土屋正忠の発言 (本会議)

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○土屋正忠君 自由民主党の土屋正忠です。
 ただいま上程されました組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案、いわゆるテロ等準備罪処罰法案について、自由民主党・無所属の会を代表して質問をいたします。(拍手)
 ことしは、日本国憲法施行七十周年の記念すべき年に当たります。我が国は、先人たちの血のにじむような努力の末、今日の平和で成熟した民主主義社会を実現することができました。
 振り返りますと、サンフランシスコ平和条約の締結と独立、米ソ冷戦、六〇年日米安保の改定、一九六四年の東京オリンピック、石油ショックと狂乱物価など、幾多の困難や歴史の転換期に遭遇をいたしました。
 とりわけ、一九八九年ベルリンの壁の崩壊から始まった一九九一年ソビエト連邦の解体の衝撃は、戦後史を一変させる出来事でありました。冷戦が終えんして、自由と民主主義、基本的人権の尊重、法の支配など、人類共通の価値に基づく平和な世界が出現するとの予感がありました。
 しかし、現実は全く様相が異なった世界でした。民族、宗教、人種、貧困、独裁、薬物汚染などの紛争が続出し、また、この十数年、ICTの飛躍的進歩とともに深刻化するサイバー攻撃など、世界を揺るがす困難が相次いで噴出するとともに、二〇〇一年九月の米国の同時多発テロから、最近ではアルカイダやISILのような組織的テロリズムがしょうけつをきわめております。
 昨年七月のバングラデシュにおける七名もの邦人が犠牲になったテロ事件も記憶に新しいところでありますが、直近の四月三日には、ロシア・サンクトペテルブルクの地下鉄において、市民を標的にした多数の死傷者を出す卑劣な爆弾事件等が発生をしております。
 これらの現実に直面した国際社会は、各国が協力してテロや国際金融犯罪と闘うことを決意し、二〇〇〇年に国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約、いわゆるTOC条約を採択し、既に百八十七の国・地域が締結をいたしました。
 我が国においても、二〇〇三年に、その締結につき国会で承認をされておりますが、残念ながら、いまだ締結をできておりません。
 大規模なテロ事件等の発生が続いている中、我が国が国際社会において、テロを含む国際的な組織犯罪防止の抜け穴になっているような現状は、早急に解決をしなければなりません。
 このような現状に加えて、二〇二〇年に、テロの標的となり得る東京オリンピック・パラリンピック、その前年のラグビーワールドカップの開催を控えており、組織的なテロ事件の発生を未然に防止すべく、万全の体制を整える必要があります。
 我が国がこの条約を締結する必要性について、改めて安倍総理にお伺いをいたします。
 次に、条約締結における国内法の整備について質問をいたします。
 我が国がTOC条約を締結できない理由は、国内法が未整備のためであり、本法律案は、条約を締結するために必要な法整備を行うものであると理解をいたしております。
 その中で、過去の国会の議論を通じて、テロ等準備罪を新設しなくても条約を締結することは可能であるというような主張が示されております。
 しかし、二〇〇六年、当時の民主党は、既に締結した国際条約に基づいて、テロ組織や組織的犯罪集団に厳罰を設けること自体については当然であると考え、これを容認しておりますなどとした上で、適用対象となる団体を組織的犯罪集団に限定するなどとした組織的な犯罪の共謀罪の修正案を国会に提出されたわけであります。
 当時から、TOC条約を締結するためには重大な犯罪の合意罪の法整備が必要であるとの認識に立っていたことは、まことに卓見であります。
 今回のテロ等準備罪の新設がなければTOC条約の締結ができないものと理解をしておりますが、岸田外務大臣にお尋ねをいたします。
 続きまして、本法律案をめぐる国民の懸念と、国際犯罪、テロ事件防止への有益性について質問をいたします。
 このTOC条約を締結するための国内担保法案は、過去三度国会に提出されましたが、いずれも廃案となりました。
 廃案となった過去の法律案には組織的な犯罪の共謀罪の新設が盛り込まれておりましたが、これに対して、正当な活動を行う団体も対象となるあるいは内心が処罰されることになるなどといった懸念が示されておりました。今回政府が提出したテロ等準備罪処罰法案と過去の法案との違いについて説明を、金田法務大臣にお尋ねいたします。
 テロ等準備罪については、正当な活動を行っている団体も処罰の対象となるのかという意見がありますが、その適用の対象となる団体を組織的犯罪集団に明文で限定しており、正当な活動を行っている一般の団体がこれに当たらないことは明白であります。我が国が監視社会になるなどという批判は全く誤解に基づいた意見と考えますが、この点についても金田法務大臣の見解を伺います。
 また、この条約を締結すれば、日本国と条約締結国との間で、司法、治安の中央当局同士がテロ犯罪情報の交換を初めとした相互援助が直接でき、迅速性に富んだ成果が得られると理解をしております。TOC条約を締結することが各締結国との連携強化にどのように資するか、岸田外務大臣にお尋ねをいたします。
 さらに、G7、先進七カ国等のもとに政府間会合として設立された金融活動作業部会、いわゆるFATFにおいて、我が国を含めたTOC条約未締結国に対して国際金融取引上の懸念が表明されており、経済界からも一日も早い条約の締結を望んでいると理解をいたしております。TOC条約を締結することによる影響について、麻生財務・金融担当大臣にお尋ねいたします。
 結びに、自由民主党は自由と民主主義を党是としている政党であります。三権分立のもと、法の支配、基本的人権の保障を最大の価値として尊重してまいりました。内心の自由、思想信条の自由、結社の自由、人身の自由を尊重、擁護することは当然の責務であります。
 同時に、これらの基本的人権の最大の脅威は、暴力をもって一切を破壊しようとするテロリズムではありませんか。国権の最高機関である立法府に身を置く者として、テロ防止のためにすき間ない立法措置をとることは当然の責任であり、国民の負託に応える道だと確信をいたしております。
 国民の身体と生命、財産を守ることは与党も野党もありません。テロ等準備罪処罰法の一日も早い成立に向けて十分な審議を重ね、立法府としての責任を果たそうではありませんか。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕

発言情報

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発言者: 土屋正忠

speaker_id: 5330

日付: 2017-04-06

院: 衆議院

会議名: 本会議