古川俊治の発言 (法務委員会)
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○古川俊治君 では、古川から質問をさせていただきます。
この民法の議論がずっと入ってきまして、主に時効と保証という大きな論点が中心に審議されていますけど、私は弁護士としてもうちょっと違った観点から、今まで、実は審議会の整理されていない論点についてちょっとお聞きしたいと思っております。
実はこの民法改正について、私が最初にこれ報道に触れたというのは二〇〇六年のことなんですね。このときは、私もまだ全然政治家になろうとも思っていない、候補にもなっていない頃でしたから、一弁護士としてそのとき思ったのは、古いかもしれない、確かに民法ってね、だけど、別に今機能しているじゃないかと、何でそれをわざわざ変えなきゃいけないんだと、これ正直にそう思ったんですよ。
それで、国会議員になってみて法律というものになじんでくると、確かに法律として不出来なところがあるからちゃんとしなきゃいけないのかなと、そういうのも分かるようになったんですけれども、一般の法曹からすれば、特に古い、丸山先生なんて私よりずっと古いんですけれども、そういう人は、はっきり言って面倒くさいんですよ、今更面倒くさいと、そういうね。ところが、やっぱり多分、学者とかそれから官僚の皆さんというのは、多分法律どうありべしみたいな話なんでやりたいと。だから、このスタンスにははっきりこう、改正を慎重にやるという方と推進したいと、こういう両派があると思うんですね、これ両方あると思うんですけれども。
今回、実はこの議論が始まったときに、今、その趣旨というのは、すごく取引が複雑化して高度化して情報の提供手段がすごく飛躍的に伸びたとか、やっぱり社会情勢が変わったということと、それから民法の判例がずっと積み重なってきていて、それが分からなくなっていると、条文からは。それで、それに判例の趣旨をちゃんと盛り込むという話なんですけど。
もう一つの視点として、実は私がずっと聞いていたのは、法務省にずっといらした内田貴名誉教授がリードされてきたんですけど、アジアとして債権法の総合的なものを発信していくんだという話は前から聞いておりました。我々は、この日本というのは民法をフランスとドイツから輸入してきたわけで、ドイツが二〇〇一年に債権法を改正したと。フランスもたしか去年の十月頃にいよいよ始まったんですよね。そういう状況で、あとヨーロッパ各国でもまだ今債権法改正進んでいると、民法改正がですね。
そういう中で、内田さん、本をちょっと引いてきたんですけれども、問題となっているのは、今、世界的に共通化に向かって動いている債権法の流れの中で、舶来の民法とはいえ既に一世紀を超える運用実績を持つ日本がどのようなスタンスを取るかであり、すなわち、ヨーロッパで形成されつつある共通法のモデルができるのを待って十九世紀と同様にまた輸入するという態度を取るのか、それともグローバルスタンダードが確立する前に共通法としての債権法のモデルの一つを発信しようとするスタンスを取るのかが問われているんだと。その上で、今、中国やあるいは韓国でも民法典の改正が進んでいるということを前提として、そういったアジアの動きがある中で、日本がどのようなスタンスを取るかが問題とされているんだと。日本にとって、債権法の抜本改正は、日本の国際的プレゼンスの懸かった国家戦略の問題でもあると言っているんですね。
そういった観点は非常にポリティカルな話なんですけど、今回の議論では全くされないで来ちゃったんですね。この点について指摘する学者も結構いるわけですよ。
ちょっと私は、それで取りあえずは推進派も慎重派もなくてちょっとお話しすると、実際、アジアの中でそうした今新しい債権法を共通して作っていく、それをヨーロッパとは違ったもので発信していくという、もう実際動きがあるのかどうか、そして、アジアの共通の債権法というものが、中国と日本が同じ債権法の原理を持つということは考えられるのかどうか、その辺ちょっとお聞きしたいと思っているんですけど。