小川敏夫の発言 (法務委員会)

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○小川敏夫君 履行不能といっても、それは技術的に履行不能じゃなくて、要するに著しく多額な費用が掛かる場合には法的な評価として履行不能とみなすと、履行不能として扱うということだと思うんですが、それはかなり明白な場合だと思うんですよね。
 例えばの話、地下に何か埋まっていると。それは、結局建物を建てるについては何の弊害もないんで具体的な損害はないし、上を舗装してしまえば運動場にもなるということで、通常の使用には何にもないと。ただ気分が悪い、あるいは人から言われるのが嫌だという程度のものでしかないと。しかし、それを除去するとしたら八億円掛かるというようなことが今騒がれておるわけであります。これが、じゃ、そんなに不釣合いだったら履行不能として認められないのかどうか、まあ個別の案件だから答えないでしょうけれども。
 ただ、実際に一般論としてはケースがあると思うんですよね。例えば、買主側の損害を百とすると。そうすると、追完請求する場合にその百倍の一万掛かるといったら、それは余りにもひどいから履行不能でいいんじゃないかという気もするけど、買主側の損害を査定したら大体百でしかないと、しかし追完請求したら百五十だ二百だといった場合に果たして履行不能と言えるのかどうか。
 私は、そうした完全な履行をしない売主側の責任も考えれば、簡単に履行不能とは言えないと思うんですよね。だから、はっきりこれはもう余りにも非常識じゃないか、履行不能として扱っていいというケースもあるでしょうし、判例はそういう場合を言っていると思うんですがね。
 だんだんだんだん、だんだんだんだん、その履行請求、追完請求した場合の掛かる費用と現実の損害の差が縮まってきた場合にどこで線を引くのか。少なくとも、損害が百だから、それに掛かる追完に要する費用も百なら釣合いが取れるけど、じゃ、百一以上は全部履行不能になるのかというと、そうじゃないと思うんですね。じゃ、そこ、どこに境目が来るの。それは個別具体的にということになるんでしょうけれども、だけど、そこを、じゃ、それは裁判所の判断に任せましょうというんじゃなくて、そもそも今回の改正の趣旨は、そうして法律の規定がなくて裁判所の裁判例に任せた、判例に任せて解決している部分とかそういうものをなるべく立法化して分かりやすくしましょうと言うんだけど、という趣旨だと思うんですがね。
 結局、そこら辺のところの解釈の指針も何にも入っていないんで結局また判例にお任せになっちゃうんじゃないかというふうに私は考えるんですけれども、そこら辺のところ、何かもう少し具体的な指針とか解釈の基準になるようなものをもう少し明確に示していただけたらなと思うんですが、どうでしょうか。

発言情報

speech_id: 119315206X01020170509_027

発言者: 小川敏夫

speaker_id: 21676

日付: 2017-05-09

院: 参議院

会議名: 法務委員会