藤野保史の発言 (本会議)
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○藤野保史君 私は、日本共産党を代表して、二〇一七年度一般会計予算外二案に対して、反対の討論を行います。(拍手)
反対理由の第一は、本予算案が、アベノミクスの行き詰まりのしわ寄せを国民に押しつけ、暮らしを痛めつけるものになっている点です。
安倍総理は、全国津々浦々で好循環が生まれていますと言いますが、厚労省の毎月勤労統計によると、パートを含めた全労働者の平均賃金は、安倍政権発足後、実質で年十九万円も減っています。また、総務省の家計調査によると、二人以上世帯の実質家計消費支出は、十六カ月連続で対前年度比マイナスを続けています。日本経済の六割を占める個人消費が冷え込むもとで、好循環など生まれていないことは明らかです。
アベノミクスの行き詰まりは、賃金や消費という指標だけでなく、税収や財政面でも隠せなくなっています。
一六年度第三次補正予算では、税収が当初見込みより一・七兆円も落ち込み、その穴埋めなどで一・九兆円もの国債の追加発行を余儀なくされました。
政府は、一七年度、所得税収も消費税収も、前年度当初より減ると見込んでいます。これは政府自身が、この道を進めば国民の所得も消費も減ってしまうと認めたことにほかなりません。
しかも、安倍政権のもとで、財政は健全化するどころか、日銀の異常な金融緩和でつくり出された超低金利に支えられるという、財政のゆがみは一層ひどくなっています。この点からも、これ以上この路線に固執することは許されません。
今、日本各地で貧困と格差が広がっています。とりわけ子供の貧困は、先進国の中で最も深刻です。今政治に求められるのは、一刻も早くこの貧困と格差を正すことです。
ところが、本予算案は、社会保障費の自然増分を千四百億円抑制することを初め、社会保障の各分野で国民に負担増と給付減を強いています。中小企業対策費も農林水産関連予算も、昨年より減っています。これでは、貧困と格差はますます深刻化してしまいます。
政府は、返済不要な給付制奨学金を導入するとしていますが、対象者が極めて限られており、しかも、その財源の一部は、大学院生の奨学金返還免除の縮小など、今ある制度の改悪によるものです。
安倍政権のもとで、文教予算は三年連続マイナスとなっていますが、減らされた予算の枠内でのやりくりでは、他の若者にしわ寄せが行くだけです。今こそ、先進国で最低レベルの文教予算の抜本的拡充に踏み出すべきです。
政府は、働き方改革を今国会の目玉にしていますが、安倍総理が議長を務める働き方改革実現会議は、残業時間の上限を年七百二十時間とする案を出しています。これは、残業時間の上限を年三百六十時間と定めた厚労大臣告示の二倍もの残業を野放しにするものであり、到底容認できません。
反対理由の第二は、日米同盟第一の立場で、世界でも異常な、米国追随の姿勢を鮮明にしている点です。
安倍総理は、予算審議のさなか、トランプ大統領との首脳会談を行いました。会談では、日米同盟の強化が強調され、日本は同盟における、より大きな役割及び責任を果たす、このことが合意されました。これは、新ガイドラインと安保法制、戦争法に基づいて、地球規模での、米軍と自衛隊の軍事協力、海外で戦争する国づくりを推進しようとするものです。
こうした安倍政権の姿勢は、本予算案に如実にあらわれています。
一般会計の軍事費総額は、五兆一千二百五十一億円となり、当初予算として、三年連続で過去最高を更新しています。日米地位協定の負担原則に反する駐留関係経費である思いやり予算、SACO関連経費、米軍再編経費の合計も三千九百八十五億円で過去最高です。
大学などを軍事研究に動員するための予算は、対前年度比で十八倍に激増しています。日米の兵器の共同開発に日本の研究や技術を動員するなど、到底許されません。
首脳会談で発表された日米共同声明は、米軍新基地建設について辺野古が唯一の解決策としていますが、沖縄県民が繰り返し選挙で示した民意を踏みにじり、新基地建設を強行することは断じて許されません。辺野古沖での海上工事を直ちに中止し、新基地建設の断念と普天間基地の閉鎖、撤去を強く求めます。
反対理由の第三は、不要不急の大型公共事業を優先し、原発再稼働や破綻した核燃料サイクルを推進するものとなっていることです。
本予算案は、三大都市圏環状道路、国際コンテナ戦略港湾など、大型公共事業を優先しています。来年度の財政投融資計画は、リニア中央新幹線に総額三兆円の貸し付けを行うとしています。政府は、この三兆円の償還確実性などについてまともに検討しないまま、技術面でも、安全面でも、環境面でも問題が指摘されているリニア中央新幹線に巨額の公費をつぎ込もうとしています。こんな無責任なやり方は到底認められません。
昨年末、東京電力福島第一原発事故の賠償、除染等にかかる費用が二十一・五兆円に上ることが明らかになりました。この巨額の費用について、東電を初めとする原発利益共同体の企業に応分の負担を求めることもしないまま、電気料金等の形で国民にツケを回すことは断じて認められません。
政府は、昨年末、高速増殖炉「もんじゅ」の廃炉を決定しましたが、いつ、どこで、誰が、どういう理由で廃炉を決めたのか、いまだに明らかになっておりません。
しかも、政府は、「もんじゅ」にかわる新しい高速実証炉の開発に乗り出そうとしています。しかし、数十年の歳月と一兆円を超える資金を投入した「もんじゅ」がなぜ失敗したのかについて真剣な反省も総括もなく、世界でも実用化のめどが立っていない高速実証炉の開発に突き進めば、「もんじゅ」と同じ失敗を繰り返すことになるのは明らかです。
東京電力福島第一原発事故から間もなく六年となります。福島ではいまだに八万人を超える方々がふるさとに帰れないままです。原発と人間社会は共存できません。原発再稼働と核燃料サイクルを断念する政治決断を下すことを強く求めます。
今求められるのは、貧困と格差を正す立場で予算を抜本的に組み替えることです。格差拡大に追い打ちをかける消費税増税路線を転換し、富裕層と大企業に応分の負担を求める税制改革を行う。軍事費や不要不急の大型開発にメスを入れ、社会保障、教育、子育てなど、貧困と格差の是正につながる予算を抜本的に拡充することを強く求めます。
文科省を初めとする天下り問題や、大阪森友学園をめぐる疑惑はますます深まっており、資料提出、関係者の国会招致等で真相を徹底究明することはまさに国会の責務であります。
テロ対策の名で国民を欺き、国民の思想や内心まで取り締まろうという共謀罪は、物言えぬ監視社会をつくるものであり、現代版治安維持法にほかなりません。予算審議中に金田法務大臣が国会提出後に議論すべきだなどとする文書を配付したことは、三権分立を否定する暴挙です。共謀罪法案の国会提出断念を強く求めます。
さらに、稲田防衛大臣が南スーダンで起こっている事態を戦闘ではなく衝突だと強弁し続けていることは、憲法九条違反の実態を覆い隠そうとするものであり、断じて許せません。内戦状態が続く南スーダンから自衛隊を直ちに撤退させることを強く求めるものです。
憲法を無視する安倍政権の暴走は、安保法制、戦争法の強行以降特に激しくなっています。憲法を踏みにじる政治をこれ以上続けさせるわけにはいきません。日本の政治に立憲主義を取り戻し、憲法が暮らしにも、職場にも、政治の場にも生きる社会をつくる、そのために全力を尽くす決意を表明して、反対討論を終わります。(拍手)