吉良よし子の発言 (本会議)

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○吉良よし子君 日本共産党の吉良よし子です。
 私は、日本共産党を代表し、二〇一五年度決算と国有財産増減及び現在額総計算書の是認に反対する討論を行います。
 本決算には、森友学園の小学校建設国有地取得の不明朗な経過に関わる国と森友学園の賃貸契約書、売買契約の交渉記録や補助金交付などが含まれます。
 財務省などが安倍総理と夫人の意向をそんたくして、国有地を破格の安値で売却したとしたら重大問題です。政府は、自ら事実関係を明らかにし、疑惑の真相を解明すべきです。しかし、財務省は資料がないの一点張り、与党も総理夫人への証人喚問を現在に至るまで拒否し続けています。このような状況の下で、本決算の是認などあり得ません。これが、反対の第一の理由です。
 森友学園だけではありません。加計学園の獣医学部新設計画をめぐる疑惑に対する政府・与党の対応も重大です。総理の意向という圧力により、加計学園にだけ獣医学部の新設を認めるようにしたのではないかという疑惑に関して、文部科学省、政府や与党は、この間、明らかになった文書、メールについて怪文書呼ばわりし、確認できない、再調査もしないと言います。そして、文書が本物だと発言した前川前文部科学事務次官に対しては個人攻撃を行いながら、証人喚問には一貫して背を向け続けています。
 公平公正であるべき国の行政が総理の意向によってゆがめられている、総理による行政の私物化という重大な疑惑が問われているのです。事は総理の進退にも関わる問題です。政府による隠蔽、幕引きは許すわけにはいきません。関係者の証人喚問並びに資料提出、文書の再調査など、全ての疑惑についての国会と国民に対する説明責任を果たすよう強く求めるものです。
 反対の第二の理由は、本決算は、空前の利益を上げ続ける大企業に対して大減税などの優遇策を進める一方で、国民には次々と痛みを押し付けたものだからです。
 二〇一五年度予算は、大企業への法人実効税率を二年間で三・二九%引き下げる一・六兆円もの大減税と、研究開発減税などの優遇税制を進めました。その結果、資本金十億円以上の大企業の内部留保は四百兆円を超え、史上最高額となっています。政府は、大企業に減税すれば、賃金や雇用、設備投資などが増え、消費や景気も改善すると繰り返し説明してきました。しかし、大企業がもうけた利益を賃金にも雇用にも回さず、内部留保としてため込み続けていることは明らかです。
 一方、国民の暮らしはどうでしょう。二〇一四年に社会保障のためと消費税増税が強行されてから一年後となる二〇一五年度予算では、国と地方を合わせた消費税増税分の大部分は所得税や法人税の減収の穴埋めとされたのみならず、社会保障予算の自然増をばっさり削減しています。
 介護報酬の引下げ、介護施設での食費や部屋代の負担増、介護保険利用料の二割負担導入、年金のマクロ経済スライドの発動、七十歳以上の医療費の窓口負担の二倍化、生活保護の生活扶養の基準引下げなど、国民に対して余りに冷酷な仕打ちです。さらに、今国会でも、介護保険利用料を三割負担にするなどの介護保険法改正案が通されました。
 このような負担増、給付減の社会保障改悪のオンパレードこそ、消費税の税収分は全て社会保障の充実、安定化に向けるという政府の看板が偽りであったことを示すものではありませんか。再来年の二〇一九年十月からは消費税を一〇%に増税すると言いますが、もはや社会保障の充実のためなどという言い訳は通用しません。企業の利益を優遇し、国民の命や暮らしを切り捨てる決算は、到底是認できません。
 反対の第三の理由は、本決算が、史上最大の五兆円もの軍事費により、憲法違反の戦争法の強行とその具体化を推し進めるものになっていることです。
 二〇一五年秋、政府は憲法違反の安保法制、戦争法を強行成立させました。その間、軍事費は増え続け、二〇一五年度予算では、二〇一四年度補正予算と合わせると五兆円を超えています。それによって、ステルス戦闘機や水陸両用車、イージス艦を購入し、オスプレイの配備を進め、自衛隊を実質的に海外で戦争できる部隊へと変質させています。さらに、南スーダンへの自衛隊派遣費用も、二〇一五年度予備費で手当てされています。
 政府は、南スーダンでは武力衝突が継続していたにもかかわらず、停戦合意がある、紛争当事者はおらず、派遣五原則が維持されているとして、自衛隊をPKOに派遣してきました。その上、防衛省は、昨年七月の首都ジュバでの大規模な戦闘などの実態を生々しく報告した日報を隠蔽した上、国会で防衛大臣は戦闘を衝突と言い換えて、派遣を継続。昨年十一月には、南スーダンPKOに派遣した自衛隊に、戦争法に基づいて、新たに宿営地の共同防護や駆け付け警護の任務を付与し、武器使用を拡大しました。
 今年、国民の厳しい批判の中で、ついに撤収を決めましたが、危険な実態を隠蔽し、派遣五原則が崩れているにもかかわらずPKOを派遣し続けてきた政府の責任は重大です。こうした自衛隊派遣費用を含み、戦争できる国づくりを進める決算は認めることはできません。
 憲法違反の戦争法は即刻廃止を求めます。
 最後に、安倍総理は、憲法記念日である五月三日に、憲法九条に自衛隊を明記する改憲を行い、二〇二〇年に施行することを明言しました。これは、憲法尊重擁護義務を課されている総理大臣がしてはならない憲法違反の宣言です。
 憲法九条一項、二項とは別に、自衛隊を明記するということは、二項の空文化につながり、戦力不保持、交戦権否認をうたう九条を九条でなくしてしまうことになるでしょう。
 しかし、国民はそのような改憲を望んでいません。NHKの世論調査でも、九条の改憲は必要ないという声が五七%に上ります。一方、この間の各世論調査では、内閣支持率が軒並み下落しています。日経電子版では二六・七%と、前回から二五・四ポイントもの大幅下落です。この数字は、森友学園や加計学園などの疑惑には蓋をする一方で、国民監視を強める共謀罪は国連からの懸念を無視して押し通そうとする。果ては、違憲の改憲宣言まで行って海外で戦争する国づくりを進める安倍政権に対する国民の痛烈な怒りの声の表れです。
 私たち日本共産党は、強権、横暴極まりない安倍政権打倒のために、市民と野党と力を合わせる決意を申し上げ、討論といたします。(拍手)

発言情報

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発言者: 吉良よし子

speaker_id: 31216

日付: 2017-06-07

院: 参議院

会議名: 本会議