宮崎岳志の発言 (本会議)
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○宮崎岳志君 日本で最も獣医師が不足している群馬県から参りました、民進党、宮崎岳志でございます。(拍手)
私は、民進党・無所属クラブを代表して、ただいま議題となりました政府提出、国家戦略特別区域法及び構造改革特別区域法の一部を改正する法律案について、反対の立場から討論を行います。
総理、昨日は赤坂の居酒屋で、ある大新聞の政治部長さんらと楽しく会食をされたそうですね。お礼の気持ちをお伝えになったんでしょうか。まあ、仲よくやってください。
本法案は、国家戦略特別区域内で、小規模保育の対象年齢を二歳から五歳まで拡大したり、農業分野における外国人の就労を解禁するもので、さまざまな懸念の声が上がっております。
特に問題なのは、外国人が全員派遣労働者とされ、農家が派遣会社にマージンを払わなければならないことです。そして、特区諮問会議で農家に外国人をと主張し続けてきた民間議員は、何と大手派遣会社の現職の取締役会長だったのであります。これでは利益相反ではないでしょうか。
地方創生特別委員会では、私たちの問題意識を与党にも共有していただいて、賛成多数で次のような附帯決議が可決されました。
民間議員等が私的な利益の実現を図って議論を誘導し、または利益相反行為に当たる発言を行うことを防止するため、民間企業の役員等を務めまたは大量の株式を保有する議員が直接の利害関係を有するときは、審議及び議決に参加させないことができるものとすること。
特区を一部特定の人たちのものにしてはいけないのであります。
しかし、今や特区は、お友達利権の巣窟となってしまいました。その典型が、国家戦略特区で愛媛県今治市に獣医学部を新設しようとする学校法人加計学園をめぐる問題であります。
理事長の加計孝太郎氏は、安倍総理本人がバクシンの友と称する大親友です。言葉の意味はよくわかりませんが、恐らく莫逆の友と腹心の友がまざった、とにかくすごい友情であります。
今月、内閣府が文部科学省に、総理の意向だ、官邸の最高レベルが言っていると早期開学をごり押しした経緯を記した内部文書が明らかになりました。
さらに、当時の文科省事務方トップ、前川喜平前事務次官が実名で、文書は本物だ、行政がゆがめられたと証言しました。前代未聞です。前川前次官本人は、記者会見で、証人喚問されたら参りますと明言しました。
文書は本物なのか。行政がゆがめられたのか。前川前次官を国会に証人喚問し、偽証罪の縛りをかけて真実の証言を引き出し、この権力私物化の疑惑が事実かどうか解明することは、我が立法府の責務であります。
私は、本衆議院に文部科学省前事務次官前川喜平氏を証人喚問するよう要求します。
総理、証人喚問を認めてください。前川前次官に本当のことを言われるのが怖いんですか。文科省のうそがばれるのが怖いんですか。いつまでも逃げ回っていないで、潔く証人喚問を受け入れたらいかがでしょうか。
安倍総理は、国家戦略特区で岩盤規制に突破口を開くと大見えを切りました。しかし、実際は、岩盤に穴を掘って、金銀財宝、すなわち既得権益を採掘しているにすぎません。特区はお友達利権の採掘口であります。一獲千金を夢見る野心家たちが群がって、さながら平成のゴールドラッシュとなっております。
お友達でなければ分け前にはあずかれないんです。京都産業大学は長く獣医学部の新設を目指し、昨年十月には内閣府に具体的な提案も行いました。しかし、その後、突然、広域的に獣医学部の存在しない地域に限るなどの条件が新たに追加され、提案後なのに門前払いになってしまいました。
この提案の存在自体が、報道機関が指摘するまで何カ月も隠蔽されてきました。安倍総理は三月の参議院予算委員会で、熟度の高い具体的提案は今治市の事業のみだったと強弁しましたが、ほかになかったのではなく隠されていたのであります。
内部文書について菅官房長官は、怪文書のようなものと居直り、前川前次官にばり雑言を浴びせて人格否定を繰り返すばかりであり、論理的な反論すらできておりません。一方の松野文部科学大臣は、怪文書という表現を私はしていないなどと逃げることで精いっぱいです。
文科省による、文書が本物かどうかの調査も、ごく限られた幹部と共有フォルダを調べただけで、確認できなかったの一点張り。見つからなかったのではなく、見つからない場所だけを調べているんじゃないでしょうか。
にせものだとも言わず、内容の真偽も調査していないという。文科省はすっかり腰が引けております。これでは、文書が本物だと文科省自身が認めているも同然ではありませんか。
前川前次官は、赤信号のところを青にさせられている、白を黒にするよう言われている、意に反することをさせられて、大臣も含めて本当に気の毒だ、現在の文科省はなかなか、官邸、内閣官房、内閣府といった政権中枢の意向や要請に逆らえないと言っています。
文部科学省の皆さんに同情はします。しかし、評価することはできません。日本国憲法第十五条を思い返していただきたい。「すべて公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない。」霞が関の方々は、全国民の奉仕者であって、安倍総理とお友達だけの奉仕者ではありません。
菅官房長官は記者会見で前川前次官について、御自身が責任者のときに、もしそういう事実があるなら堂々と言うべきじゃないですかと吐き捨てました。官邸の最高レベルにいる人間として余りに傲慢ではないでしょうか。自由に物を言えないようにしているのは誰なんでしょうか。
安倍総理が五月八日の予算委員会で、ある新聞の名を挙げて、熟読してくださいと訴えられました。アドバイスどおり熟読していたら、突然、前川氏のプライベートなスキャンダルの記事がでかでかと掲載されたのでびっくり仰天いたしました。
私は新聞記者を十五年間やりましたが、一般新聞でこのような記事を見たのは初めてであります。前川前次官は昨年の秋、この件で官邸の幹部から注意されていたそうですが、退職後の今になって、それも実名でインタビューに応じる前日のタイミングで報道されたのは、一体なぜなんでしょうか。
記者会見で、権力のおどしだと思うかと聞かれた前川前事務次官本人は、そんな国だとは思いたくないと答えております。私もそんな国だとは思いたくありません。希望的観測であります。
加計学園と森友学園。かけそば、もりそばとやゆされる二つの問題に象徴される今の日本。これが安倍総理の目指す美しい国でしょうか。
総理夫人のお友達なら国有地を八億円も値引きしてもらえる。総理のお友達なら、つくれないはずの学校ができ、三十七億円の土地と九十六億円の補助金がもらえて、ライバルまで排除してもらえる。あるべき文書が保存されず、公開すべきデータはパソコンから消滅し、文書の実物が出てくれば確認できないと繰り返される。お友達利権のために真面目な官僚を追い詰め、行政をゆがめていく。内部告発者は突然のスキャンダルに見舞われ、つるし上げられ、政府高官からばり雑言を浴びせられる。これが美しい国なんでしょうか。
我々は規制緩和を否定しません。しかし、お友達利権と化した国家戦略特区制度は抜本的な見直しが必要であり、本法案には到底賛成できません。
最後に、この問題を解決するため、前川喜平前文部科学事務次官の証人喚問を改めて求め、反対討論を終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)