丹羽宇一郎の発言 (国際経済・外交に関する調査会)

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○参考人(丹羽宇一郎君) そのとおりだと思いますね。
 私も中国におりまして、恐らく世界のどの大使よりも中国を歩き回ったのは私だと思います。もうほとんど、チベットからウイグルから内蒙古から歩いておりますが、その歩く過程におきまして、やはり日清戦争以来、百二十年たっていますけど、その間の日中関係の文芸評論集というのが最近出まして、岩波書店から。それも読んでみますと、もう日本の有名な夏目漱石も含めて武者小路から菊池寛とか、中国の方もそうです、いろんな意見や評論集を読んでみますと、やはり中国と力と力でやってはいけないという印象が非常に強いですね。
 それで、私は、現在の日中関係を見てみますと、結局、最近も共同調査とかいろいろありますけれども、日本人の九割は中国人嫌いだと言うんですね。それで、中国人の七、八割は、多少爆買いで改善はしていますけど、やっぱり七、八割は日本人嫌いだと言っているんですね。じゃ、どれぐらいの人が交流をしているのか。もうほとんどと言っていいほど増えていないですね。日本人の大体二、三〇%ですかね。それから、中国人はその十分の一ですね、恐らく三%、それぐらい。中国、十四億の三%といったって四、五千万はおりますけれども、日本へ来たことがあるとか知っているとかいう方がですね。
 ただ、一番の問題は、政治の問題は領土問題がありまして、これは絶対に譲れないということは、中国は自分の領土だと思っている、それから日本は自分の領土だと、一切お話合いをする余地はありません。だから尖閣問題でお話ししましょうということは日本は一切受け付けない。じゃ、先ほどの裁判所にと、裁判所に自分の領土を訴えるやつはいるかということで、もし訴えたとしても、俺の領土を何で人が訴えてくるんだと、もう受けないわけですね。
 そういうことがずっと続いています。おっしゃったように、凍結以外ないでしょう。凍結をして、一九九六年に池田行彦外務大臣が、当時、これはもう話合いの余地はない、本来日本固有の、中身はともかく固有の領土であるというふうに言って以来、一切受け付けない、紛争もない、問題もないという姿勢ですから日本は。だから、その問題についての話合いの余地はないんです、今。
 じゃ、どうするか。やはり、一九七二年の日中共同声明、それから七八年の平和条約、それから九八年、二〇〇八年、こういう四つの政治声明の中身をよく読んでください。つまり、棚上げというのがあるかないかは、本当はあるんですけれども、ないとしてもですよ、いずれにしても、お互いがこの覇権を争わないとか仲よくやる努力をしましょうと言いながら、仲よくやる努力はほとんどしていないんです。やらなきゃいけないことは書いてある、漁業交渉、資源の共同開発、それから青少年の交流、経済協力ということなんです。どれもほとんど進展していないんです。
 だから、まずやらなきゃいけないことは、そういう領土問題の決着、北方四島もそうです、領土問題の決着よりも漁業です。漁業協定をやること、資源の共同開発をやること、それから青少年の交流。四十五周年が今年、平和条約から四十周年、来年ですね。この二年間で、まあとにかくいろんな問題がありますけど、今やらなきゃいけないことは、自民党も含めて、二階さんが非常に力を入れてやっていただいておりますけれども、そういう、党を挙げてでも四十五周年記念のいろんな事業をやろうと。三百六十八の姉妹都市関係があるんです、日本と中国は。その姉妹都市が一件ずついろんな事業をやるというような方向へ進んでいけば、自然と理解者が、中国、日本とも青少年の交流も進んで理解が深まっていくと思いますので、是非その方向で一歩踏み出してほしい。政治の方も、二階さんは本当に党を挙げてやろうとおっしゃっていますし、そういうのを実際に形として表していけば少しずつ良くなるだろう。絵の具を塗ったように急には良くなりません、何十年と掛かっておりますから。
 だから、是非そういう前向きに、今年と来年に向かって、日中の民間が政治と官を動かすんだということで、経団連もその中心になってやろうということを合意していますから、恐らく今年はそういう形で、先生がおっしゃるように、一歩前へ行こうということを民間が中心になって、三百六十八の姉妹都市で進めていただくということが私は一番大切なことだと思っています。

発言情報

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発言者: 丹羽宇一郎

speaker_id: 21860

日付: 2017-02-08

院: 参議院

会議名: 国際経済・外交に関する調査会