浜田昌良の発言 (本会議)
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○浜田昌良君 公明党の浜田昌良です。
質問に入ります前に、本日早朝、北朝鮮からミサイルが発射され、我が国排他的経済水域への落下が推定される事案がありました。国際社会からの自制を無視し、このような暴挙を繰り返す北朝鮮に対し、改めて断固抗議するとともに、我が国平和と安全確保に向け最善を尽くすことを政府に求めます。
続きまして、ただいま議題となりました組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案について、公明党を代表して質問します。
まず、国際組織犯罪防止条約、いわゆるTOC条約及び関連議定書の早期締結の意義について質問します。
四月二十五日の衆議院法務委員会において、全ての参考人からTOC条約締結に賛成の立場が表明されました。二〇一九年のラグビーワールドカップ日本開催、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、我が国の治安を向上させるとともに、国際的組織犯罪の規制の抜け穴を塞ぐ観点から、我が国の早期締結の決意について、そして、十年以上前に衆参共に全会一致で議定書及び国内担保法が承認、可決されているにもかかわらず、親条約たるTOC条約が未締結ゆえ、いまだ締結できていない人身取引議定書及び密入国議定書の我が国早期締結の意義について、安倍総理に伺います。
次に、TOC条約と新たにテロ等準備罪等を設ける国内担保法との関係、その必要性について質問します。
TOC条約が国連で全会一致により決議され、加盟国に締結を要請している背景には、移動、通信手段の高速化、壊滅的攻撃手段の入手容易化を受けた国際的組織犯罪の蔓延があります。これを食い止めるための組織的犯罪に対する処罰の早期化、前倒し化という全世界的現象を踏まえ、我が国においても事後的、応報的な処罰から、早期介入による被害の未然防止へと機能転換していくことが必要であります。
このことは、一部ではありますが、予備罪、陰謀罪を既に導入している我が国刑法体系と矛盾せず、また、思想、良心の自由や処罰規定の内容の適正化を含む適正手続の保障等、憲法の諸規定に反するものでもないと考えますが、法務大臣の見解を求めます。
一方、一部で主張されている内乱や外患誘致等で我が国刑法でも設けられている予備罪の対象を個別に拡大することや、予備罪の共同共謀正犯の適用により、条約第五条の義務を果たすことは可能なのでしょうか。また、二〇〇三年の条約の国会審議において、条約第五条の義務の留保に関してどのような議論があった上で承認されたのでしょうか。さらに、今年四月に回答を得たTOC条約を担当するUNODC、国連薬物犯罪事務所からの口上書によれば、我が国がTOC条約を締結するためには、我が国の刑法体系の中でどのような法整備が必須となるのでしょうか。外務大臣の答弁を求めます。
また、我が国の法案同様、本条約の合意罪の法制を既に採用しているイギリス、アメリカなどで合意罪が人権抑圧に使われているという懸念は聞いたことがないとの参考人の陳述があった一方、別の参考人から、かつてこれらの国で労働運動の弾圧に共謀罪が使われたとの指摘もありました。今日なお、かつての状況があるとは思えませんが、いずれにしましても、我が国の国内担保法案は、組織的な犯罪集団が関与していること及び合意の内容を推進するための行為を伴うことという条約上の二つのオプションを共に援用している点で、国際的にも人権抑圧に対して最も留意した規定となっていると評価できると考えますが、外務大臣の見解を求めます。
一方、五月十八日付けで国連プライバシー権利特別報告者のジョセフ・カンナタチ氏から、総理宛ての本法案に対する公開書簡が発出されたとの報道がありました。これは、国連の総意に基づくものでもなく、また、日本政府に直接説明する機会も与えられず、一方的に発出されたとして、我が国として抗議をしたとされていますが、指摘されている国際人権法の規範及び基準と本法案の整合性はどのようになっているのでしょうか。その他、本法案に対する正確な理解を内外に広げていくためにも、求められている日本政府からの情報提供については適切に対応していくことが必要と考えますが、外務大臣の見解を求めます。
次に、一部で懸念されているような監視社会化、人権侵害などを回避するために、今回の国内担保法においてどのような手当てがなされているかについて質問します。
衆議院段階の答弁で、テロ等準備罪では、組織的犯罪集団であること自体が犯罪ではないので、テロ等準備罪の嫌疑が生じていない段階で、ある団体が組織的犯罪集団になるか否かが捜査の対象となることはない、また、組織的犯罪集団に関与することもなく通常の社会生活を送っている一般の方々にテロ等準備罪の嫌疑が生じることはなく、一般の方々がテロ等準備罪の捜査の対象となることはないとありましたが、一方で、ある参考人から、犯罪の発生時点を前倒しすることにより、警察の情報収集活動の拡大等につながるとの懸念も示されました。一般の団体や一般の方々が、任意を含め、捜査の対象とならないという根拠について、まして、監視社会になることはないことについて、国民に分かりやすい説明を法務大臣に求めます。
また、単なる共謀から、具体的、現実的な計画や、当該計画に基づく外形的な実行準備行為をテロ等準備罪の構成要件としたことにより、どのように内心の自由が侵害されるという不安や懸念に対応したと言えるのでしょうか。さらに、法文上は抑制的になっていたとしても、実際の法執行面において、警察による捜査関係事項照会など司法警察活動のみならず、行政警察活動の濫用の懸念についてどう応えていくのか、衆議院段階で修正がなされていることも踏まえ、安倍総理の答弁を求めます。
さらに、今回の法案では、テロ等準備罪の対象犯罪を、長期四年以上の懲役、禁錮に当たる六百七十六の罪から二百七十七に限定しています。その意義について、また、国内での組織犯罪集団の関与可能性等から、これらの対象犯罪は必要かつ十分な範囲に限定されていると言えるのかについて、法務大臣の答弁を求めます。
最後に、参議院段階での参議院らしい審議により、本法案に対する国民の正確な理解が更に広がり行くことを強く期待しまして、私の質問を終わります。(拍手)
〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