牧山ひろえの発言 (本会議)
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○牧山ひろえ君 民進党・新緑風会の牧山ひろえです。
会派を代表して、政府四演説に対して質問をさせていただきたいと思います。
安倍政権のこれまでの歩みは、日本を取り戻すどころか、日本の良さをそぎ落としていくものでした。
唯一の被爆国として、日本ならではの世界への貢献の仕方を考えるのではなく、海外での武力行使を可能とする。派遣法の改悪で、生涯派遣で低賃金、結婚や子育てなど将来設計もままならない状態を当たり前にする。いじめや子供の自殺が続発する中で、少子化を理由に教育の予算を減らそうとする。物価が上がった場合でも、賃金が下がれば年金は容赦なく下げる。
働く世代が安心して仕事ができ、老後の社会保障も安定していたこの国の良さをこれ以上破壊しないでほしいです。
未来を切り開くと強調されていましたが、これまでの安倍政権の政策は、日本の未来を担う子供たちにとって果たして最善のものだったでしょうか。
私は、二人の母親として、平和な世の中を子供たちにプレゼントしたい、広い意味での良い環境を残したい、そんな意味を込めていつもオリーブグリーンの洋服を着ていますが、総理にも子供たちに対し同じ思いを持っていただきたい、人として、政治家として最大限のことをしていただきたいと思います。
私は、初当選以来、命を守りたいという政治を志した初心を忘れずに各種の政策に取り組んでまいりました。本日は、国の外側との関係で命を守る外交・安全保障、及び国の内側で命を守る厚生労働、教育分野をテーマとさせていただきます。
まずは、外交・安全保障についてお伺いしたいと思います。
米国のトランプ新大統領が、就任前にトヨタ自動車のメキシコ新工場建設計画を批判しました。NAFTAの見直しを行う以前に、個別企業の経営に介入するような今回のやり方は、私たちが共有しているはずの自由主義経済をゆがめるものです。
米国の利益を最優先するアメリカ・ファーストを掲げ保護主義に傾くトランプ新大統領の標的になり得る日本企業は、トヨタだけにとどまりません。衆議院の質疑において、日米経済関係について議論する中で説明を行う旨答弁されていますが、日本政府としては、ルールに基づいて自由な経済活動をしている企業を攻撃するのはいかがなものかと一般論としてではなく意見すべきではないでしょうか。このような個別の日本企業が非難のターゲットとなるケースが相次いでも今回のように傍観されるのか、対応の基本方針をお示しください。
一月十六日、日米地位協定の軍属に関する補足協定が締結されました。一歩前進ではありますが、米軍人・軍属による犯罪を防止する抜本改革とは言えません。
また、二〇一六年十二月のオスプレイの事故の際には、事故現場をアメリカ側は統制し、日本の捜査権が及んでいないとの指摘があります。さらに、二〇一五年八月に発生した米陸軍相模総合補給廠の爆発事故の際に、日米共同調査が行われたのは三日後の一回限りと報じられています。これらは、日米地位協定及びその関連文書において米軍の管理権が規定されていることによります。米軍関係の事故発生時に日本の捜査当局が十分に、そしてタイムリーに捜査を行い、原因究明に当たることができるようにすべきと考えますが、総理の御見解をお示しください。
次に、厚生労働分野の主要課題であります働き方改革、特に同一労働同一賃金についてお伺いしたいと思います。
正規、非正規労働者間での不合理な労働条件の相違の禁止は、既に労働契約法などに定められています。しかし、日本におけるパートタイム労働者の賃金水準は、フルタイム労働者の六割に達しません。これは、同一労働同一賃金が浸透している欧州の八割から九割と比較して極めて低い水準です。
現在、非正規労働者は全労働者の四割に達し、非正規労働者の待遇改善は喫緊の課題となっております。正規、非正規労働者間の格差是正に資する同一労働同一賃金の実現のためには、労使で対立のあった際には司法の場で判断を仰ぐことにより、その実効性を確保することも重要です。
各企業における賃金等の処遇は使用者が運用するものであり、労働者が処遇差が不合理であるとの立証をすることは困難です。このため、法案化に当たっては、処遇差の合理性の立証責任は使用者が負うことを明記すべきであると考えます。衆議院の質疑において総理は、法制度の具体的内容については働き方改革実現会議等の場で議論をいただきたいと逃げの答弁をされていましたが、参議院では使用者に立証責任を負わせることを法案に盛り込むかどうか、総理に明確にお答えいただくよう求めます。
また、一億総活躍プランには、同一労働同一賃金によって正規労働者と非正規労働者の賃金差について欧州諸国に遜色のない水準を目指す、つまり、四割程度の賃金差を二割程度に縮めるとの目標を掲げられています。この目標はいつまでに達成するのか、総理にお伺いしたいと思います。
安倍内閣は、消費税率の一〇%への引上げを再延期し、消費税増収分を活用する社会保障の充実策については、当初の予定であった本年四月から完全実施することができなくなっています。
特に介護保険に関しては、本来であれば本年四月から低所得高齢者の介護保険料の軽減措置が完全実施されるところでしたが、安倍内閣は、社会保障を充実させるどころか、中所得高齢者の高額介護サービス費の月額上限引上げ、介護納付金の総報酬割の導入、現役並み所得の高齢者の利用者負担割合の引上げなど、高齢者や現役世代の負担を一層強いる改革を実施しようとしています。利用者負担割合をめぐっては、一定以上の所得がある高齢者の負担割合について、平成二十七年八月に一割から二割に引き上げられたばかりです。
たとえ介護保険制度のみが持続可能となっても、肝腎の要介護者やその家族が必要な介護サービスを利用できなくなるようでは本末転倒と言わざるを得ません。安倍総理が行おうとしている介護の負担増によってそのような事態が起きることはないのか、総理の御所見をお伺いしたいと思います。
次に、未来をつくる子供たちの教育問題について質問します。
政府は、これまで加配で措置してきた発達障害や外国人児童生徒への対応を基礎定数化することで対応することにしています。この基礎定数化については、地方公共団体による教職員の安定的、計画的な採用や配置が可能になるため、望ましいと考えます。他方で、教職員についての概算要求において文部科学省が三千六十人を要求したのにもかかわらず、予算案では基礎定数と加配を合わせても八百六十八人の改善にとどまっており、不十分と言わざるを得ません。
多忙な教員が児童生徒と向き合う時間をしっかりと確保できるようにするためには、小中学校の全ての学年での三十五人以下学級の実現が必要です。そのためにも、教職員定数の一層の改善が必要不可欠と考えますが、政府の方針を御説明いただきたいと思います。
また、いじめ、不登校や貧困などへの対応を推進するためには、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの更なる拡充が重要となります。現状、非常勤として配置されることの多いこれらの専門職について、中央教育審議会の答申で示されたように、将来的には正規の職員として規定するとともに、教職員定数に含め、国庫負担の対象とすべきと考えますが、総理の御見解をお伺いしたいと思います。
昨年の臨時国会では、カジノ解禁、年金カット、TPPと強行採決が相次ぎました。これらが今の日本にとって手段を選ばず実現しなければならない最優先課題だったのでしょうか。あしたの暮らしに行き詰まる非正規社員、将来に夢を持てなくなっている若者、老後に不安を抱える高齢者が急増している中で、現在と未来の国民にとって本当に一番最優先すべきことは何なのかということを真摯に自省していただくことを総理に強く御要望申し上げて、質問を終わらせていただきたいと思います。
ありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