかです。最初に財源を議論するから前に進まない。最初に憲法で無償措置を義務づければ、日本は法治国家なのですから、行政はしっかりと遵守をします。財源を理由に教育無償化の憲法改正を否定するのは、やらないことの言いわけにすぎません。あれだけ日本死ねと騒いだ民進党の山尾志桜里委員が幼児教育を無償化するための憲法改正にも反対するさまは、滑稽でしかありません。
 なお、教育無償化を憲法に規定することの是非と離れて、財源について一言触れれば、幼児教育の無償化のための財源は地方の責任で確保する、高等教育の無償化については国の責任で財源を確保する、これが基本であると私たちは考えています。
 そして、教育の無償化の財源、特に幼児教育無償化のための財源は行財政改革で生み出すべきであるし、生み出すことができると主張しています。実際、大阪市を初めとする複数の自治体がそのようにして幼児教育の無償化を既に実現しつつあります。
 高等教育の無償化のための財源についても行財政改革で生み出すのが基本でありますが、足らざる部分があれば、それは現役世代ではなく、事業承継税制を完備した上で、資産形成に成功した高齢者から徴収させていただきたい。相続財産の一部を我が子以外の子供に、日本の未来にとの考え方であります。
 いわゆるこども保険には反対であります。負担が現役の勤労者と事業者に集中しますし、税を保険と偽って徴収するのは逃げであり、詐欺であると断じざるを得ません。
 最後に、高校までの無償化には賛成だが、大学の無償化には反対だとの意見があります。十日に開催された財務省の財政制度等審議会の分科会で展開された、高等教育は生涯賃金の上昇という個人の私的利益につながるから公費負担拡大による無償化には反対といった意見が典型です。
 しかし、本当に高等教育は個人利益なのでしょうか。少子化が進む中、出生率を回復させるためにも、子育て世帯の教育費の負担を大幅に引き下げる必要があります。生産性のスピルオーバー効果を踏まえれば、高等教育が社会全体に利益をもたらすことは言うまでもありません。
 私たち日本維新の会は、子供の教育費は大学まで国が面倒を見るという明確なメッセージを発信していくことが、少子化対策の肝であり、社会の発展にもつながると考えています。
 もちろん、大学については、人件費等の経常経費にめり張りをつけ、大学間、教員間、学生間の競争を促し、実践的な職業訓練を一層重視するなど、しかるべき改革が不可欠であります。私たちは、教育無償化のための憲法改正を契機に、大学改革を断行する決意であります。
 以上、我が党の憲法改正案のポイントを紹介するとともに、教育無償化に係る三つの論点について意見を申し述べました。
 ありがとうございました。

発言情報

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発言者: 足立康史

speaker_id: 733

日付: 2017-05-25

院: 衆議院

会議名: 憲法審査会