中島克仁の発言 (本会議)
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○中島克仁君 民進党の中島克仁です。
私は、民進党・無所属クラブを代表して、ただいま議題となりました、政府提出、地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律案及び民進党提出、介護崩壊防止法案に対して質問をいたします。(拍手)
大事な介護の問題を少しでも多く質問したいところ大変残念ですが、重要な二点について、まず安倍総理にお尋ねをいたします。
先週、衆参予算委員会において、森友学園籠池前理事長に対する証人喚問が行われました。籠池氏の発言は具体的かつ詳細で、一定の信憑性もあるという受けとめが大勢だったと考えられます。
いずれにしても、疑惑解明のためには、一方の当事者のみならず、当事者双方から事情を聞くのは基本中の基本であります。各種世論調査でも、大多数の国民が政府側の説明に納得できないと答えています。自民党総裁でもある安倍総理は、昭恵夫人を初めとする当事者の証人喚問を実現するよう、指導力を発揮すべきだと考えますが、いかがでしょうか。安倍総理の答弁を求めます。
安倍総理は、二月二十七日の予算委員会において、森友学園に関する認可あるいは国有地払い下げについて、自分や妻、事務所も含めて、もしかかわっていたのであれば、間違いなく総理大臣も国会議員もやめるとおっしゃっておりました。その後、内閣総理大臣夫人付の谷査恵子さんが、籠池氏の依頼を受け、財務省本省に問い合わせを行い、昭恵夫人にも報告していたことが判明しております。これをかかわっていたと言わずして何と言うのでしょうか。安倍総理はみずからの御発言にどう責任を持つのか、お尋ねをいたします。
以上二点をお尋ねして、政府提出法案、民進党提出法案について質問をいたします。
政府提出法案においては、中身に入る以前の問題として、本則、附則に係る合わせて三十一本の、論点の異なる、多岐にわたる内容の法改正を一括に束ねた極めて乱暴な法案であることをまず指摘いたします。また、ほとんどが政省令に委ねられており、このようなことがまかり通ってしまえば、立法府の意思、すなわち国民の声が反映されず、制度は維持できたとしても、国民の生活は立ち行かなくなってしまいます。
国民生活に密着する介護の問題を軽視する、また独善的な安倍政権の姿勢そのものであり、強く抗議をいたします。
さらに、安倍政権は、介護離職ゼロの看板とは裏腹に、前回報酬改定で実質史上最大のマイナス改定を行い、介護サービスの基盤をぶち壊しました。総理は、その責任を感じているのでしょうか。
安倍政権の施策が、今後さらに介護の基盤を崩壊させるものにならないかどうかという観点から、質問します。
政府提出法案のタイトルは地域包括ケアシステムの強化をうたっておりますが、一方で、政府は、経済・財政再生計画により社会保障費の伸びを圧縮する方針を示しています。
地域包括ケアシステムは、例えば在宅医療、二十四時間定期巡回・随時サービスなどに象徴されるように、効率性は必ずしもよくなく、整備するにはコスト高とも言えます。実際に整備は進んでいないのが現状であり、私も、在宅医として地元山梨県の山間部で在宅医療に従事し、そのことは実感しております。
安倍総理にお尋ねをいたしますが、地域包括ケアシステムの構築には経済的合理性があると考えているのでしょうか。考えていないのであれば無責任だと思いますし、合理性があるというなら、その根拠をお示しください。合理性がない、コスト高というのなら、政府が実行している、経済・財政再生計画による社会保障費の伸びを圧縮していることとの整合性をどのように説明するのか、お尋ねいたします。
安倍政権は、平成二十七年度介護報酬改定で二・二七%と、実質過去最大の引き下げを行いました。その影響が如実にあらわれています。介護現場が一体どうなってしまったのか、総理は御存じでしょうか。実際足を運んで、現場の切実な声に耳を傾けておられますでしょうか。
総理は、実際の介護現場の現状をどのような方法で把握しておられるのか、お尋ねいたします。
東京商工リサーチの調査結果によれば、二〇一六年一年間の老人福祉・介護事業の倒産件数は百八件に達し、調査開始以来最多となっています。厚労省の平成二十八年度介護事業経営概況調査によれば、各介護サービスの収支差率について、介護報酬改定前の平成二十六年度と改定後の平成二十七年度の状況を比較すると、多くの介護サービスにおいて収支差率は低下しています。
平成二十七年度の介護報酬のマイナス改定によって、施設サービスも居宅サービスも厳しい経営を強いられていることは素直に認めるべきではありませんか。総理の答弁を求めます。
地域包括ケアシステムの強化、介護離職ゼロと言っておきながら、よもや、平成三十年度、次回介護報酬改定を引き下げるということはあり得ないと考えますが、引き下げないと断言できますか。
