金田勝年の発言 (本会議)

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○国務大臣(金田勝年君) 池内さおり議員にお答えを申し上げます。
 まず、性犯罪の被害者による被害申告等の状況についてお尋ねがありました。
 警察に認知されていない性犯罪の件数については把握することが困難でありますが、性犯罪は特に被害が潜在化しやすい犯罪であると認識をしております。
 性犯罪の加害者に対し適正な刑事処分を行うことは重要であり、被害者のプライバシーの保護や心情への配慮を徹底することなどを含め、被害が潜在化しないよう取り組みを進めることが重要であると考えております。
 次に、検察当局による性犯罪事件の処理に関するお尋ねがありました。
 個別事件における捜査の具体的内容についてはお答えを差し控えますが、一般論として申し上げれば、検察当局は、事件の処理に際しましては、所要の捜査を遂げた上、法と証拠に基づいて適正に対処しているものと承知をいたしております。
 次に、強姦罪の保護法益と条文の位置のあり方等についてお尋ねがありました。
 強姦罪等の性犯罪の保護法益については、現在、一般に、性的自由または性的自己決定権と解されており、刑事事件の実務もそのような解釈に基づいて運用されており、保護法益に関するかつての考え方が強姦罪の解釈に影響しているものではないと認識をいたしております。
 また、刑法典は必ずしも保護法益ごとに章立てされているものではないこと等から、現時点で、強姦罪等の条文の位置を変更する必要はないものと考えております。
 さらに、強制性交等罪などの性犯罪は、被害者の人格や尊厳を著しく侵害するものであると認識しておりますが、刑法上の罪の保護法益は、一定程度具体化された利益として把握されているものと考えられます。そして、被害者の人格や尊厳を侵す犯罪は性犯罪に限られないことからも、人格や尊厳を性犯罪の保護法益とするのは抽象的に過ぎると考えられるわけであります。
 次に、諸外国における性犯罪の罰則の改正の動向に関するお尋ねがありました。
 諸外国の法制度を網羅的に把握しているものではありませんが、例えば、ドイツでは、昨年、暴行、脅迫がなくても、被害者の認識可能な意思に反して性的行為を行うなどした場合には処罰を可能とする規定が新設されたものと承知をしております。
 もっとも、我が国においても、被害者の拒絶の意思が認識可能なほどにあらわれている状況で性交等に及んだ場合には、その過程での行為が暴行または脅迫と認められるものと考えられますので、ドイツのような法改正が我が国においても有効であるかについては、その運用の実情を見る必要があるものと考えております。
 今後も、諸外国の法改正の動向については、適切に把握してまいりたいと考えております。
 次に、強姦罪の構成要件の見直し等に関する国際機関からの指摘に関するお尋ねがありました。
 今回の改正案は、国際機関からのさまざまな指摘をも考慮したものであり、例えば、強姦罪の構成要件の見直し、性犯罪の非親告罪化等については、国際機関からの指摘に沿ったものとなっております。
 また、国際機関からの指摘があった事項のうち、今回の改正案に取り入れていないものもありますが、立案の過程におきましては、それらの指摘も十分に考慮し、検討の対象としたものと認識をしております。
 次に、性犯罪の公訴時効の撤廃や停止についてお尋ねがありました。
 時の経過による証拠の散逸等に基づく法的安定の要請と犯人処罰の要請の調和という公訴時効制度の趣旨に鑑みますと、性犯罪についてのみ公訴時効を撤廃し、または未成年の被害者の事件についてのみ公訴時効を停止することについては、慎重な検討を要するものと考えます。
 最後に、性暴力の根絶に向けた取り組みなどについてお尋ねがありました。
 性犯罪の根絶に向けた各種の取り組みを推進していくことは重要であると考えております。
 法務省としても、性犯罪者の再犯を防止するため、刑事施設及び保護観察所において、性犯罪を行った者に対する処遇プログラムを実施しているところであり、今後ともプログラムの着実な実施に努めてまいります。
 さらに、検察官等が性犯罪の捜査や公判を適切に行うための教育や研修等も重要であり、その充実に引き続き取り組んでまいります。(拍手)
    〔国務大臣加藤勝信君登壇〕

発言情報

speech_id: 119305254X03120170602_026

発言者: 金田勝年

speaker_id: 29756

日付: 2017-06-02

院: 衆議院

会議名: 本会議