世耕弘成の発言 (本会議)

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○国務大臣(世耕弘成君) 真島議員にお答えをいたします。
 東京電力の福島第一原発事故への責任及び前橋地裁における判決の受けとめについてお尋ねがありました。
 東電による福島第一原発事故に係る事故処理や賠償の対応については、事故の当事者である東電が最後まで責任を持って行うという大原則のもと、これまで対応がなされてきたものと認識をしています。
 また、先日、前橋地裁における福島第一原発の事故に関する訴訟の判決については、裁判所の事実認定及び判断に国の見解と異なる点がありましたので、本日、控訴したところであります。
 原発の安全神話と原賠機構法の枠組み等についてお尋ねがありました。
 まず、政府及び原子力事業者がいわゆる安全神話に陥り、過酷事故への十分な対応ができず、福島第一原発事故を防ぐことができなかったことへの反省は、いっときたりとも忘れてはならないと考えています。
 その上で、東電を法的に整理すべきかどうかという点については、震災直後にも大きな論点になりました。
 当時も東電を法的整理すべきという選択肢も検討されましたが、被災者、被災企業への賠償や廃炉の停滞への懸念、これを強行すれば国みずから賠償や廃炉を行うこととなり、結果として東電の責任が消滅する点、破綻処理に伴う首都圏の電力安定供給への懸念などから、東電を法的整理せず、交付国債を原資とした機構による資金交付を通じて賠償の支払いを支援し、東電は迅速かつ適切な賠償、着実な廃炉、電力の安定供給、経営合理化といった責任を全うすべく、抜本的な経営改革を行うという方向となった経緯があります。
 現段階においても東電はその責任を果たしている途上であり、引き続き原賠機構法の枠組みにおいて対応していくことが必要であるとともに、東電を法的整理するのではなく、東電が経営改革により企業価値を上げながら福島に対する責任をしっかり果たしていくことが国民負担の最小化につながることになると考えています。
 東京電力改革・一F問題委員会、いわゆる東電委員会についてお尋ねがありました。
 東電委員会は、東京電力という企業の改革のあり方に関して有識者の意見をお聞きするため、事業再編や企業再生にも深い知見や経験を有する経営者等の方々に参画をお願いし、経済産業省設置法に基づき、大臣である私が設置した機関であります。また、その検討内容が個社の経営問題に直結することもあり、会議自体は非公開の扱いとしましたが、議事の概要及び資料を原則公開するとともに、委員長から、毎回終了後、長時間にわたり丁寧な記者ブリーフィングを行ってきており、今後も引き続き適切な対応を行ってまいります。
 福島第一原発の廃炉費用についてお尋ねがありました。
 福島第一原発の廃炉は、世界にも前例のない困難な作業です。現時点では、燃料デブリの取り出しの作業方針や工法が決定されておらず、そうした中で、廃炉に要する資金を具体的かつ合理的に見積もることは非常に困難です。
 他方、東電改革の具体策や廃炉費用に係る制度整備の検討を進めるに当たっては、廃炉費用について一定の規模感を示す必要があったため、廃炉に関する専門的知見を有する機構に依頼し、機構において、有識者のヒアリング結果をもとに、最新の情報に基づき、一定の蓋然性を有するものとして機械的に算出したものであり、現時点で上振れることは想定しておりません。
 今後、デブリ取り出しを含めて、廃炉に少なくとも三十年から四十年を要することが想定される中で、将来的に、必要となる資金が見通せるようになってくれば、その時点で追加すべきものは追加するものと考えています。
 また、燃料デブリについては、まずは取り出しを行い、安全に保管した上で、次の処理、処分方法については、燃料デブリ取り出し開始後に決定することとしています。
 デブリ取り出し後の処分費用については、今回の試算では、燃料デブリ取り出し以降に生ずる廃棄物の処分は含まれていないとされており、デブリ取り出し後の処分費用は含まれていないと認識をしています。
 原発のコストについてのお尋ねがありました。
 直近の発電コスト検証では、賠償や除染、中間貯蔵等の事故リスク対応費用、追加安全対策費用、核燃料サイクル費用、立地対策や研究開発等の政策経費などを全て含んだ試算を行っており、原子力の発電コストとして、キロワットアワー当たり十・一円以上という結果を得ています。
