世耕弘成の発言 (本会議)

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○国務大臣(世耕弘成君) 北神議員にお答えをいたします。
 まず、東京電力改革・一F問題委員会、いわゆる東電委員会で提言をされた内容と再編統合の進め方についてのお尋ねがありました。
 御指摘の東電の改革ステップについてですが、第一段階は、現段階の年間〇・四兆円の収益水準を、送配電コスト改革を初めとするさらなるコスト削減により年間〇・五兆円にしていくことで、廃炉や賠償に係る資金の確保を着実に行っていくことが期待をされています。
 第二段階の柏崎刈羽原発の再稼働については、これは、第一段階の廃炉、賠償に係る資金の確保をより確実なものにすることに資するものであり、東電としては、信頼回復を前提としてしっかり対応していくことが必要です。
 第三段階は、企業の価値を向上させていく段階です。ここでは、送配電事業や原子力事業において共通する課題を解決するため、他の電力会社との間で共同事業体を早期に設立し再編統合を目指すことを想定していますが、今後、再編統合を具体化していく中で、御指摘の定量的な効果が見込まれることになろうかと考えています。
 改革を実現するまでには相当な時間を要しますが、福島への責任を果たす観点から、腰を据えて、より長い時間軸の中で粘り強く取り組むことが必要であり、その観点から収益の見通しを立てることも必要なことであると考えております。
 再編統合については、御指摘のとおり、再編当事者同士で、お互いに利益のある形で進めるべきものであり、東京電力としては、他の電力会社から事業に対等に取り組み得るパートナーであるとの信頼をかち得るよう努力することが必要であると考えております。
 福島第一原発の廃炉費用についてお尋ねがありました。
 福島第一原発の廃炉は、世界にも前例のない困難な作業です。現時点では、燃料デブリの取り出しの作業方針や工法が決定されておらず、そうした中で廃炉に要する資金を具体的かつ合理的に見積もることは非常に困難です。
 今回お示しした八兆円という数字は、廃炉に要する資金の全体像が見えない中でも、東電改革の具体的な姿や廃炉に要する資金に係る制度整備の検討を進める上で一定の規模感を示す必要があったため、廃炉に関する専門的知見を有する原子力損害賠償・廃炉等支援機構において、有識者へのヒアリング結果をもとに、現時点で最新の情報に基づき、一定の蓋然性を有するものとして機械的に算出されたものです。したがって、当該金額が債務として認識され、債務超過となることはないと考えています。
 このように、この数字は、具体的かつ合理的に見積もることが難しい中で、責任を持って東電改革等に関する議論を進めるために必要な数字であって、責任をとるかとらないかという性質のものではないと考えております。
 国が東電の筆頭株主であることに関してのお尋ねがありました。
 昨年十二月に閣議決定した原子力災害からの福島復興の加速のための基本方針において国と東京電力の役割分担を整理したとおり、東京電力は、賠償や廃炉を含む福島への責任を貫徹するため、電力自由化に伴う競争環境下においても、株式価値の向上も含め必要な資金を確保していくこととなっております。
 決して簡単ではありませんが、東京電力は、今後、東電委員会で示された、従来の発想にはない非連続な経営改革を、新・総合特別事業計画の改定に反映させ、取り組んでいくこととなると考えております。
 御指摘の少数株主についても、事故を起こした東京電力の株主である以上、その責任を果たしていってもらうことが必要であり、東京電力としては、その方針を理解してもらうべくしっかり説明していくべきであると考えております。
 また、国としては、必要な環境整備を行いつつ、東京電力による新たな計画の着実な履行を促していくべき立場にあり、利益相反というのは当たらないと考えております。
 廃炉等積立金に係る二つの条件についてお尋ねがありました。
 まず、福島第一原発の廃炉は、世界にも前例のない困難な作業であり、現時点では、燃料デブリの取り出しの作業方針や工法が決定されておらず、廃炉に要する資金を具体的かつ合理的に見積もることが困難である中、御指摘の状況が絶対に起こらないと言い切ることはできません。
 他方、だからといって対応しないということではなく、廃炉を着実に実施していく観点から、現時点で可能なことはあらかじめ対応していくことが国としての責務と考えます。
 廃炉に要する資金を見積もることが困難な中で、御指摘のような実質負担も見積もることは困難ですが、いずれにせよ、今回の措置による託送料金の値上げや電気料金の値上げは想定しておりません。廃炉に要する資金は、グループの総力を挙げた経営合理化によって捻出されるものと認識をしております。
 また、御指摘の、著しい負担を何割増しといった定量的な形でお示しすることは困難ですが、国民生活及び国民経済に重大な支障が生じるおそれのない範囲で負担を求めるものと考えております。
 なお、国が足りない部分を支援するという規定が必要との御指摘については、現段階において、そういった措置を想定することで、東京電力の改革の速度を緩めるようなことになってはならないと考えております。
 国の責任のあり方の検討についてのお尋ねがありました。
 平成二十三年八月に成立した原賠機構法附則及び法案成立時の附帯決議において、原子力損害賠償に係る制度における国の責任のあり方等について、法施行後できるだけ早期に検討を加え、原子力損害の賠償に関する法律の抜本的見直し等の必要な措置を講ずることとされております。
 これらを受けて、現在、内閣府原子力委員会のもとに設置された原子力損害賠償制度専門部会において、今後発生し得る原子力事故に適切に備えるため、原子力損害賠償制度の見直しに関して、専門的かつ総合的な観点から検討が行われているものと承知をしております。
 また、福島第一原発の事故に係る賠償、廃炉の対応については、東電が最後まで責任を持って行うという大原則を踏まえつつ、その上で、福島の復興再生を一日も早く実現するため、国も前面に立って適切に対応していくこととしています。
 予算面でも、中間貯蔵施設費用に相当する金額については、エネルギー対策特別会計からの資金交付を行うとともに、廃炉・汚染水対策のうち、技術的難易度の高い研究開発に対する財政措置等を講じてきております。
 廃炉作業に関して、現場との意思疎通や労働環境の改善等についてお尋ねがありました。
 御指摘のとおり、廃炉事業を着実に進めていくには、現場の一人一人の行動と努力が欠かせません。
 私自身、就任直後に福島第一原発の現場を訪問し、働いておられる皆様を激励させていただきました。加えて、高木副大臣が三カ月に一度程度現場を視察し、直接意思疎通を行っております。今後もこうした取り組みを続けてまいります。
 また、廃炉を担う人材確保のため、東京電力は、工事の発注期間を長期化するなどの工夫を行っています。作業環境の改善についても、構内の約九割で一般作業服での作業が可能になるなど、作業員の負担軽減が進んでいます。
 組織の縦割りの弊害を取り除くためには、東電も含めた多様な主体が、原賠機構の監督と支援のもと、最適な事業体制を構築していくことが重要です。
 東京電力が不断の取り組みを行っていくよう、国としてもしっかりと指導してまいりたいと思います。(拍手)
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発言情報

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発言者: 世耕弘成

speaker_id: 15381

日付: 2017-03-30

院: 衆議院

会議名: 本会議