元榮太一郎の発言 (法務委員会)
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○元榮太一郎君 おはようございます。自由民主党の元榮太一郎でございます。
本日は、金田大臣、盛山副大臣、そして井野政務官始め政府参考人の皆様、どうぞよろしくお願い申し上げます。
早速質問に入ります。
私は、司法の強化というのが非常に重要だというふうに考えております。安倍総理も、世界の普遍的な価値観として、自由と民主主義に加えて法の支配というものを掲げています。私も非常に重要だと思うんですが、この足下の日本において本当に法の支配は貫徹されているのか、司法はもっと身近になるべきではないか、そういうような観点で今日は幾つか質問させていただきたいと思います。
まず一つ目は、弁護士保険の更なる拡充や周知の必要性でございます。
お手元の資料一の一を御覧いただきたいと思います。適切な調査資料がございませんでしたので、私が運営する弁護士ドットコムのアンケート結果となっております。毎年、電通やマクロミルを使って意識調査をしているわけですが、最近一年間に以下のようなトラブルで困ったことはありますかということで、法律トラブルに遭った方の数を調べております。パーセンテージなんですが、全体のうち二〇・八%、これを人口に直しますと約千七百万人が一年間で何らかのトラブルに遭っているということになっています。平成二十七年の十一月調査でも二二・一%、千八百万人ぐらいとなっております。
それでは、そういうような方々の中で実際に弁護士に相談した人はどのくらいですかというのが資料の一の二になります。こちらについては、二三・八%というのが平成二十八年十二月調べ、平成二十七年十一月調査ですと一九・〇%ということになっております。
昔から、この司法の世界では二割司法と言われる、本来弁護士がサポートするべき、司法を活用するべき案件のうち僅か二割しか実際に司法的救済がされていない、このような言葉がずっと語り継がれていたわけですが、これだけ弁護士が増えてもなおまだ約二割の方々の利用にとどまっている、そういうような調査結果と私は受け止めています。
実は、こういうようなところで更なる質問が一の三ということになるんですが、なぜ弁護士に余り相談したくないのか、全く相談したくないのかに対する回答が、七八・七%が費用が高い、相談でも法律相談料を請求されそうと。いわゆる費用面が理由で弁護士に相談したくない、このような方が多いことになっています。つまり、心理的なハードルと経済的なハードルが弁護士の利活用にハードルとしてあるのだとしたら、かなり経済的なハードルが高いんじゃないかということになります。
オーダーメードの弁護士の仕事なので、やはり実働がかさんで数十万円になってしまう、こういうような問題があるわけですが、一部の方々には法律扶助という制度が従前からあります。基本的には、生活保護を受けているような家庭を中心として弁護士費用や裁判費用を立て替える制度、基本的には立て替える制度であって、救済的な政策であります。
そして、もう一つ、弁護士の保険が挙げられます。これは、いざというときの弁護士費用を保険から支給される商品でして、平成十二年に商品化された商品です。弁護士のアクセスルートの一つということで、日本でも少しずつではありますが、普及をスタートしております。月額の保険料を払っていくと、いざというときの一時的な弁護士費用という出費を保険で賄いますので、支払が平準化されます。そういった意味で、健康保険、医療保険の弁護士版のような意味合いを持つわけです。
実は、弁護士の数が増えた、そのような国においてはこの弁護士保険の普及が始まっていまして、諸外国を見てみますと、ドイツでは二〇〇九年の時点で約四二%の世帯が弁護士保険に加入しています。そしてまた、イギリスでは二〇〇七年の時点で人口比で五九%弁護士保険に加入しているということがありまして、このようなリーガル先進国においては、訴訟費用のハードルを下げる、弁護士費用のハードルを下げると、このような効果が実現しているというふうにも言えるんじゃないかと思います。
実は、日本においても、一部の保険は弁護士費用保険として非常に普及しております。それが、資料二にありますとおり、自動車保険の弁護士費用特約です。この自動車保険の弁護士費用特約は非常に普及をしておりまして、棒グラフで御覧のとおり、二〇一五年度においてももう既に二千四百万件ということになっております。
そして、それに呼応するように、交通事故の損害賠償訴訟の推移も、資料三にありますとおり、急増しているという関係性があります。私も弁護士をやっておりますので、私の事務所でも、やはり今までですと、物損事故、数十万単位の請求金額ですと弁護士費用倒れをしてしまうということで、基本的には弁護士に依頼が来ない、その結果、当事者は、被害者は、しようがないなということでいわゆる泣き寝入りに近い状態になっております。こういうような場合でも、弁護士費用特約を付けていると、その被害者の方、交通事故の当事者に持ち出しが発生しないので、その利活用が進んだ結果、交通事故訴訟もこのような形で拡大してきているということになっています。
何か、やはり法の行き渡る社会の中でしっかりと道理を通したいという方が交通事故においては権利実現ができるような社会になってきていると思うんですが、私としては、これをもっと全分野に広げていって、本当の意味での法の支配が行き渡った、そんな社会にしていくべくこの弁護士保険というのは大いな可能性を秘めていると思うわけであります。
そこで質問となりますが、平成十三年六月に司法制度改革審議会がまとめた司法制度改革審議会意見書では、「民事司法制度の改革」の一つの「裁判所へのアクセスの拡充」の「利用者の費用負担の軽減」において「訴訟費用保険」の項目が設けられ、「国民の司法へのアクセスを容易にするための方策として、訴訟費用保険が普及することは有意義であり、引き続き、このような保険の開発・普及が進むことを期待する。」と、このようにされています。同意見書では訴訟費用保険でありますが、これは弁護士保険と同じことかと思います。
このように期待されているわけですが、この意見書の記述について、現在の法務省としての御見解を伺いたく思います。