来年の報酬改定は、六年に一度の診療報酬、介護報酬同時改定であり、地域包括ケアシステムの構築のためにも大変重要となります。来年の診療報酬、介護報酬同時改定をどのように位置づけているのか、総理の答弁を求めます。
また、議員立法提案者に、平成二十七年度の介護報酬改定に対する評価と、介護崩壊防止法案で介護報酬改定をどのように位置づけているのか、伺います。
安倍政権は、要支援高齢者に対する訪問介護と通所介護を地域支援事業に移行しました。ことし四月からは全ての自治体が移行することになっています。このいわゆる要支援切りによる弊害が出るかどうかもわからないうちに、政府は、軽度者の生活援助サービスを地域支援事業に移行することを検討してきました。また、軽度者の福祉用具貸与や住宅改修を原則自己負担とすることも検討しています。
世論の批判を浴びて、すぐに実施することは見送られましたが、政府はその旗をおろしていません。実行されれば、軽度者の介護度を重度化させ、訪問介護等の他の介護保険サービスの利用が増大することになりかねません。その結果、保険給付の抑制という目的に反して、財政負担の増大を招き、介護職員の人材不足に拍車をかけるおそれがあります。さらに、政府が掲げる介護離職ゼロとは大きく矛盾します。
昨年、私が独自に、ケアマネまた要介護度一、二の介護者を在宅介護する御家族にアンケート調査をした結果、生活援助サービスを介護保険から切り離した場合、九割以上のケアマネ、家族の方は、介護離職がふえると回答をいたしました。介護保険から切り離さないとしても、まさか、介護報酬を切り下げて、事実上軽度者へのサービス提供ができなくなるようなことは考えていませんよね。
軽度者に対するサービスは現行制度を維持すべきであると考えますが、総理並びに議員立法提案者に御見解をお尋ねいたします。
一定以上の所得のある人の介護保険の自己負担割合については、平成二十七年八月に一割から二割に引き上げられたばかりです。政府提出法案では、二割の対象者のうち、現役並み所得の方の負担割合を三割に引き上げることとしていますが、まずは、二割負担に引き上げられたことの影響を丁寧に検証すべきです。どのような調査、検討を行い、どのような検証結果となったのか、お尋ねいたします。総理の答弁を求めます。
二割負担の対象者は、所得の上位二〇%の人が対象となるように設定されていますが、政令で決められるため、対象者の拡大が危惧されます。今後、対象者を拡大することはないのか、お伺いいたします。
また、三割負担の対象者は年収三百四十万円以上の人が想定されていますが、こちらも政令で決めることができ、国会審議を経ずに簡単に対象を拡大することができます。年収要件を引き下げ、対象者を拡大することはないと断言できるのか、対象者が拡大しないように法律に明記するべきだと考えますが、総理の答弁を求めます。
また、対象者拡大防止策の必要性についてどのように考えるか、議員立法提案者にお尋ねいたします。
加えて、今回の負担増が政府の掲げる介護離職ゼロとは逆に介護離職をふやしてしまう可能性について、総理の見解を求めます。
私たちが昨年、介護職員の月給一万円引き上げの法案を提出したことにより、平成二十九年度予算案に介護職員の月一万円の処遇改善が盛り込まれたことは評価をいたします。しかし、介護職員の平均給与と全産業の平均給与には十万円程度もまだ差があり、まだまだ不十分です。さらなる処遇改善を行う考えがあるのか、総理の見解をお伺いします。
政府の介護職員の処遇改善は、介護に直接携わる人だけが対象であり、介護事業所で働く事務や調理などの職種の職員の処遇改善に充てることはできません。このような仕組みでは、全ての職員に公平に処遇改善しようとすると、介護職員以外の処遇改善に要する経費は事業所の持ち出しになってしまいます。介護現場での使い勝手をよくするために、処遇改善は介護に直接携わらない職員も対象とすべきではないでしょうか。総理の答弁を求めます。
また、介護崩壊防止法案では、介護職員等の処遇改善についてどのように対応されるのか、議員立法提案者にお伺いいたします。
介護保険によるサービスは、介護を受ける方、御家族の方々にとってまさに命綱です。
我々は、介護報酬の大幅引き下げ、要支援切りといった安倍政権の施策によって介護サービスの基盤が崩壊することがないよう、命綱が断ち切られることがないよう、要介護者の地域生活の継続、生活の質の維持向上、介護従事者の離職や介護離職の防止を図り、全力で取り組む所存であります。
両法案の審議は、十分に時間をかけ、政府・与党には、丁寧かつ慎重な議論を行うよう強く求めます。
最後に、冒頭の森友学園問題、加えて、金田法務大臣、稲田防衛大臣など、安倍内閣閣僚のたび重なる失態に対する安倍総理の任命責任、安倍総理御自身の信頼が問われている今現在、安倍総理はどのような覚悟を持って落とし前をつけようと考えておられるのかお尋ねをして、私の質問を終わります。(拍手)
〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