二階俊博の発言 (本会議)

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○二階俊博君(続) 奪われてはなりません。学生のやる気を後押しし、能力を最大限引き出し、社会に生かすためには、本人の努力を支援する仕組みが必要です。
 党内でも議論を重ね、本年四月から、給付型奨学金制度の一部、これは私立大学の自宅以外から通う学生と社会的擁護を必要とする学生が対象でありますが、先行して始まることになりました。来年度からは、一定の成績を基準として、国公私立の自宅生も含めて支給され、無利子奨学金の貸与人員も増員することになります。
 児童養育制度の施設長や福島で被災した子供たちが通う高校の教師からも、これまで大学進学を諦めたりちゅうちょしていた生徒たちにとっても進学の後押しになり大変ありがたいという声が聞こえております。
 資源のない我が国において、教育への投資は何よりも重要であり、国の将来を見据えた長期戦略と言えるのであります。給付型奨学金制度の意義と国家戦略としての教育投資のあり方について、安倍総理にお伺いしたいと思います。
 第二次安倍政権は発足以来四年が経過し、税収も所得も格段にふえ、経済環境に明るさを取り戻していることは、客観的な統計から見ても明らかであります。今後とも腰を据えて経済最優先で取り組んでいくことは言うまでもありません。安倍総理に、経済最優先に当たるこれからの御決意についてお伺いをします。
 経済成長の鍵はイノベーションにあります。昨年十一月にパリ協定が発効しましたが、脱炭素化は世界的潮流であり、すぐれた環境・エネルギー技術を持つ我が国は、この分野で世界をリードできる存在であります。
 将来の市場規模や潜在力が巨大と予測される中、成長戦略として地球温暖化対策に積極的に取り組むことについて、総理のお考えを伺いたいと存じます。
 経済のパイを拡大すると同時に、経済の成長、いわゆる持続可能な社会保障の問題、それらの構築を着実に進めていかなくてはなりません。社会保障制度は世代を超えた助け合いの精神が基本であります。したがって、世代間の対立にならない改革が必要であります。
 この精神は、日本人の気質といいますか、勤勉で真面目な国民性とも合致した、いわば日本人の生きざまとも言えるのであります。
 例えば、介護離職ゼロの取り組みは、介護サービスの充実によって、高齢者だけではなく、若い世代の生活の向上にもつながるのであります。
 我が国の社会保障制度は世界でも類を見ないほどの恵まれた状況にあり、世界に冠たる社会保障制度を次世代に引き継ぐために、国民の社会保障制度に対する御理解をいただくことが安倍政権の重要な役割だと考えております。この点について、総理のお考えをお伺いします。
 また、年金、医療、介護の改革、充実を国民の納得感を持ってどのように進めていくのか、塩崎厚生大臣にお伺いをいたします。
 地方創生は本格的な展開の段階に入り、オンリーワンの色をどれだけ出せるのかということが問われており、ボールは市町村の側にあります。
 したがって、私の地元、和歌山県の田辺市上秋津地区では、地域の小学校移転を契機として、地域住民が立ち上がり、その旧校舎を活用して、都市と農村の交流を深めるため、体験的なグリーンツーリズム、秋津野ガルテンが八年前に設立されたのです。地域の……(発言する者あり)やじっている人もそんなことを考えてみなさいよ。地域の野菜と果物をふんだんに使った農家レストランを初め、宿泊、農林業体験、地元の果物を使ったお菓子づくり、ミカンの木のオーナー制度等、上秋津の魅力をふんだんに詰め込んだものであります。
 自分たちでできることは、行政ではなく自分たちでやるという活動が各地で始まっています。私たちは、こうした動きを大切にし、後押しをしたいと思います。
 誰一人見捨てない、誰一人忘れない。ノーワン・レフト・ビハインドという声が地方からも聞こえています。多世代にもわたる、ぬくもりのある支援が必要であります。地域における声なき声に耳を傾け、必要な法制度については検討を進めてまいりたいと考えております。
 私は、ほんの小さな取り組みでありますが、自民党本部前で、各地の物産を集めた販売会を時々行っています。東京のど真ん中でふるさとをアピールする機会をつくることによってアイデアやノウハウが蓄積されます。地方創生の一助になることを信じ、今後とも続けてまいりたいと考えております。
 昨年十月から今日までの間、沖縄県、秋田県、滋賀県、徳島県、和歌山県、岩手県、群馬県川場村、七県が、みずから手を挙げ、アイデアを凝らし、大変なにぎわいを見せてくれました。この際、地方創生にかける安倍総理の意気込みについてお尋ねをしておきたいと思います。(発言する者あり)なお、一生懸命やじっている人たちは、私は、みずからの地域で何をなしたかということを、どんな場所でもいいから御説明をいただきたいと思います。
 次に、天皇陛下の御退位の問題は、国家の基本にかかわる重大な課題であり、決して政局にしてはなりません。与野党は、静かな環境の中で節度ある真摯な議論を行い、両院正副議長のもとで、しかるべく、国民の総意として立法府の考えを取りまとめていくことが求められています。
 天皇の地位は、日本国民の総意に基づくものであり、国民の代表である国会議員が、陛下のお気持ちに沿いながら、多くの国民の御理解を得て進めていかなければなりません。
 政府におかれては、議長のもとで取りまとめられた立法府の考えを最大限尊重することは当然のことでありますが、安倍総理の基本的なお考えを伺いたいと存じます。
 次に、現行憲法制度は七十年が経過し、時代に合わせて憲法を改正していくことが求められています。衆参の憲法審査会で議論を深めていくことは、各党の共通の認識であります。
