奥野総一郎の発言 (憲法審査会)

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○奥野(総)委員 民進党の奥野でございます。
 私は、知る権利についてお話をしたいと思います。
 知る権利というのは、言うまでもなく、民主主義の基盤でありますけれども、今、世界各国から、日本の知る権利について懸念が示されています。
 先ほど武正委員の方からもございましたけれども、報道の自由度ランキング、これは二〇一〇年には十一位だったものが、ことしはG7で最下位の七十二位まで下がってきています。理由としては、特定秘密保護法の存在や、報道によれば、メディア内に自己規制がふえている、あるいは政権側がメディア敵視を隠そうとしなくなっている、これは昨年の電波停止、停波問題なんかもそうなんですが、そういったことが原因とされています。
 また、同様の指摘については、国連の人権理事会、これは現在、暫定の調査報告が出ているようでありますが、そこでも指摘をされているということであります。
 これを裏づけるように、昨年私も指摘をしましたけれども、自民党の憲法草案の中に、二十一条、表現の自由を制限する規定が書かれています。内心の自由とか表現の自由、こういった基本的人権については制限を加えないというのが世界の常識なんですが、昨年も指摘をしましたけれども、二項を設けて、公及び公の秩序を害することを目的とした言論について制限を加える、こういうことも書かれているわけであります。
 この場は、新しい権利を議論して、それを保障していく方向で議論しなきゃいけないわけでありますが、一方で、こういう知る権利にブレーキをかけるような条文を前提に、これを前提に議論するんですねと昨年申し上げたんですが、取り下げていないので、これを前提に議論されているということは問題だということを一つ指摘させていただきます。
 それからもう一つ、知る権利には、これは情報を受け取る側の受領権でありますけれども、集める、情報収集権というのがあります。これは佐藤幸治先生の分類でありますけれども、自分で積極的に情報開示を求めていく、公権力に対して情報の開示を請求する情報開示請求権、これが知る権利のもう一つの側面としてあります。
 これについては、既に行政機関の情報公開法等が制定されている、こういう指摘もありますが、先ほど来、我が党、辻元委員初め申し上げているように、そもそも文書の存在を認めない、隠蔽する、ないという話になれば情報公開のしようもありませんから、できない、こういうことがあったり、仮に出てきたとしても、黒塗り、非開示ということで出てきたり、あるいは、特定秘密に当たるということで開示が阻まれている、こういった問題があるということが指摘されています。
 さらに、開示の範囲なんですけれども、地方自治体は努力義務ということで法律で求められています。それから、独法も法律ができていますけれども、穴があって、広義の特殊法人、これは例えばNHKとか地方共同法人という広義の特殊法人については情報公開法制がないんですね。ですから、こういった穴もあります。その点も指摘をしておきたいと思います。
 こうした現在の情報公開法制、現行法の問題点を踏まえれば、やはり憲法に、公権力に対して情報の開示請求を認める情報開示請求権、いわゆる知る権利を憲法の中に規定して、網羅的に、行政機関あるいは特殊法人を含めて、一層の情報開示を促すように憲法に規定すべきじゃないか。それから、個人情報の保護の観点からは、プライバシー権をセットで憲法に規定して、憲法の中で開示、非開示の調整を図るべきではないかというふうに思います。
 とにかく、知る権利というのは、これをもってやはり民主主義、きちんと情報が開示されなければ我々は選挙の投票もできないわけですし、判断もできないわけですから、私は最も大事な権利だと思います。
 ということで、この審査会の場でも優先してこうした知る権利等について議論を深めるべきだというふうに思います。
 それから、最後にもう一点。
 教育の無償化については、私はそのこと自体は賛成でありますが、やはり財政の問題があります。先ほど、保険でありますとか国債でありますとかと言っていますけれども、この憲法審の中でも財政均衡を入れるべきだという議論があるように、やはり財政に配慮しなきゃいけない。まず財源をどうするのか、その議論を憲法よりも先にやるべきだと私は思います。
 以上です。

発言情報

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発言者: 奥野総一郎

speaker_id: 32692

日付: 2017-05-25

院: 衆議院

会議名: 憲法審査会