藤野保史の発言 (本会議)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○藤野保史君 私は、日本共産党を代表して、法務委員長解任決議案に賛成の討論を行います。(拍手)
まず、安倍総理が五月三日、憲法九条に自衛隊を明記する改憲を行い、二〇二〇年に施行を目指すと表明した問題です。
憲法尊重擁護義務を負う行政府の長が、憲法の平和主義の核心である九条を名指しして、期限を区切って改悪する決意を表明したことは、極めて重大であり、断じて許せません。
しかも、総理は、予算委員会でこの問題を質問されると、読売新聞を熟読していただきたいと答弁しました。総理みずから重大な発言をしておきながら、あとは新聞を読めと言って国会での説明を拒む。これは、国民の代表機関である国会を事実上否定するものです。我が党は、議会制民主主義の根幹を揺るがす総理の姿勢に対して断固抗議するものです。
次に、鈴木淳司委員長の解任決議についてです。
その賛成する最大の理由は、安倍政権が、過去三回廃案となり、憲法違反が明白な共謀罪法案を今国会で何が何でも押し通そうとするもとで、鈴木委員長が、政府・与党言いなりに、職権で委員会の開会を強行し続けてきたことです。
本法案については、日弁連を初めとする法律家七団体、百六十名を超える刑事法学者が、刑法の基本原則に反する違憲立法だと明確に反対を表明しています。また、全国の地方議会、日本ペンクラブ、ジャーナリスト、作家など、広範な団体、個人から不安と懸念の声が寄せられています。
今、国会がやるべきことは、こうした国民の声に応えて、本法案について徹底した審議を行うことです。鈴木委員長は、法務委員会の委員長として、徹底審議の立場を貫く責任があります。
ところが、実態はどうか。本法案の審議は、四月十九日、安倍総理出席のもとで始まりました。その冒頭で、鈴木委員長は、政府参考人として刑事局長の出席を発議し、与党の賛成で一方的に決定しました。
このもとで何が起きたか。この日、私が大臣に答弁を求めたにもかかわらず、鈴木委員長は刑事局長を指名して答弁させ、その直後、金田大臣がほぼ同じ文言で答弁するという場面が何度も繰り返されました。これは議員の質問権の侵害であり、憲法六十三条に定められた大臣の答弁義務をないがしろにするものです。
また、同日、安倍総理が、私の質問に全く答えないのみならず、委員長を差しおいて勝手に刑事局長を答弁者に指名するという前代未聞の事態も起きました。ところが、鈴木委員長は、総理の行為を正すこともせず、総理の言うがままに刑事局長に答弁させました。これは総理による委員会審議への介入であり、大問題であります。
中立公正な立場で委員会運営を行うべき重い職責を持っているにもかかわらず、鈴木委員長はその職責を果たしているとは到底言えません。
既に委員会質疑を通じて、本法案の危険な本質が浮き彫りになっています。
参考人質疑では、弁護士や刑事法学者など法律の専門家三人全員が、一般の方々も本法案の対象になると認めました。ところが、金田大臣ただ一人、いまだに、一般の方々は犯罪捜査の対象にも嫌疑の対象にも告発の対象にもならないと強弁しています。これは犯罪捜査の実態とも国民の常識ともかけ離れた説明です。
大臣は、一般の方々について、組織的犯罪集団とかかわりのない方々だという説明を繰り返していますが、これは同義反復にすぎず、何の説明にもなっていません。共謀罪が普通の市民も対象にするという事実を覆い隠すために、説明責任を放棄して破綻した答弁を繰り返す、こんなやり方で国会審議をやり過ごそうとするなど、絶対に許せません。
政府は、国民を欺くために、テロ対策のためだという説明を繰り返しています。しかし、参考人質疑では、高山佳奈子京大教授は、テロ対策は既に立法的手当てがなされていると強調しました。例えば、二〇一四年改正のテロ資金提供処罰法により、テロ目的の資金、土地、建物、物品、役務、その他の利益の提供など、テロ目的の行為が包括的に処罰対象とされており、テロの観点での五輪対策は完了していると指摘されました。テロ対策という説明も既に破綻しているのです。
本法案の最大の問題は、何を考え、何を合意したか、憲法十九条が保障する内心の自由を侵害することです。
この点について、金田大臣は、実行準備行為があって初めて処罰するのだから、内心を処罰するものではないと説明しています。しかし、実行準備行為かどうか、花見と犯行の下見をどう区別するのかという私の質問に対して、大臣は、ビールと弁当を持っていたら花見、地図と双眼鏡を持っていたら犯行の下見だと答弁しました。内心を処罰するという本質をごまかそうとするから、こういう荒唐無稽な答弁になるのです。
本法案の質疑はまだ始まったばかりです。私たち日本共産党は、徹底した審議を通じて憲法違反という本法案の本質を明らかにするとともに、市民の皆さんとかたく連帯して、必ず本法案を廃案に追い込む、その決意を表明して、解任決議に対する賛成討論といたします。(拍手)