逢坂誠二の発言 (本会議)
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○逢坂誠二君 民進党の逢坂誠二でございます。
私は、民進党・無所属クラブを代表して質問をさせていただきます。(拍手)
私は、今、激しい怒りの中にあります。
その怒りの一番目は、今村復興担当大臣であります。
一昨日の記者会見で、福島第一原発事故の自主避難者に対して、本人の責任でしょう、裁判でも何でもやればいいじゃないかなどと発言したのみならず、記者の質問に激高し、出ていきなさい、二度と来ないでくださいなどと暴言を吐くという、信じられない事態を引き起こしたのであります。
自主避難されている皆さんの心を逆なでするばかりか、ああした場所で冷静さを保てない今村復興大臣は、即刻辞任すべきものと思います。この点について、総理の見解を伺います。よもや擁護はしないものと思いますが、しっかりとした見解をお願いいたします。
怒りの二番目は、安倍政権の隠蔽体質であります。
森友学園への不透明な土地の払い下げ、南スーダンPKOの日報、文部科学省の違法な天下りなど、国会でさまざまな質問をしても、一向にその真相が明らかになりません。その理由は、麻生財務大臣、石井国土交通大臣、稲田防衛大臣、松野文部科学大臣、いずれもが問題の詳細を明らかにせず、問題解決を先送りしているからであります。特に森友学園問題は、安倍総理夫人関与の懸念がいまだに払拭されておりません。
これらの問題の解明に向け、安倍内閣の隠蔽体質を早急に是正すべきと思いますが、総理の見解を伺います。
怒りの三番目は、性犯罪厳格化法案の審議を後回しにしたことであります。
強姦罪を百十年ぶりに見直す性犯罪厳格化法案は、性犯罪被害に悩む多くの皆さんが待ち望んでいた法案です。きょうも性犯罪被害に遭う方がふえている可能性があります。それにもかかわらず、国民からの批判のある共謀罪法案を先に審議するのは非人道的であり、政治の優先順位を間違えた言語道断の暴挙なのであります。
法案審議の順番を議論するのは国会の場でありますが、性犯罪厳罰化法案の優先度は共謀罪法案よりも低いと考えておられるのか、総理、さらに法務大臣の見解を伺います。
安倍総理は、共謀罪法案に関し、一般の方は対象にならないとか従前の共謀罪とは全く違うと繰り返し明言されました。しかし、この間、総理も金田大臣も、その根拠を全く説明することができない始末であります。
金田大臣に至っては、約四十問に近い疑問に関し、ほとんど答えられず立ち往生し、成案ができたら答えるとしましたが、成案閣議決定後の今も、私たちはその十分な答えを聞いてはおりません。
先日、法務委員会を傍聴に来た私の支持者が、金田大臣の姿を見て、あれはまるで二人羽織ですね、そう称したのが、まさに金田大臣の姿を象徴しているのではないでしょうか。
そんな中、この法案の審議に入るのは全く納得のできないことでありますが、強行的に本会議が開催されましたので、やむなく法案の内容について質問をさせていただきます。
共謀罪法案は、過去三度廃案になりました。二次安倍政権が発足してからおよそ四年を経て、今回新たな共謀罪法案が出てきました。総理は、条約締結のため国内法整備が必要と主張しますが、必要性が高いと言う割には、その動きは緩慢であったと言わざるを得ません。
総理、今になって急に必要性を強調されておりますが、なぜ一次政権で審議を放置したのか、また、二次安倍政権になって四年も提出に至らなかったのか、その説明を求めます。
総理は、ことし一月、衆議院本会議で、国内法を整備し、条約を締結できなければ、東京五輪・パラリンピックを開けないと言っても過言ではないと答弁されました。しかし、伊勢志摩サミットのときはこんな話は全くしておりません。
一方、オリンピック招致のため、ブエノスアイレスで二〇一三年に行った演説では、二〇二〇年を迎えても世界有数の安全な都市、東京で大会を開けますならば、それは私どもにとってこの上ない名誉となるでありましょうと高らかに宣言していました。
国内外で真逆の発言をする総理の二枚舌にあきれるほかはありませんが、総理の発言がいずれも正しいとするならば、東京は、わずか三年半の間に、オリンピック開催もままならないほど危険になったということなのでしょうか。総理、明確にお答えください。
総理の一月の衆議院本会議での答弁は、共謀罪法案をつくらなければ、日本はテロにさらされ、テロに対抗できない危険な国であるという誤ったメッセージを世界に向けて発信してしまったと私は受けとめています。日本国内でも非道で悲しい事件が起きることがあるものの、多くの皆さんの努力によって日本は世界でもトップクラスの治安のよさを誇る国だと私は考えています。
もし私の考えに賛同するのであれば、日々、日本の治安維持を担う人たちの努力を総理がおとしめたことに対して謝罪をすべきです。総理の考えをお示しください。