 憲法の三大原則、国民主権、平和主義、基本的人権の尊重を堅持し、二十一世紀における新たな国家像を示すものとして、どの部分を変えるのかという具体的な項目の論議を行い、広く国民の皆様に知っていただくことが私たちの責務であります。次の七十年を見据えた憲法のあり方、また国会での憲法論議について、安倍総理のお考えをお伺いします。
 一方、一億総活躍社会を目指す安倍政権にとって、全ての人に働きやすい職場づくりを進めていくことが一層求められています。だらだらと働いていては生産性は上がりません。長時間労働を是正し、ワーク・ライフ・バランスを図り、めり張りをきかせていくことが大切であります。
 一億総活躍社会は、国土強靱化の観点からも大いに推進してまいりたいと考えています。レジリエンスとは、もともと精神医学の言葉で、何事にもめげない、耐え抜き、回復するという意味であり、国民運動として、私たちはこのことを、自由民主党として五年前からそのような政治思想を持って進めてまいりました。(発言する者あり)何か他に御提案がありますか。
 日本が主催した第三回国際女性会議WAW!が先月東京で開催されましたが、強くしなやかな国づくり、女性も男性も、お年寄りも若い人も、障害のある方も、全ての国民の皆さんが、ハード面においてもソフト面においても一緒になって参加していただくことが大切であります。政府はこの点を忘れないで、国民全員参加で進めていただきたいと思います。
 一億総活躍社会と働き方改革、また社会全体のマインド醸成について、加藤担当大臣にお伺いをいたします。
 安倍政権は、日本外交の格と評価を上げております。G7やG20においても日本のプレゼンスが高まっており、礎となっている我が国の政治の安定性が各国からこれほどまで評価をされているときはないのであります。
 総理は、先週、フィリピン、オーストラリア、インドネシア、ベトナムの四カ国を訪問され、各国との連携を強化してまいりました。世界を俯瞰する外交は五年目を迎え、成功例として世界の注目を集め続けております。今回の外国訪問の成果を総理にお伺いをします。
 世界の首脳に先駆け、大統領選直後のトランプ氏にニューヨークで早速お会いになったことは、お二人の信頼関係を構築する上で大きな一歩になったことは間違いありません。我が国も……(発言する者あり)野党も行ってやってくればいいじゃない。我が国も、今後多くの議員を派遣し、さまざまなレベルでのチャンネルを広げ、日米関係の深化に力を尽くしてまいります。
 総理は、近いうちにトランプ大統領と首脳会談に臨まれますが、日米関係を希望の同盟としてこれまで以上に発展させることの御決意についてお伺いをいたします。
 外交は、両国がウイン・ウインの関係でないとうまくいかないことは誰でも承知のとおりで、その点で、韓国は大変難しい国だというのが今率直な感想であります。
 釜山総領事館前の市民団体による慰安婦像の設置は、ウィーン条約に照らして問題があり、看過した韓国政府の国際的な評価を低下させています。一昨年の日韓合意はしっかりと守ってもらいたいと強くこの際申し上げておきたいと思います。
 しかし、こうした時期だからこそ、私たちの方から交流を絶やすことをしてはならないと思います。政府間の交渉は当然のこと、党は、人的交流を通じ、交流を進めてまいりたいと存じます。
 日中関係は、ことし国交正常化四十五周年、来年は平和友好条約四十周年の節目の年であります。さまざまな分野で相互理解を進めるよいチャンスだと考えております。党として、防災、環境、観光、青少年交流など、より一層進めてまいりたいと思います。
 日ロ関係は、先般のプーチン大統領との首脳会談を踏まえ、今後とも粘り強く交渉していくことが必要であります。日ロ会談について、総理の御決意を改めて伺っておきたいと思います。
 外交は、相手の国との波長を合わせることが何よりも重要であります。私は、木を植え、種をまき、井戸を掘ることを旨とする外交に今日までいささか努力を続けてまいりましたが、幹と根のしっかりした大木に育つことには、長い間の時間が必要であります。
 安倍総理の外交はまさにそうした観点から行われているものであり、今後とも、短期的な視野に陥ることなく、長い目で見て両国によい影響を及ぼすよう努めていただきたいと存じます。
 私たち自由民主党は、今や国会においても国民の皆様から多数の支持を頂戴しておりますが、こうしたときこそ、初心を忘れることなく、仕事に邁進していかなければなりません。
 さきの国会で成立しました部落差別解消推進法は長年の悲願であり、ここに改めて御賛同をいただいた議員各位に深く感謝を申し上げます。部落解消推進にかける総理の意気込みをお尋ねしておきたいと思います。
 目の前に起きる社会の動向に敏感に反応し、世の中の動きをつぶさに掌握し、スピード感を持って、常にあすを見詰める洞察力を持ちながら未来に向けて行動することは、当然のことであります。
 丁寧に幅広く意見を聞き、建設的な議論を行い、国民にわかりやすい、未来を開く国会にしていきたいと思います。
 社会的に弱い立場の人を大切にするのが政治の使命であります。国際環境が混沌とする中、日本が政治を安定して前に進め、落ちついた環境の中で仕事を進めていくことが求められております。
 政治の使命を果たすために、議員各位の協力をお願いし、これをもって私の代表質問といたします。(拍手)
    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕

発言情報

speech_id: 119305254X00220170123_008

発言者: 二階俊博

speaker_id: 15893

日付: 2017-01-23

院: 衆議院

会議名: 本会議