岸田文雄の発言 (本会議)

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○国務大臣(岸田文雄君) まず、国際組織犯罪防止条約の締結に当たり、重大な犯罪の合意を犯罪化する必要性と本条約を締結するメリットについてお尋ねがありました。
 本条約第五条は、締約国に対し、重大な犯罪の合意又は組織的な犯罪集団の活動への参加の少なくとも一方をその未遂又は既遂とは別に犯罪化することを義務付けています。しかし、我が国には、現行法上、参加罪は存在しない上、重大な犯罪の合意罪に相当する罪もごく一部しか存在いたしません。したがって、我が国の現行の国内法では本条約の義務を履行できていないため、新たな立法措置が必要であり、テロ等準備罪を新設しなければ本条約を締結することができないと考えております。
 次に、本条約を締結するメリットについて申し上げると、例えば捜査共助に関しては、本条約に基づく義務として一層確実に、かつ、外交ルートによることなく中央当局間でより迅速かつ効率的に共助が行われるようになります。また、犯罪人引渡しに関しては、我が国との間で引渡条約を締結していない国との間で犯罪人引渡しの要請の実効性が高まることが期待されます。
 具体的に申し上げると、例えば、米国は、本条約を二〇〇五年に締結して以来、同条約に基づき、これまでに三百回以上の捜査共助を実施するとともに、他の国に対し二百回近くの犯罪人引渡請求を行っていると承知をしております。
 次に、テロ等準備罪の対象犯罪の限定についてお尋ねがありました。
 過去の法案の組織的な犯罪の共謀罪においては、本法案に規定する組織的犯罪集団という文言や定義が明文で定められてはおりませんでした。過去の法案は、このような規定を前提とし、法案においてはこの対象犯罪を限定することとはしてはおりませんでした。
 他方、今回の法案のテロ等準備罪においては、一般の方々が処罰の対象とならないことを明確にするという観点から、本条約が認めるオプションを、法文上、犯罪主体が組織的犯罪集団に限られることを明記した上で、対象犯罪についても、組織的犯罪集団が関与することが現実的に想定される重大な犯罪二百七十七個に限定をいたしました。
 このようなテロ等準備罪の対象犯罪の限定は、本条約が対象犯罪を組織的な犯罪集団が関与する重大な犯罪に限定することを締約国に認めていること、こうした本条約のオプションを活用したものであり、本条約の義務を履行できるものであると考えております。(拍手)
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発言情報

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発言者: 岸田文雄

speaker_id: 6324

日付: 2017-05-29

院: 参議院

会議名: 本会議