総理は、共謀罪法成立と条約締結がテロ対策の切り札であるかのような発言を繰り返しています。しかし、世界に目を向けると、条約を締結している国であってもテロは防ぎ切れていないことは一目瞭然です。また、単独犯によるテロは、この法律案の対象とはなっていません。
テロ対策が必要なことは当然であり、自明のことであります。しかし、テロ対策を口実にして共謀罪法案の成立を画策するのは、実にこそくな手口であります。
この共謀罪法案はテロ対策の万能薬ではありません。本来、有効なテロ対策のために優先して行うべきことは、島国日本の特性を考慮した水際対策の強化、さらに、残されたテロ対策関連条約の締結、加えてサイバーテロなどテロに対して手薄な個別分野の強化だと私は考えますが、総理の見解を伺います。
国際組織犯罪防止条約が批准の際に求める犯罪化の手法に関し、日本の法体系では例外的な位置づけでしかない共謀罪を、なぜ包括的に犯罪化することにこだわるのか、金田大臣の答弁を求めます。
日本の刑事法体系において、条約が求める包括的共謀罪も参加罪も国内の基本原則にそぐわないことが自明であるにもかかわらず、留保という手段を行使しない理由は何であるのか、岸田外務大臣に答弁を求めます。
今回の共謀罪では、日本の刑事法での重大な犯罪、六百七十六犯罪のうち、二百七十七犯罪を対象としました。これは、二〇〇五年に政府が閣議決定まで行って否定した重大な犯罪の選別そのものであります。
なぜ、当時、犯罪を選別できないと答えたのか。また、なぜ今回選別をしたのか。また、選別をしても条約締結の国内法の要件をなぜ達成できると言えるのか。金田法務大臣及び岸田外務大臣に答弁を求めます。
今回、共謀罪にテロ等準備罪というまやかしの愛称をつけ、政府は共謀罪の危険な本質を隠蔽しようとしています。ところが、この法案の当初案には、テロリズム集団の文言は皆無でした。愛称がまやかしであることがばれることを恐れたのかどうかはわかりませんが、与党議員の懇願で慌てて今回の法案にテロリズム集団の文言を付加したと報道されました。しかし、急ごしらえで付加されたテロリズム集団は、定義も何もない例示にすぎず、この法律の中では全く意味をなさない、単なるお飾りにすぎません。
真にテロ対策をうたうのであれば、テロリズムやテロリズム集団を定義した上で、まずその定義に当てはまる集団に的を絞った法制をとるべきであると考えますが、なぜ今回の法案ではテロリズム集団でさえも例示的記載にとどまったのか、法務大臣の答弁を求めます。
総理は、今回の法案はその主体を組織的犯罪集団に絞ったと言い切っていますが、一方で、目的が一変した場合、それが犯罪集団だという説明も繰り返しています。捜査側が組織の目的が一変したかどうかを判断するためには、一変する経過を常に調べていなければ、犯罪集団を早期に検挙し犯行を抑止することはできません。
そうなってくると、本法案は恒常的な監視が前提、つまり日本を監視社会にする法律と受けとめざるを得ません。国民監視と結びつかないと断言できるのであれば、その論拠をお示しください。
冒頭に述べたとおり、我々は、性犯罪の厳罰化法案を共謀罪法案よりも先に審議すべきと強く主張しており、今回の共謀罪法案の審議入りには反対です。しかし、与党が強制的に共謀罪法案の審議にどうしても入るというならば、我々には提案があります。
この法案は議論すべき論点が満載です。そこで、議論すべき論点を提示させていただき、その論点ごとに、参考人質疑も含め丁寧に議論すること、さらに、金田大臣も望んでいたとおり、論点によっては外務大臣にも法務委員会に出席いただくこと、審議の最初の概括的質疑と審議終盤の総括的質疑には、総理、外務大臣も同席をして議論を深めること、これらのことを審議入りの前提として提案させていただきます。
自公両党が共謀罪法案の審議入りに合意した去る三日、自民党の竹下国対委員長は、記者団に対して、国民にわかりやすく充実した審議をしなければならない、時間をきちんととると話されております。
古川筆頭、さらにまた公明党の國重理事、さらに与党の理事の皆さん、強行的に共謀罪の審議に入ってしまった今、ぜひ我々の提案を受け入れていただき、十分な審議をお願いいたします。
さて、自民党の広報本部長を務める方が、この四月一日放送のTBS「報道特集」という番組の中で次のように語られました。
今回の法律が通れば、捜査当局に権限が与えられて、捜査当局の監視の目が強まる、市民に関する監視の目が強まることは間違いない、通信傍受は人権を侵害するおそれはある、メールでやってもよい、LINEでやってもよい、そういったものも傍受することも将来的に可能性はあると思う、犯罪者の周辺にいる人物に迷惑がかかるでしょう。
与党の広報本部長の、共謀罪法案に関する極めて重要な全国への発信を御紹介させていただきました。
安易に、誰でも犯罪集団構成員とみなし得る犯罪を創設するべきではないこと、十分な審議を行うことを訴え、質問といたします。
終わります。(拍手)
〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