山下貴司の発言 (憲法審査会)

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○山下委員 自由民主党の山下貴司でございます。発言の機会をありがとうございます。
 私は、女性宮家の問題について御指摘をしたいと思います。個人的な意見でございます。
 この女性宮家の問題については、皇位継承の問題と女性皇族の御結婚後における皇族としての御公務の継続、こういう面があるんですが、私は、まず、皇位継承の問題とは切り離すべきだというふうに考えております。
 というのは、既にさまざまな意見が提示されました、象徴たる天皇の地位が男系で引き継がれてきたという歴史的事実、このことは既に御紹介がありましたが、私としては、もう一つ、これは既にある皇位継承順位の事後的な変更をもたらしかねないというところ、これも指摘したいと思います。
 すなわち、現行は、第一順位は皇太子殿下、第二順位は秋篠宮殿下、そして第三順位は悠仁親王殿下でございます。しかしながら、以前の内閣での有識者会議報告書であるとか、あるいはヨーロッパで見られるような、皇位継承について、直系優先、長子優先という原則をとった場合に、第一順位は皇太子殿下でございますけれども、第二順位は愛子内親王殿下、第三順位に秋篠宮殿下、第四順位に眞子内親王殿下、第五順位に佳子内親王殿下、そして、悠仁親王殿下は第六順位になるわけでございます。
 現在、第三順位である悠仁親王殿下の皇位継承順位、これが、年齢であるとかそういったことを考えると、事実上なきものにするということになりかねないということでございます。これは、年齢差から考えると、もしかしたら、秋篠宮殿下の皇位継承順位もなきものにするということにもなりかねない。やはり、そうしたことも踏まえて議論しなければならないと思います。
 私は、皇位継承の安定のための議論は必要でありますけれども、先ほど言ったように、既にある皇位継承順位を人為的に、事後的になきものにするということについては極めて消極的でございます。
 そして、これは個人的な意見ではございますけれども、皇位継承の安定を図らねばなりませんが、それにつきましては、さまざまな観点から考えなければならないところ、それには、皇籍離脱をされた旧宮家の皇籍復帰についても、歴史的に見ても、最初から排除するということは考えるべきではないのではないかというふうに考えております。
 二つ目の論点である女性宮家について、女性皇族の結婚後も、御皇族としての活動をお続けになり、皇室の天皇皇后両陛下の御公務をお支え願えないかということでございますけれども、これにつきましては、そもそも、天皇そして御皇族の公的行為というのは何かというのは、憲法上位置づけるべきではないかと個人的に思っております。
 というのは、憲法上は、天皇は国事行為のみを行うとされておりまして、また、御皇族の公的行為についても位置づけが憲法上は明記されていないわけであります。そうだとすれば、我々自民党が示した改正草案にもありますけれども、象徴としての公的行為を憲法上位置づけ、さらに、御皇族としての行為について、例えば、象徴たる天皇の皇族としての、公人としての行為ということを、憲法上位置づけるかどうかは別にして、そういったものであるというふうに位置づけるべきだと思います。
 しかし、そのために女性宮家まで創設することが必要かについては、私は慎重に検討すべきだろうと思っております。
 宮家とは、宮号を持つ個人の資格ではありません。当主と血縁関係を有する家族全体の問題でございます。そうした家族法の問題だということを考えますと、私は法律家でありますので、細かくなって恐縮ですけれども、例えば、女性皇族の配偶者は皇族となるのか、あるいは、その子、孫は皇族なのか、その子や孫の配偶者も皇族となるのかという問題があり、あるいは、大変恐れ多いことですが、不幸にして配偶者が事後的に離脱した場合には皇族たる身分を失うのか維持するのか、そういった問題もございます。
 そうしたことを考えると、個人としての皇室活動を継続していただく問題を一足飛びに家の問題として議論すべきだということについては、私は違和感を覚えるところでございます。
 そして最後に、憲法審査会の進め方について一言申し上げれば、この憲法審査会、きょうは、天皇の問題を含め、網羅的に議論をしていたところでありますが、一つのテーマからは顔を背けている部分があると私は思います。それは憲法九条であります。憲法九条の問題について、この憲法審査会は、国民が願っているにもかかわらず、正面からテーマとして取り上げたことはございません。
 私は、与野党を通じて、この議論から逃げるべきではないと思っておりますので、そのことを最後に申し上げて、私の意見とします。

発言情報

speech_id: 119304183X00820170608_025

発言者: 山下貴司

speaker_id: 606

日付: 2017-06-08

院: 衆議院

会議名: 憲法審査会