福島伸享の発言 (農林水産委員会)
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○福島委員 資料の最後のページに、「農業保険精説 重政誠之」という本があって、国会図書館で見つけてきたんですけれども、重政誠之さんというのは、戦前と戦後、二回にわたって農林次官をやって、その後、衆議院議員になって、第二次池田内閣で農林大臣をやった。お兄さんも農林官僚で参議院議員の重政庸徳、実は私の祖父のいとこなんですけれども、農業保険制度をつくった第一人者なんです。これは昭和十四年の本です。
そこにいろいろなことが書いてあるんですけれども、例えば、農業保険を考えるときに、統制経済が出た、野口悠紀雄先生の一九四〇年体制論のあたりに農業保険というのはできているんですけれども、それは、上からの統制ではなく、農村の土の上から育まれる統制は、科学的な合理的な根拠に立つ農村自体の協同と計画の統一体系以外にあり得ないだろう、農業保険制度もまた、かかる原理に導かれたものであることは言うまでもないと。
協同と計画、協同は協同組合の協同ですよ、それと合わさったものをやるのが必要なんだと言っているんです。
資本主義における自己責任主義は、経営における自己保険主義に通じるものであるが、既に今日においては各種保険制度の著しい発達を経て、社会保険制度、団体保険制度の普及を見るに至っている、いろいろな民間の保険もあります。
ただ、しかし、自然災害から農作物生産を防御する協同組織は、その技術的困難さのため、今日に残されてきたのである、災害対策の協同組織は、最後の最も重要な協同化部面と言われるゆえんがここに存する、保険組織は可能な限り広範囲の農民の協同的紐帯によって結ばれなければならない。
つまり、共済というのは協同組合なんですよ。みんなで災害から身を守りましょうという協同組合が農業保険。収入保険は、恐らく、協同組合じゃなくて、個別のリスクに応じた民間保険的な考えなんですね。どっちがどっちと言うつもりはありません。ただ、両方相まって、農業と農村というのは守られていくんだと思うんですね。
ですから、先ほど大臣はみんな収入保険に移ると言うけれども、収入保険になって、協同組合的な考えもなく、みんながそのリスクに応じて保険を商品として買うということだけでは私は農村は守られないと思っておりまして、そういう意味では、強制加入にするかどうかは別にして、広く薄く、協同的に災害から守るための仕組み、そこに当然、金銭的なものも介在するというのも必要だと思うんですよ。
その組み合わせはやってみなきゃわからないけれども、やってみて最適なところに落ちるべきだと思うんです。やってみなきゃこれはわかりません。ただ、その側面を私は見失ってはいけない。この農業共済をつくった当初の重政誠之が考えたところの思想、理念というのは、私はいまだ有効であると思っているんですよ。
そういう意味では、事後の検証が極めて大事だと思う。単なる経営の側面から見るんじゃなくて、農村共同体で、みんなで災害に対するリスクを低減するという観点の組織も大事だし、そのために私は当然加入というのがあったんだと思うんですよ。もう食管制度がなくなったんだから要らないじゃないかという乱暴な考えじゃない側面もしっかり光を当てるべきだと思いますので、そうした観点からの検証をぜひ行っていただきたいと思いますが、大臣、お考えはいかがでしょうか。