井坂信彦の発言 (本会議)

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○井坂信彦君 神戸から参りました井坂信彦です。
 私は、民進党・無所属クラブを代表し、ただいま議題となりました政府提出の平成二十九年度予算三案について、反対の立場から討論いたします。(拍手)
 まず冒頭、本日の予算委員会において予算案の採決が強行されたことに強く抗議をいたします。
 このたびの予算審議では、平成二十九年度予算及び安倍政権の政策だけではなく、政権運営のあり方についてもさまざまな問題点が噴出しました。
 まずは、天下りの問題です。
 文部科学省において、人事課が退職予定者の個人情報や法人からの求人情報をOBに提供し、OBが就職のあっせんをしていたという、組織的かつ極めて悪質な天下りが発覚しました。
 当初はボランティアで就職あっせんをしていたと語ったOBが、保険会社顧問の職を得て、何と月二回の勤務で一千万円もの破格の待遇を受けていたことも明らかになりました。
 監督責任者である事務次官も違法が発覚しましたが、政府はこれを免職せず、退職という形を許し、五千万円を超える退職金を支払うという、極めて甘い対応をとりました。
 天下りの最大の問題は、役所と天下り先の企業、団体との癒着、官と民との癒着です。
 私立大学の補助金を配る高等教育局長が、全国第二位の補助金を受け取っている大学に天下る。違法な企業を取り締まる消費者庁の課長補佐が、退職直前に調査を担当していた企業に天下る。
 そもそも、公務員が退職直前の五年間に利害関係のあった企業へ再就職することは法律で禁じられていたのですが、第一次安倍政権で、利害関係企業への再就職が解禁され、合法化されました。現役公務員による就職活動やあっせんさえなければどこにでも再就職オーケーという抜け道だらけの制度にしたことで、補助金配付先や規制取り締まり先など、利害関係先への再就職が横行しています。
 安倍総理が解禁してしまった利害関係先への再就職をもう一度禁止する必要があるのではないでしょうか。また、今回抜け穴として使われたOBによるあっせんも禁止する必要があるのではないでしょうか。逃げ得を許さないためにも、刑事罰も検討する必要があります。
 予算委員会では、我が党からこれらの提案をいたしましたが、安倍総理はまず徹底的に調査してからと答えるのみで、再発防止策について前向きな答弁はありませんでした。その調査も、我が党の指摘によって再調査せざるを得なくなるような、ずさんなアンケートでした。
 予算審議では、天下りを受け入れている七十八の公益法人等に、平成二十九年度予算の中から二千百八十三億円もの大金が支払われることが明らかになっています。天下りと引きかえに余分な補助金が配られていないか、この解明なくして予算を通すことはできません。
 次に、共謀罪の問題です。
 テロ等準備罪とは名ばかりで、対象犯罪はテロ以外の方が多くなる見込みです。包括的な共謀罪がなければ防げないテロの事例を、政府は一つも説明できていません。国際組織犯罪防止条約が要求していないテロ対策は今回の法改正に含まれないと大臣も答弁していますから、そもそもテロ対策を主目的とした法律ではありません。
 条約に批准するためであれば、包括的な共謀罪を整備することが必須かどうかは、専門家の間でも意見の分かれるところです。
 メールやSNSのグループも共謀罪の対象になり得るとする大臣の答弁から、捜査機関によるネット監視という新たな懸念も生じています。
 金田法務大臣は、答弁を二転三転させ、基本的な事項を説明できないだけでなく、予算委員会での審議を封じるとともに、法案提出後も、内容はわからないので役人に聞けといった文書をマスコミに配付しました。
 不見識な大臣のもとで共謀罪が検討されていることも恐ろしいことですが、法務省も、七千五百億円もの予算を所管しています。
 我々は既に金田大臣に辞任を求めており、このような大臣のもとで編成された予算を認めよというのは無理があります。
 さらに、南スーダンPKOの問題です。
 陸上自衛隊が現地の活動状況を記録した昨年七月の日報の情報公開請求に対して、防衛省は、破棄されたとして、不開示とする決定をしました。
 統合幕僚監部で、日報は廃棄されて不存在とお墨つきを与えたメンバーの中に、日報の電子データが残っていることを知っていて隠蔽した人物がまじっている可能性がありますが、稲田大臣は調査する必要がないと強弁しています。
 その後、日報の電子データが残っていたという事実も、大臣に一カ月もの間報告されませんでした。稲田大臣は防衛省を掌握できておらず、文民統制、シビリアンコントロールができているのか疑問です。
