日比野克彦の発言 (国民生活・経済に関する調査会)

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○参考人(日比野克彦君) 僕の今日の説明のスライドのところで、例えば国の支援というときに、いっとき箱物の文化というのが話題になって、美術館、音楽ホール、劇場等が各地域に建てられました。各県に今、美術館、県立美術館、たくさんあります。大体それが一九八〇年代に建てられていまして、大体みんな、開館三十周年、三十五周年、四十周年というのがすごくここ数年、各地域であります。
 私が関係している岐阜県美術館も一九八二年にできまして、今年が三十五周年で、建物が三十五年になると大体、耐震もありますし、リノベーションとか建て替えとかと今各地域で行われていて、すごく、八〇年ですから、それなりに名画、名品も収集しという、日本人が好きなゴッホとかを収集して目玉をつくり、観客を集め、これが文化だといって、この辺は言葉を選ばなくちゃいけないですけれども、これが文化としてすごく分かりやすいよねという時代がありましたけれども、いわゆる文化芸術に親しむとか、文化芸術が自分の地域にもあるよというのが変わってきていると思います。それは、いわゆる物ではなくて、一緒にその地域にある特性なり魅力を見付け出すことを行っていくという、それがその地域ならではの文化を発信することになっていく。
 例えば、美術館の例でいいますと、昔は例えば展覧会が二か月行っていたとしたら、二か月のうちに一回美術館に行けば、その展覧会見れます。よっぽど好きな人じゃないと二度、三度行かない、一回しか行かない。ですから、年に例えば愛好家でも、展覧会が三本、企画展があったとしたら三回行くと。でも、最近、美術館ですごく一生懸命行っているのは、毎日美術館に行くようなことを試みている。小学生が帰りに美術館に寄る、退職者が一日美術館で時を過ごす、そういうような美術館にしていこうという試みがたくさんあります。
 それは、その中に、いわゆる研究的なことじゃなくて教育普及とか地域の人たちと一緒にワークショップを行うことを考える、キュレーションを行えるような能力を持ったアートコミュニケーターというような人たちを美術館が雇用して、一緒になって、先ほど美術の教育のことについても話しましたけれども、地域の中で一緒になって物を作っていったり創造していこうという、いわゆる物を作ることが目的じゃなくて事を起こすことをやっていこうという、それがこれからのすごく文化とか芸術になっていくのだと思います。
 なので、これまでの物的なものも当然ありますけれども、プラスもう一つ、次の時代のアートが社会の中で活躍できる、貢献できる能力としては、地域の特性、一人一人の特性を見える形にして発信していくという、それがこれからの文化芸術になっていくと思いますので、地方自治体であったり行政が行うことは、そのような人を育てる、そのような人たちが出会うような仕組みをつくる、組織をつくるという、決して箱ではなくて、そういう人が集まる場をデザインしていくということになるかと思います。

発言情報

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発言者: 日比野克彦

speaker_id: 4502

日付: 2017-04-19

院: 参議院

会議名: 国民生活・経済に関する調査会