石井苗子の発言 (本会議)

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○石井苗子君 日本維新の会の石井苗子です。
 党を代表して、ただいま議題となりました所得税法等の改正案について質問いたします。
 少子高齢化と人口減少、働き方や産業構造の変化など、我が国が抱える課題を解決していく上で、税制の果たす役割は極めて重要です。身を切る改革、徹底した行財政改革による歳出の無駄、組織のスリム化を進めることで、歳出を真に必要なものに絞り込むことも必要だと考えております。歳出歳入の両面を厳しく見直しつつ、真に効果のある政策を実行することが求められています。
 我が党は、社会経済情勢の変化を的確に捉え、簡素、公平の理念の下、国民の暮らしや社会に活力を与える税制改正を目指しています。
 以上の観点から、本法案について質問させていただきます。
 まず、所得税について。
 昨年の政府税制調査会の議論では、配偶者控除の廃止と夫婦控除の導入が検討されていましたが、残念ながら、また先送りとなりました。政府が一億総活躍社会の理念を掲げる以上、共働き世帯が専業主婦世帯を大幅に上回っている社会情勢の中で、専業主婦世帯が多かった一九六一年に導入された配偶者控除制度は抜本的に見直されるべきです。
 現在の配偶者控除制度は、専業主婦がパート労働をした場合、一定の収入を超えなければ、夫は自分の基礎控除に加え、配偶者控除もあるという制度です。これは二重控除ではないかという指摘もあり、税法の在り方や国民の公平感の点から問題があると思います。
 少子化や人口減少が起こっている日本で、安心して子供を産み育てられる社会を目指すためには、フランスで効果があった、子供の数が多いほど税負担の軽減インパクトが大きくなるというN分N乗方式の導入や、あるいはそれと同様の効果を生じる日本型の政策が必要だと思います。
 そこで、総理に三点質問させていただきます。
 配偶者控除制度については、先ほど申しました二重取りの指摘がありますが、さらには、配偶者が百三万円以上百三十万円以下の収入だった場合、本人の基礎控除と配偶者特別控除、加えて配偶者の基礎控除と三点が適用されています。これは制度的にかなりの優遇ではないか。総理の御所見をお伺いします。
 さて、フランスで少子化を食い止めたと言われている政策、N分N乗方式ですが、一方で、この方式は中低所得者に対する減税効果が見られないという分析もあります。このN分N乗方式、日本での適用可能性について、総理の御見解をお伺いします。
 次に、配偶者控除制度の見直しには、所得や資産の把握や、過誤や不正受給の問題との関係に伴い、慎重にならざるを得ないという見解を総理は示されました。しかし、今の生活保護制度でも同様な問題が起きていると考えます。受給者が本当に生活保護の要件を満たしているかの把握に各自治体が苦労していると聞いております。この点について、総理の改善策をお伺いします。
 次に、法人税についてお伺いします。
 法人税の実効税率引下げと租税特別措置の整理統合という政府の基本的な方向については賛成です。しかし、その規模が小さ過ぎ、スピードが遅過ぎると感じております。特に、政府が租特の経済効果をしっかり試算していないことは大きな問題です。
 先月の衆議院の質疑での我が党の質問に対し、総理は、租特についてはその経済効果を検証することが重要とお答えになりました。そして、今後とも効果検証の徹底、質の向上に努めるとお答えになりました。それについて、具体的にどの府省でどのような取組をされるのか、また、どのようなスケジュールで実施するのかというお考えをお聞きしたいと思います。
 法人税減税については、企業が巨額の内部留保を抱えていることから慎重な意見も聞かれます。確かに、せっかく減税をしても、それが配当にも賃上げにもつながらないのでは、景気刺激の効果は限られてしまいます。そこで、我が党は、法人税減税とセットで、今述べました租特の原則廃止とともに内部留保課税の強化を主張しています。
 アメリカの内部留保課税制度では、事業の合理的な必要性を超えて内部留保を行った場合、課税逃れの意図があったものとみなされ、配当可能な所得に高い税率で課税されます。合理性の判断については財務省令で基準が定められており、事業拡張や企業買収の必要性などの例が挙げられています。アメリカのこうした制度も参考にして、日本での内部留保課税の強化も必要なのではないでしょうか。
 我が国では現在、特定同族株式会社についてのみ、例外的に内部留保に課税する制度があります。これを更に拡充して、上場企業に導入することも検討すべきではないでしょうか。財務大臣の御認識をお伺いいたします。
 次に、資産課税について、事業承継税制の問題についてお伺いします。
 衆議院では、我が党の主張として、後継者が取得した株式などにつき納税猶予の割合を一〇〇%に引き上げるべきこと、また、経営者の配偶者が筆頭株主の場合でも適用すべきと、この二点について質問しました。
 本院では、更に加えて、以下の二点をお伺いしたいと思います。
 まず、現経営者の配偶者など親族からの相続や贈与で後継者が非上場株式などを取得した場合にも納税猶予制度の適用を受けられるようにするべきではないでしょうか。この改正は、閉鎖会社の実態に即したもので、しかも市場で高い評価を得ている優良な中小企業にとって大きなメリットがあると考えます。いかがでしょうか。
 もう一点は、取引相場のない株式の評価式についてです。来年度税制改正では多少の変更が予定されていますが、円滑な事業承継を促すため、評価式自体を変更すべきと考えます。いかがでしょうか。
 以上二点につき、総理大臣の御所見をお伺いいたします。
 日本維新の会は、民間の活力を最大限発揮できるような実効性の高い税制の実現とともに、真に支援が必要な方々へのサポートと将来世代への思い切った重点投資を目指します。
 日本の国際競争力を高め、未来に希望の持てる社会の実現に向け必要な改革や改善を実施することを国民の皆さんにお約束して、私の質問を終わらさせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕

発言情報

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発言者: 石井苗子

speaker_id: 27322

日付: 2017-03-08

院: 参議院

会議名: 本会議