大家敏志の発言 (本会議)

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○大家敏志君 自由民主党の大家敏志です。
 私は、自民・公明を代表し、ただいま議題となりました所得税法等の一部を改正する法律案について質問いたします。
 安倍内閣は結果を出す内閣です。外交で、経済で、大きな成果を出し続けています。今こそ、これまでのアベノミクスの成果を更に一層全国津々浦々に至るまで、そして未来に至るまで推し進める施策が求められています。
 税は国家なりと申しますように、税制が変わることで、人々の生き方、社会の在り方にも大きな影響が生じます。人々の生活に直結した税法、何がどう変わるのか、国民の皆様にしっかりと説明をする責任があります。
 まず、円滑な事業承継のための税制改正について伺います。
 先日、地元の経営者の方から、自分の子供が事業を継いでくれる気になったのに、事業承継が円滑にできず工場を畳まざるを得なくなったという残念な話をお聞きしました。経営者が子供に事業を引き継ごうと思うとき不安材料になるのは贈与税や相続税ですが、地域雇用の中核を担う中小企業が、これらの税のために泣く泣く事業を整理しなければならないといったことはあってはなりません。
 このため、平成二十一年度には、贈与税や相続税の納税を猶予する事業承継税制が設けられました。今回の改正では、より安心して制度が利用できるよう、災害などやむを得ない理由で要件を満たせなくなった場合でも引き続き納税猶予を受け続けられるようにすること、また、より早期の計画的な事業承継を促進するため、要件を満たせなくなった場合の税負担の軽減を図ることとしています。こうした取組によって、地域の特色ある中小企業がバトンリレーのようにその技術や雇用を未来へつないでいける環境をつくっていくことが重要です。
 税制のみならず金融措置も含めて、親世代から子世代への円滑な事業承継を政府として全力で支えていくという決意を安倍総理にお伺いします。
 次に、我が国の未来を支える研究開発について伺います。
 今、世界各国は、IoT、ビッグデータ、人工知能などを活用した第四次産業革命でリードを取るべく、壮絶な研究開発競争を繰り広げています。例えば、自動運転技術は日米欧で主導権を競い合っており、どこの国のシステムが国際基準となるかにより今後の自動車産業の勢力図が塗り替わるとも言われています。これらの最先端技術は日米欧以外の新興の自動車産業国との差別化にも大いに寄与するものでありますから、絶対に負けられない研究開発分野の一つであります。この自動運転技術の例だけでなく、製造業からビッグデータを活用したサービス業にもこの革命は広がりつつあり、まさに第四次産業革命という新しい時代の幕開けと言えるでしょう。
 明治の日本が文明開化を経て工業国になったときも、高度成長期に大きく発展したときも、我が国経済の競争力の源となったのは、高い技術力とそれを追求する研究開発でありました。この革命は、我が国が飛躍を遂げるきっかけとなるものであります。
 第四次産業革命の後押しのためにどのような施策を税制面で講ずるおつもりか、物づくりに思い入れの深い麻生財務大臣にお伺いいたします。
 我が国の経済成長を確実にするためには、持続可能な財政が不可欠であります。そこで、税収確保のための給与支給額の拡大策についてお伺いいたします。
 米国で誕生したトランプ大統領は、インフラへの投資と大型減税を打ち出し、株式市場を中心に経済は活況を呈していますが、一方、英国のEU離脱、新興経済国の景気減速の懸念などから、世界経済の先行きは決して楽観できないとも言われています。
 こうした中で持続可能な財政を実現するためには、我が国経済の足腰を鍛え、内需拡大を通じた税収増を実現していくことが重要でありますが、それには、何といっても国内総生産の六割を占める個人消費を伸ばすための所得拡大施策が欠かせません。先日始まったプレミアムフライデーの導入など多角的な消費促進策も必要ですが、やはり個人所得、給与を伸ばし、国民が成長を実感すること、これこそが最も重要であります。
 政権交代以降、安倍政権は一貫して所得水準の向上が重要であると主張してきました。このため、政労使会議を開催して、賃上げの重要性について認識を共有しつつ、最低賃金の引上げ、賃上げを行う企業への税制支援などに取り組んでまいりました。結果、今世紀に入って最も高い水準の賃上げが三年連続で実現していますが、国民全体の実感としては道半ばであります。
 そこでお尋ねいたします。政府は、今後どのように一層の所得、給与の拡大を進めていくのか、また、その際に給与の引上げが中小企業の健全な成長の支障とならないよう、どのようにバランスを取っていくおつもりか、安倍総理にお伺いします。
 次に、地方創生に資する税制についてお伺いします。
 これまで、企業の地方移転や地方拠点の拡充を支援するため、自治体の計画に沿って建物を取得した企業や雇用を増加させた企業に対する税制上の支援措置が講じられてきました。しかし、これまでの政府や自治体の努力にもかかわらず、東京一極集中には歯止めが掛かっておらず、東京圏への転入超過は毎年十万人を超え、企業の本店移転状況を見ても、東京圏への転入超過が進んでいるとの調査結果があります。
 そこで、今回の改正では、これまでの支援措置を更に強化するため、地方において無期、フルタイムの新規雇用を行った企業に対する税額控除の上乗せが行われます。地方の発展をより一層進める税制改正になると思います。
 これまでの成果を踏まえ、地方拠点強化税制による今後の見通し、総理の地方創生への決意をお伺いします。
 最後に、配偶者控除等の見直しについてお伺いします。
 安倍内閣は、女性活躍、働き方改革を最重要課題の一つに掲げています。現在、共働き世帯が専業主婦世帯を上回り、多くの女性が働き、家計を支えています。
 こうしたパート労働の方を始め働く方々の意欲をそぐものとして、税制では所得税、企業では家族手当や扶養手当、そして社会保障においては社会保険料の制度、三つの課題が挙げられます。例えば、月十万円の給与収入のパート労働者が、本当はもっと働きたいのに十月以降は働きを控えてしまう、それによって雇用する側の労働力も不足するという、いわゆる百三万円の壁があります。
 しかし、本法案の配偶者控除と配偶者特別控除の見直しによって、この三つの課題のうち所得税の部分は解消が見込まれます。配偶者控除の適用範囲が引き上がることにより、働く側の意欲は増し、また雇用する側の企業にとっても労働力不足の解消が期待されます。
 ただ、これで完全とは言えません。企業では、所得の少ない配偶者に対し、月に数万円程度の家族手当や扶養手当を支給する場合、この判断にも百三万円の基準が使われています。また、社会保険料においては、百三十万円で支払の義務が生じ、これが次の壁となり得ます。
 今回の配偶者控除等の見直しが、就業調整をしなくなる環境づくりに向けた大きな一歩になることは間違いありませんが、今後は、税制だけではなく、家族手当の仕組みや社会保険料の制度も併せて、一体的かつ総合的に改革を進めていく必要があります。
 安倍総理のお考えをお伺いし、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕

発言情報

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発言者: 大家敏志

speaker_id: 15010

日付: 2017-03-08

院: 参議院

会議名: 本会議