池内さおりの発言 (本会議)
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○池内さおり君 私は、日本共産党を代表して、強姦罪の構成要件及び法定刑を改めて強制性交等罪とするなどの刑法改正案について質問をいたします。(拍手)
まず、日本の性犯罪の現状についてです。
性暴力は魂の殺人と言われています。被害者の心身、生活全般に長期の深刻な打撃を与え、PTSDをも発症させます。
しかし、被害申告できる人はごくわずかで、二〇一四年の内閣府調査で、異性から無理やり性交された経験のある女性のうち、警察への相談は四%にすぎません。被害者数は、実に推計年間十六万人に上りながら、警察に届けられるのは数%、検挙、起訴されて有罪が言い渡される加害者は五百人にとどまっています。重大なことは、圧倒的多数の被害が見えなくさせられていることです。
先日、検察審査会に申し立てた詩織さんは、レイプの被害に遭ったことで、性犯罪の被害者を取り巻く法的、社会的状況が、被害者にとってどれほど不利に働くものか痛感したと述べています。告訴をし、逮捕状が出ていたにもかかわらず、加害者は逮捕もされず、不起訴とされたというのです。大多数の加害者が野放しにされています。この現実をどう認識していますか。関係大臣の答弁を求めます。
現行刑法は、百十年前、家父長制のもとで、女性が無能力者とされていた時代に制定されました。強姦罪の保護法益は、性的秩序の維持や貞操の保護というものでした。この規定は今日まで抜本改正がないまま運用されてきました。戦後、個人の尊厳、男女平等を定めた日本国憲法のもと、保護法益は性的自由などとする解釈に変更されてきましたが、同じ条文で異なる保護法益を実現することは不可能なのです。
現に、最も権威のある教科書とされた「注釈刑法」一九六五年版は、「些細な暴行・脅迫の前にたやすく屈する貞操の如きは本条によつて保護されるに値しない」としていました。こうした考え方が、今日でも、司法、捜査当局に大きな影響を与えているのではありませんか。
今回の改正に当たり、保護法益を性的自由にとどめず、心身の完全性、人間の尊厳、人格そのものを脅かす性的暴行からの保護と、抜本的に改めるべきではないですか。
国連は、女性に対する暴力を定義し、性に基づく一切の暴力を根絶する姿勢を明確にしました。さらに、ジェンダーバイアス、性差別に基づく偏見を取り除き、真に被害者の視点に立ち、各国は法改正をこの三十年間積み重ねてきたのです。我が国刑法が規範としてきたドイツでも、昨年、被害者の明示的な意思に反すれば、暴行、脅迫要件は不要、このような改正が行われました。各国の動向をどう認識していますか。
我が国は、国連諸機関から、構成要件の見直し、夫婦間強姦規定の明示、十三歳以上とされている性交同意年齢の引き上げ等の勧告を繰り返し受けてきました。どのように受けとめ、実現するおつもりですか。
被害を訴え出るまでには長い時間を要します。公訴時効の撤廃、あるいは未成年が成人するまで時効を停止するなど、欧米諸国や韓国並みの制度にするべきではありませんか。
性暴力の根絶は、社会の意識変革なしにはあり得ません。ワンストップ支援センターを国連が求める二十万人に一カ所設置することは急務です。加害者への適正な処罰、刑務所内外での更生プログラムの制度化、警察、検察、裁判官へのジェンダー教育の抜本的強化を求めます。
最後に、世界経済フォーラムが公表したジェンダーギャップ指数で、我が国は百四十四カ国中百十一位と極めて不名誉な位置にあります。個人の尊厳は、あらゆるセクシュアリティーを生きる人々に保障されなければなりません。今回の改正を第一歩に、さらなる改正を求め、質問を終わります。(拍手)
〔国務大臣金田勝年君登壇〕