 また、当該試算の際に、あわせて、事故対応費用が将来仮に増加した場合の発電コストへの影響を機械的に算出することができるよう感度分析を行っており、いわゆる東電委員会においても、福島第一原発事故関連費用が一兆円増加した場合に、事故リスク対応のための発電コストは、キロワットアワー当たり〇・〇一から〇・〇三円増加するという試算を提示しているところであります。
 その試算に従いますと、仮に福島第一原発事故関連費用が十兆円増加した場合には、原子力発電の発電コストはキロワットアワー当たり十・二から十・四円となり、福島第一原発事故の賠償費用等を勘案したとしても低廉な電源だと考えられます。
 エネルギー基本計画については、エネルギー政策基本法において、三年ごとに検討を加え、必要があると認めるときはこれを変更するとされており、法律上検討する時期に来ていることから、今後、エネルギー情勢の変化などを見きわめながら、現行の計画の見直しの要否も含め幅広く検討を加えていきます。
 廃炉費用と賠償費用に係る措置についてお尋ねがありました。
 東電は、グループの総力を挙げて廃炉費用を負担すべき立場である中、現行制度上、送配電事業による合理化分を値下げ以外に活用することが認められていることを踏まえ、発電事業や小売事業に合理化を求めるとともに送配電事業にも合理化を求めるものであって、廃炉費用に係る今回の措置は、発送電分離に逆行するものではありません。
 むしろ、こうした制度によって、東電グループに対して合理化を求めることで、国民負担の増加を極力抑えることに資すると考えています。
 賠償に関する今回の措置は、福島原発事故以前、原賠機構法が措置されていなかったことから生じた賠償への備えの不足分をどう手当てすることが適当かという問題への対応であります。
 制度がなかったことによって、賠償への備えの不足が生じてしまったことについては、政府として真摯に反省しつつ、福島の復興を支えるという観点、また、当時、原子力の電気を広く消費者が利用し受益していた実態があることなども勘案し、全ての消費者から公平に回収させていただきたいと考えています。
 また、託送料金で回収する金額の規模は、現在の一般負担金の水準をベースに、一キロワット当たりの単価を算定した上で、これを前提に、二〇一〇年度までの原子力発電所の毎年度の設備容量等を用いて算出した金額から、回収が始まる二〇二〇年前の二〇一九年度末時点までに納付した、または納付することになると見込まれる一般負担金の合計額を控除した二・四兆円とし、これを上限とすることを、昨年十二月に閣議決定した福島復興指針において明記しております。
 柏崎刈羽原発の再稼働と福島第二原発の扱いについてお尋ねがありました。
 原子力発電所については、高い独立性を有する原子力規制委員会によって、科学的、技術的に審査し、世界で最も厳しいレベルの新規制基準に適合すると認められた場合のみ、その判断を尊重し、地元の理解を得ながら再稼働を進めるというのが政府の一貫した方針です。
 御指摘の柏崎刈羽原発については、東京電力において、原子力規制委員会による安全審査にしっかりと対応することはもとより、過去の企業文化と決別し、地元の方々への丁寧な説明を含め、国民の信頼を取り戻すべく努力することが極めて重要と考えております。
 また、福島第二原発については、福島県の皆様の心情を察すると、これまでに新規制基準への適合審査を申請している他の原発と同列に扱うことは難しいと認識しております。まずは、東京電力が、地元の皆様の声に真摯に向き合った上で判断を行うべきものと考えています。
 東芝・ウェスチングハウスについてのお尋ねがありました。
 先日の訪米の際、ロス商務長官、ペリー・エネルギー長官から、米国で原発建設を進めるウェスチングハウスの親会社である東芝の財政的安定性は米国にとって重要との言及がありましたが、これ以上の詳細については特に議論になっておりません。
 米国とは、その後、随時情報交換を行っていますが、外交上のやりとりであり、その内容については答弁を差し控えさせていただきます。
 また、日米政府間で業界再編に関する議論がなされた事実はなく、原子力に関連する個々の事業者の再編や統合の是非については、民間企業の経営判断に属するものであり、政府としてお答えすべき性格のものではないと考えております。(拍手)
    〔国務大臣麻生太郎君登壇〕

発言情報

speech_id: 119305254X01420170330_009

発言者: 世耕弘成

speaker_id: 15381

日付: 2017-03-30

院: 衆議院

会議名: 本会議