金田勝年の発言 (本会議)
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○国務大臣(金田勝年君) 仁比聡平議員にお答えを申し上げます。
まず、実行準備行為と市民の日常生活上の行為との区別についてお尋ねがありました。
これまでの議論では、ある行為が実行準備行為に当たるか否かを判断するに当たり、計画をした者であるか否かや計画の具体的内容を問題とすることなく、当該行為のみから実行準備行為該当性を判断するかのような誤解があるように思われます。
しかしながら、テロ等準備罪における実行準備行為は、条文上、計画をした者のいずれかにより計画に基づき行われることが必要とされております。したがって、ある行為が実行準備行為に該当するためには、まず、計画をした者による計画に基づく行為と認められることが必要であります。
その上で、行為の目的などの主観面についても捜査や認定の対象となりますが、その際には、一般的な犯罪における犯意の認定などと同様に、様々な証拠のうち、客観的証拠や供述の裏付け証拠の有無、内容が重視されるものと考えられます。
このように、実行準備行為に当たるか否かの判断に当たりましては、計画をした者による計画に基づく行為と認められるか否かに加えまして、当該行為をしている者の携帯品、当該行為をしている際の状況など、外形的な事情も行為の目的を区別する一つの要素となり得るものと考えております。
なお、先日、私が、例えば花見であればビールや弁当を持っている、下見であれば地図や双眼鏡、メモ帳などを持っていると答弁いたしましたのも、このような理解を分かりやすく説明するために外形的事情としての携帯品の例を申し上げたものにすぎず、それらの携帯品を所持していることから直ちに下見目的の実行準備行為と認定できると考えているわけではありません。
次に、政府が一般の方々はテロ等準備罪の捜査の対象とはならないと説明していることについてのお尋ねがありました。
テロ等準備罪についても、他の犯罪の捜査と同様に、犯罪の具体的な嫌疑がなければ捜査が行われることはありません。犯罪の主体を組織的犯罪集団に限定しない場合には、一般の方々も犯罪の嫌疑があれば捜査の対象となります。
しかしながら、テロ等準備罪には、組織的犯罪集団が関与する犯罪、重大な犯罪の計画行為、その計画に基づく実行準備行為という厳格な三つの要件が設けられております。このように、組織的犯罪集団が関与する犯罪との要件を設けたことによりまして、客観的に組織的犯罪集団に関わり合いがあるとの嫌疑が認められなければ、その者に対する捜査は行われません。
そして、組織的犯罪集団とは、国内外の犯罪情勢等を考慮すれば、テロリズム集団、暴力団、薬物密売組織など違法行為を目的とする団体に限られ、一般の方々がこれらと関わり合いを持つことがないのはもちろん、関わり合いを持っていると疑われることも考えられません。
したがって、組織的犯罪集団と関わり合いのない一般の方々、すなわち、何らかの団体に属していない人はもとより、通常の団体に属し、通常の社会生活を送っている方々は、テロ等準備罪の被疑者として捜査の対象となりません。
このように、我々は、捜査機関が捜査対象と考えたかどうかで一般の方々か否かを判断しているわけではありませんので、御指摘は当たりません。(拍手)
〔国務大臣岸田文雄君登壇、拍手〕