平口洋の発言 (本会議)
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○平口洋君 自由民主党の平口洋です。
私は、自由民主党・無所属の会を代表し、ただいま議題となりました組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案、いわゆるテロ等準備罪処罰法案について、賛成の立場から討論を行います。(拍手)
冒頭、現地時間二十二日夜、英国マンチェスターのコンサート会場における爆発で、少なくとも十九人の方々がお亡くなりになったと報道されている事件につきまして、亡くなられた方々に対し、衷心より哀悼の誠をささげます。また、けがをされた方々には、心からお見舞いを申し上げます。
英国の警察は、テロの可能性もあるとして捜査をしていると報道されています。政府におかれましては、早急に情報収集を行うなど適切な対応をお願いしたいと思います。
御承知のとおり、テロは世界各地で発生し、日本人も犠牲になる中、三年後である二〇二〇年に迫った東京オリンピック・パラリンピック競技大会の安全な開催は、開催国の極めて重大な責務であります。テロを含む組織犯罪を未然に防止し、これと闘うための国際協力を促進するための国際組織犯罪防止条約、いわゆるTOC条約の締結は急務であります。
法務委員会では、野党の議員や一部の参考人から、現行法のまま何らの法整備をしなくてもTOC条約を締結することは可能であるなどという見解が示されました。しかし、TOC条約を締結するために、重大な犯罪の合意罪または参加罪のいずれか一方の犯罪化が必要であることは、TOC条約第五条の記載ぶりからはもちろん、本年四月に発出された国連薬物犯罪事務所からの口上書からも明らかであります。
テロ等準備罪は、かつて政府が提出した組織的な犯罪の共謀罪における国会審議等において示されていた不安や懸念を踏まえて立案したものです。
まず、対象となる団体を明文で組織的犯罪集団に限定しました。また、対象犯罪についても、長期四年以上の懲役、禁錮を定める罪のうち、組織的犯罪集団が実行を計画することが現実的に想定されるものをリスト化しました。さらに、犯罪の計画行為だけでは処罰されず、実行準備行為があって初めて処罰の対象となることを明確にしました。
これにより、テロ等準備罪については、一般の方々が処罰の対象にならないことが一層明確になり、かつての不安や懸念は十分に払拭されました。このことは、刑事法の専門家である井田参考人が、テロ等準備罪の成立には、主体の限定に加えて、計画行為プラス実行準備行為という三重の限定がかけられたもので、訴追、立証のハードルはかなり高いものであると述べられたことからも裏づけられたものと言えます。
しかし、法務委員会においては、一般の方々がテロ等準備罪の捜査の対象になるのではないかとの懸念が示されました。これに対しては、政府が繰り返し丁寧に答弁し、組織的犯罪集団とかかわりのない一般の方々、すなわち、何らかの団体に属していない人はもとより、通常の団体に属し、通常の社会生活を送っている方々は、テロ等準備罪の捜査の対象にならないことも明らかになりました。
さらに、法務委員会では、三十六時間を超える審議時間を費やして、TOC条約締結の必要性、本法案の目的、かつての組織的な犯罪の共謀罪とテロ等準備罪との違い、組織的犯罪集団、計画行為、実行準備行為という各要件、対象犯罪の絞り込み方法、テロ等準備罪の捜査のあり方などについて、一つ一つ丁寧に質疑がなされました。
野党の要望に応える形で、内閣総理大臣、外務大臣、国家公安委員会委員長出席のもとでの質疑を行ったほか、有識者を招いた参考人質疑も二度にわたり行われ、非常に充実した審議が行われました。
また、自民、公明、維新の三党共同で修正をしたことで、より充実し、より幅広く国民から支持される内容となったものと確信しております。
なお、五月十八日、国連人権理事会のプライバシーの権利特別報告者は、日本政府に対する公開書簡を発出し、本法案について、プライバシーの権利や表現の自由を損なうおそれがあるとの懸念を表明したと承知しております。
しかし、同書簡は、日本政府が直接説明する機会がないまま一方的に発出されたものです。また、その内容を見ても、本法案の内容を正しく理解した上で作成しているとは思えません。
既に政府は、特別報告者に対し、一方的に発出された当該書簡に対し強い抗議を行ったと承知しておりますが、さらに適切かつ詳細に反論していただきたいと思います。
また、そもそもプライバシーの権利特別報告者は、独立した個人の資格で調査、報告を行うもので、国連の立場を反映するものではありません。国連は、累次の決議等により表明されているとおり、未締結国に対し本条約の早期締結と実施を求めるものであることを改めて指摘したいと思います。
以上を踏まえて、本法案への御賛同を心よりお願い申し上げ、私の賛成討論といたします。(拍手)