富田茂之の発言 (文部科学委員会)
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○富田委員 公明党の富田茂之です。
大臣所信に対する質疑をさせていただきたいというふうに思います。
今、亀岡先生の方からも再就職問題に関しての御質問がありました。私も、まずその点から聞かざるを得ないというのは、ちょっと残念なんですが、皆さんのお手元に資料を二つ、机上配付させていただきました。
資料の一は、二月五日付の朝日新聞、編集委員の曽我豪氏の「日曜に想う」という記事であります。表題は「百年前の文部省廃止論」。ちょっとびっくりするような表題が出ていまして、これは何だということで読んだんですが、高橋是清が原敬内閣の大蔵大臣だった一九二〇年、大正九年、このときに提出した「内外国策私見」という文章の第四項目に、「文部省ヲ廃止スルコト」という項目がありました。曽我氏はこれを引用して今回の事態を批判しまして、一番下の最終の段のところに結論が書いてあります。
平地に波乱を起こすような廃止論を唱えるものではない。だがこうは思う。なぜ今この時代において、科学でも文化でも体育でもなく、文教事務を国家が統括する文部を頭に冠した役所が存在する必然性があるのか。責任を負うべきところで身をかわし、自由に任せるべきところで管理を持ち出し、特権を慎むべきところで守ろうとする。そうしたちぐはぐな行動様式を改めない限り、その必然性を感じさせることは難しいというふうに結論づけられております。
私、これをずっと読んで、ちょっと違和感を覚えたんですね。本当に高橋是清さんがこんなことを百年前に言っているんだろうかということで、「内外国策私見」の原本に当たってみました。
そうしましたら、確かに、小中学校の施設経営監督は地方自治体に任せよという文章はあるんですね。でも、その前後を全部この曽我さんははしょっていまして、高橋是清氏は、都会と地方の差を無視して全国一律の教育を施すのは問題があるというふうな指摘をされています。また、地方自治体の財政力には差があるので、一律に負担を強いるのは問題がある、この点は間違いなく指摘されているんですね。
その上で、こんなふうに言われています。「而シテ斯クノ如ク全国平等劃一的ノ教育ヲ施ス其結果ハ青年子弟ヲシテ動モスレバ実際ヲ離レタル平等思想ニ陥ラシメ、社会ノ秩序上下ノ差別等ヲ一切無視スルノ感念ヲ懐カシムルニ至ル傾向ナシト云フ可ラズ。」ということまで言われているんですね。
これはちょっと本当に言い過ぎだなと思うんですが、さらに、こんなことまで言われています。国民思想を涵養し、伝統精神を全国の子弟に知らしめるには教育勅語がある、教育勅語により、修身処世の大本を指示し、健全なる国民思想を涵養せしめよ、文部省ではなく、内務省をもってこれに当たらせよというふうに主張しているんですね。
ここの部分を全部考えて曽我氏はこういう引用をしたのかな、ある意味、ちょっと切り文的に高橋是清さんの提言を使って今回の文科省廃止論みたいなことを言われているんじゃないかな、ちょっとマスコミ人としていかがなものかなというふうに、原本に当たって思いました。
高橋是清さんの指摘はもっともな部分はありますけれども、ただ、現代に、教育勅語、しかも内務省でやれというのは、今内務省がずっと流れてきたのは警察庁あるいは総務省ですから、そういったところに教育を任せて本当にいいのかというふうに思うんですが、大臣は、この曽我さんの提言を見られてどう思われますか。