山下雄平の発言 (本会議)
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○山下雄平君 自由民主党の山下雄平です。
私は、自民・公明を代表して、ただいま議題となりました法務委員長秋野公造君解任決議案に対し、怒りを持って断固反対の立場から討論いたします。
私が今抱いている怒りは、民進党の法務委員会のメンバーに対してではなく、温厚、沈着、懐深い秋野委員長の下、与野党で建設的な理事会、委員会が行われていたにもかかわらず、現場の実態を知らないどなたかが唐突に解任決議案を提出すると判断されたことに対してです。
以下、この解任決議案がいかに理にかなっていないかを具体的に説明してまいります。
法務委員会で審議している組織的犯罪処罰法改正案は、国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約、いわゆるTOC条約の締結に不可欠な国内の担保法案です。TOC条約に参加している国々が合意罪又は参加罪を国内で立法化していることは、法案に反対の立場の参考人の方々の質疑でも明らかになりました。日本がTOC条約加盟国と共同した取組ができていないことは、我が国が国際組織犯罪対策の抜け穴となってしまうということです。丁寧かつ充実した審議を重ね、一日も早くこの法案を成立させるべきです。
充実した審議の観点から見れば、捜査、公判の実務や法令の解釈に精通した法務省刑事局長に出席を求め、答弁させることは当然です。しかし、一部野党の方々は、これを暴挙と言います。丁寧かつ分かりやすい審議をし、また、細目的、技術的事項について人権保障の観点から刑事罰の厳格な適用の要件を明らかにする必要があります。その必要性を解任決議案の提出の方々に理解されないことは残念です。
また、委員会運営手続上も瑕疵はありません。先ほど、真山理事も触れられましたが、参議院規則第四十二条の三に、委員会は、必要があるときは、政府参考人の出席を求めることができるとあり、参議院委員会先例二四九に、出席要求は、委員会において議決し、委員長からこれを行うとあることに基づき、議決したものです。
秋野委員長は、政治家になられる前から、医師として、行政マンとして、弱い立場の方、困っている方に寄り添い、汗をかいてこられました。法務委員長としても、少数会派の方々の主張に耳を傾け、野党の審議時間を十分確保し、中立公正な運営に尽力されてきました。さきの民法改正案の委員会採決が整然と行われたのは、秋野委員長の丁寧な運営のたまものだと思います。
本法律案の審議でも、秋野委員長は、理事会、委員会を丁寧に運営されてこられました。昨日の委員会立てをめぐっても、月曜日の理事会で一時間にわたり与野党の意見を聞かれました。野党の方から、参議院は審議を深めるべきだといった発言があったため、私が、意見の相違点は残っているが、野党の皆さんも審議は必要との立場なので定例日に審議をしないことはおかしい、委員長におまとめいただきたいと、委員長に判断を仰ぎました。私が委員長に水を向けた際、どなたからも反論はありませんでした。
委員長の判断後に民進党の理事の方が退席されたのは非常に唐突でした。にもかかわらず、秋野委員長は退席した理事にも配慮し、委員会の質問時間の配分を決められ、野党の方からも感謝されていました。議論の必要性を理解しておきながら、定例日の委員会開催を決めた委員長に対して解任決議案を出すことは、暴挙以外の何物でもありません。秋野委員長は、尊敬されこそすれ、批判されるいわれは全くありません。
ラジオでの安倍総理の発言が問題だから審議に応じないともおっしゃいました。しかし、共産党の先生は、総理発言を決算委員会で追及されました。問題だと考えるのであれば、審議拒否するのではなく、委員会で堂々とその主張をされるべきではないでしょうか。なぜ共産党の先生がやっておられるのに、民進党の方々はできないのでしょうか。
私は、法務委員会の民進党の方々が解任決議案の提出を主導されたとは思っていません。理事会、委員会のメンバーは、立場の違いこそあれ、建設的な審議、運営に尽力してきました。だからこそ、唐突極まりない理事会での退席、解任決議案の提出は、現場のことをよく分かっていない方が案を練られたのではないかと思っています。現場の空気を感じ取られていない判断に民進党の委員会メンバーも戸惑いを隠せていないというのが私の率直な印象です。
秋野委員長の運営、判断は、法案の審議を充実させるため、その職責を全うすべく適正に行われたものであり、委員長解任に値するという主張は断じて退けるべきです。野党の皆さんは、充実した審議、政府の丁寧な説明を求めておられます。この解任決議案が否決された場合は、明日の定例日から充実した審議に臨もうではありませんか。
万が一にも、報道で取り沙汰されているような問責決議案の提出などで更に審議を止めることはないとは思いますが、仮にそのようなことをした場合、充実した審議を求めているのは形だけで、本音は日程闘争しているだけということを自ら示すことになると申し上げ、私の反対討論とします。
ありがとうございました。(拍手)