山本有二の発言 (本会議)
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○国務大臣(山本有二君) 田名部議員の御質問にお答え申し上げます。
獣医師の需給に関する認識及び特区認定の経緯についてのお尋ねがございました。
獣医師の需給につきましては、近年、家畜やペットの飼養頭数がいずれも減少傾向にあるという状況の下で、一概には言えないものの、獣医師の数自体が全体的に不足しているという状況にはないと考えております。このような中で、産業動物獣医師につきましては、地域によってはその確保が困難なところがあるという状況と認識しております。こうした認識は基本的に従来から変わっておらず、国家戦略特区ワーキンググループのヒアリングの場におきましても事務方からその旨発言してきており、昨年十一月九日の国家戦略特区諮問会議では、私が、近年、家畜やペットの数は減少しているけれども、産業動物獣医師の確保が困難な地域が現実にあると申し上げたところでございます。
また、国家戦略特区の認定経緯についてのお尋ねがございました。
本件につきましては内閣府の所管事項でございますが、今治市は平成十九年から八年近く唯一の提案者として獣医学部新設の提案を続けておりまして、安倍政権が昨年十一月の規制改革の決定、今年一月の制度化に結実させたものであり、また安倍総理が認定に影響を与えたことは一切ないものと承知しております。
農業資材業界の再編についてのお尋ねがございました。
本法案におきましては、農業資材価格の引下げなど、農業者の努力では解決できない構造的な問題に対処し、農業者の所得の向上を図ることとしております。具体的に言えば、例えば肥料につきましては、大手メーカー八社を合わせましてもシェアは五割に満たず、化成肥料メーカーが約二百五十社も存在し、工場の稼働率も約七〇%と低い状況にあるなどにより高コストな生産構造となっていることから、メーカーの自主的な判断に基づく業界再編による早急な体質改善を後押しすることとしております。
その際、本法案第九条で示しているとおり、国は、良質かつ低廉な農業資材の供給を実現するため、適正な競争の下で高い生産性が確保されることとなるよう、必要な措置を講ずることとしており、寡占状態となって資材価格が上がるようなことは想定しておりません。
次に、肥料製造などにおける低生産性についてのお尋ねがありました。
本法案における生産性が低いとは、一律の基準はないものの、例えば肥料では、銘柄が約二万も存在するなどにより化成肥料メーカー工場の平均稼働率が七〇%と低水準に止まっていることなどが改善すべき状況と考えております。
肥料の銘柄数が多いのは、メーカーの販売戦略に加えて、各地の気候や栽培体系の違いに応じて、産地のブランド化や高品質な農産物の生産を可能とする肥料を開発していることなどによるものと考えております。一方、原料の配合割合の細かい調整を行うことや資材を入れる袋を細かく分ける等、コストを掛けている状況にもございます。
このため、農林水産省としましては、農業者や産地の御意見をよく聞きながら、同一成分の銘柄は可能な限り集約するとともに、施肥基準等の見直しに向けた都道府県や農業団体との検討等によりまして、銘柄の集約を促進し、肥料製造の生産性の向上を図ってまいります。
次に、農業生産関連事業者の努力規定についてのお尋ねがありました。
農業と農業生産関連事業は、農業の持続的発展が最終的に農業生産関連事業の発展につながるという共存共栄の関係にございます。このため、農業生産関連事業者には、農業の持続的発展が最終的に自らの事業の発展につながることを認識しつつ、農業者にメリットが及ぶような事業活動を持続的に行うことが求められることから、その旨を努力規定で明記したところでございます。
したがいまして、農業生産関連事業者の方々がこれまでこれらの取組を行ってこなかったということではなく、今後も農業資材について、安全性や耐久性の向上の取組や農産物流通におけるコスト削減の取組などを持続的に行っていただくことを期待しているものでございます。
次に、農業者の努力規定についてのお尋ねがありました。
本法案における農業者の努力規定は、農業者を見下したり、農業者の努力が足りないとの考えに基づくものではありません。
本法案では、農業生産関連事業者に対して、良質で低廉な農業資材の供給や農産物流通等の合理化の実現に資する取組を持続的に行うよう努めることを求めておりますが、取引相手である農業者がこのような努力を行う事業者を利用していただかなければ、その実現につながってまいりません。このため、農業者に対しても、このような努力を行う事業者との取引を通じて、農業経営の改善に努めることを求めることとしたものでございます。
次に、農業者の組織する団体の努力規定についてのお尋ねがございました。
本法案第五条三項の「農業者の組織する団体であって農業生産関連事業を行うもの」は、農協だけを指すのではなく、事業協同組合など、農業資材事業や農産物流通等事業を行う農業者団体一般を指すものでございます。同項の規定は、このような農業者団体一般に対して、努力規定として一定の行為を行うことを求めているものでございまして、行為そのものを強制したり、義務付けたりするものではございません。
一方、農業競争力強化プログラムにおける全農の自己改革は、政府と全農が合意の上で取りまとめられたものでございまして、その進捗状況のフォローアップにつきましては、合意の実現という観点から、本法案の枠外で行われるものと考えております。
農業機械業界の事業再編についてのお尋ねがございました。
農業機械業界については、メーカーの上位四社のシェアが八割を超え、各社のシェアに大きな変動がないなど、寡占状態による競争性の欠如が課題と考えております。一方、農業現場からは農業機械の価格が高いといった声が寄せられているほか、高齢化等による労働力不足が深刻となっている中、ロボットやICT等の新技術の導入が期待をされております。
このような状況を受け、現在、建設機械メーカーが水稲直播栽培用のICTブルドーザーを開発、あるいは電機メーカーが野菜の自動収穫ロボットを開発するなど、異分野の企業が研究開発に取り組み始めておりまして、このような取組を後押ししてまいります。なお、外国資本企業を排除するものではありませんが、まずは、異分野の企業の新規参入により、寡占状態にある業界に競争環境の整備を図ることとしております。
次に、農産物流通等についてのお尋ねがありました。
本法案第十二条の「適正な競争」とは、流通等事業者がコストの削減や農産物の付加価値の向上等を目指し、創意工夫により切磋琢磨する環境であると考えております。
農産物の流通等について、コストが過大に掛かる構造では、農業者の手取り収入が抑制されることとなるため、農林漁業成長産業化支援機構による出資、日本政策金融公庫による融資、税制上の特例等の支援措置を講じ、事業再編等を促進することとしております。
また、多様化する実需者、消費者のニーズへの対応からも、農産物の流通等の改革が必要でございます。このため、経済社会情勢の変化を踏まえた規制の見直しを行うとともに、国が定めた規格の見直しや民間事業者が定めた規格の見直しの取組を促し、その事業環境を整備することとしております。
さらに、卸売市場法については、市場関係者の意見も丁寧に聞きながら、今後抜本的な見直しを行ってまいります。
次に、農業者戸別所得補償法案についてのお尋ねがありました。
まず、国会における法案審議の扱いにつきましては、国会がお決めになることだと考えております。その上で、農業者戸別所得補償法案は、米について全ての販売農家を対象に補助金を交付するというものでございますが、農地の流動化ペースを遅らせるという面がある等の政策的な問題があると考えております。
このような観点から、米の直接支払交付金は、平成二十六年産から単価を削減し、平成二十九年産までの措置とした上で、その間、強い農業の実現に向け、農地中間管理機構による担い手への農地集積や、需要のある麦、大豆、飼料用米の生産振興を図ることによる農地のフル活用など、前向きな政策を強化したところでございます。
以上でございます。(拍手)
〔国務大臣山本幸三君登壇、拍手〕