 当初公開されなかった日報には、自衛隊宿営地の近くで戦闘が起こったと記されていました。それに対して、稲田大臣は、戦闘と言うと憲法九条に違反するから戦闘とは言わないという問題答弁をするなど、防衛大臣の資質に欠けることは明らかであり、稲田大臣は即刻辞任すべきです。
 加えて、大阪府豊中市において、安倍総理夫人が名誉校長を務め、総理も考え方が共鳴していると答弁していた学校法人に対し、国有地が格安で売却されたのではないかとの問題が持ち上がりました。
 もともと九億五千万円の国有地だったのに、一億三千二百万円の産廃処理費用を渡し、さらに奥深くから産廃が出てきたと言われるままに八億円値引きし、国に入ってくるお金は差し引きわずか二百万円と、ただ同然で国有財産を譲ったことになります。
 地中深くの産廃を掘り出して処分するために八億円の費用がかかるので、その作業を学校法人に任せるかわりに国は土地代を八億円値引きしたといいますが、国は、八億円分の産廃が埋まっているかどうか一切調査をしていません。
 学校法人が八億円分の産廃処理を行ったかどうか、国は一切確認をしておらず、業者の証言では、土砂は一部しか搬出せず、一部は校庭に埋め戻したとされています。
 わずか一億三千四百万円すら分割払いを頼んできた学校法人が、八億円もの産廃処理を自費で行えるわけがなく、国は、学校法人が八億円分の産廃処理をしないことをわかった上で国有地を八億円も値引きして売却したことが強く疑われます。
 来年度に支払われる契約となっている土地売却の分割納付金も予算書に含まれておらず、この一点をもってしても、予算書の修正が必要です。
 認可プロセスも極めて不自然。極めつけは、交渉記録がまたしても廃棄により不存在という、相変わらずの隠蔽体質。
 この状況で予算委員会を打ち切り、事件を幕引きしようという政府・与党のやり方は、国民を愚弄するものと言えます。
 平成二十九年度予算の一般会計総額は過去最大規模になっています。その財源は、名目二・五%、実質一・五%と、極めて甘い経済成長見通しに基づく税収。二十八年度予算について、経済成長率の見通しを甘く設定し、税収を過大に見積もった結果、一・七兆円も税収を下方修正せざるを得なくなり、リーマン・ショック以来七年ぶりの赤字国債追加発行を招いた反省はないのでしょうか。
 その甘い見通しに基づいた経済財政の中長期試算においてすら、二〇二〇年度の基礎的財政収支赤字は三兆円近くも悪化し、財政健全化はさらに遠のきました。
 民進党は、人への投資を経済政策の柱に置き、国民一人一人の能力を最大限伸ばし、それを発揮できる環境を整えるため、不要不急の事業や必要性の疑われる事業が散見される政府提出予算を適正化し、人への投資や地域活性化に最大限重点配分を行う組み替え動議を提出いたしました。
 さらに、配偶者控除等の見直し、金融所得課税引き上げなどの所得税の抜本改革、消費税引き上げの一%分などを財源に教育の無償化など、人への投資を大胆に進め、日本型ベーシックインカム構想で中間層を復活させる法案も既に国会に提出しています。
 政府・与党においては、我々の対案を真摯に検討していただくよう、よろしくお願いをいたします。
 最後に、議場の皆様にお訴えをしたいことがあります。
 国会はこのままで本当によいのでしょうか。議院内閣制の日本において、与党が政府の原案に賛成するのはわかります。しかし、政府に見過ごせない事態が起きたとき、与党、野党の前に、立法府としてやるべきことがあるのではないでしょうか。
 天下り先法人への補助金を一円も見直さずに予算を通してよいのでしょうか。与野党の先輩たちが過去三回も慎重に審議を重ねた共謀罪を、テロ対策に看板をかけかえて簡単に通してよいのでしょうか。南スーダンの日報につき、隠蔽の有無をうやむやにしたままでよいのでしょうか。多くの国民が怒っている国有地の不当値下げを、ろくに調査もせず幕引きをしてよいのでしょうか。
 提案も大事ですが、おかしいことはおかしいと、与野党を超えて、立法府として、政府をしっかりコントロールできる国会をつくり上げていこうではありませんか。
 以上、議場の全ての皆様にお訴えをしまして、私の反対討論とさせていただきます。
 御清聴どうもありがとうございました。(拍手)

発言情報

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発言者: 井坂信彦

speaker_id: 28690

日付: 2017-02-27

院: 衆議院

会議名: 本会議