武正公一の発言 (憲法審査会)

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○武正参考人 民進党を代表して過日の欧州派遣団副団長として参加をいたしました武正公一でございます。
 きょう、こうした機会をいただいたことに感謝を申し上げます。
 今回の視察で特に強く感じたことは、あくまで議会が国の中心であるという自負を、ヨーロッパ各国、とりわけイギリス、強く持っておられるということであります。議員からは、政府の話、何やらそういったことは二の次、三の次、それぞれ、やはり議会がその国のさまざまな決定の最高機関であるという矜持を強く感じました。コープ教授からは、最も基本的な考えとして、英国は議会制民主主義をとっていて、議会こそが最高の機関だという考え方であるので、全てについて議会に最終決定権限があるとされていると述べております。
 今回三カ国を選んだ理由は、昨年六月、EU離脱の国民投票、また十二月に上院改革の国民投票がそれぞれ政権側の意に反して国民に否決され、内閣総辞職をしたイギリス、イタリア、新しい人権である国民の知る権利、忘れられる権利、教育を受ける権利などを実施しているスウェーデン、国と地方のあり方の見直し中のイタリア、特にコミューンに徹底的な分権を行っているスウェーデン、この三カ国を選んだところでありますが、特に、イギリスでは首相の解散権の制約、これに関心を持ちました。
 前々回の衆議院選挙後、この憲法審査会で、首相の解散権の制約が必要ではないかと私もこの場で何度となく提起をいたしました。そしてまた、今回の解散・総選挙もやはり急な解散、しかも冒頭解散、これが果たしてどこまで国民に争点を提示できたのか。投票率は若干上がりましたが、私の埼玉県、あるいは私の選挙区では戦後最低の投票率でありましたので、やはりこの首相の解散権というものは問われるのではないかという認識でございます。
 イギリスでは、二〇一一年、議会任期固定法の制定により、首相が実質的に有してきた解散権に制限が加えられました。また、それによって、従前のように首相が君主に要請して議会を解散することは不可能となり、女王大権である議会解散権も廃止をされております。キャメロン前首相は、私の質問に対して、議会任期を五年に固定することは、政権が安定し、首相が五年間の計画を立てることができるので、よいことだと思うと述べております。
 ちなみに、二〇一七年までの十九回の解散による総選挙の間隔は約四十五カ月、五年の任期に対しては七五%で、平均、解散が行われているという計算。ちなみに、日本の任期を調べてみますと、二十五回の解散、平均三十三カ月、四年の任期に対して六八%ということでありますので、イギリスに対しては約七%低いということになります。
 次に、国民投票について触れたいと思います。
 イギリスのお会いする議員は、口をそろえて、国民投票は慎重にということを何度も口にされていました。政権の賛否を問うことになってしまったことが、国民投票がなかなか難しかったということを挙げておられました。
 コープ教授は、キャメロン前首相が党の結束力を高めるためにこの国民投票に打って出たんだという指摘をされています。こうした国民投票についてのあり方がやはりイギリスでも提起をされました。
 また、九条について触れておきますと、九条に自衛隊を加えることについては、まず冒頭、最初に面会をいたしました、イギリス、ベン下院EU離脱委員会委員長から、憲法に明記されていなくても今まで自衛隊が活動できたのであれば、自衛隊が憲法に明記されていないということはそれほど大きな問題ではないように私には見受けられるという指摘がまずのっけからありましたことをお伝えさせていただきたいと思います。
 次に、スウェーデンでありますが、スウェーデンは、憲法典が四つの法律から構成されております。王位継承法、統治法そして出版自由法、表現の自由基本法の四つの法律から憲法典が構成されております。
 統治法、一九七六年改正では、新しい人権、ここに、忘れられる権利、国民の知る権利、教育を受ける権利などが規定をされております。
 特に、世界における報道自由度ランキング第二位、スウェーデン、ちなみに日本は七十二位。そのスウェーデンでは、この四つの法律のうち、今申し上げた出版自由法、表現の自由基本法が四つの憲法典のうち二つを構成しております。
 先ほども森会長から報告があったように、大変驚いたのは、公務員が内部情報をリークしてよいということでありました。もちろん制限はありますが、メディアに、文書は出せないが、こうした情報が提供できる。しかも、報酬も受け取れる、それは申告すればよい。また、上司が、誰が内部情報をリークしたかを調べてはいけない。そしてしかも、罰せられるのは当事者ではなく、メディアの長が罰せられるとすれば罰せられるということであります。
 これは大変驚きましたが、報告書百五十ページにあるように、公務員の守秘義務より情報提供権が優先されるという法体系がその背景にあるというふうに考えます。
 新聞などについては、出版の自由に関する法律第一章第一条第三項、また、出版の自由法、表現の自由基本法、公開の原則、また統治法にも統治法二章一条にそうしたことが明記をされております。
 次に、イタリアでありますが、イタリアでは、レンツィのための国民投票というようなことが指摘をされたように、フィノッキアーロ大臣、四年前には上院憲法問題委員長として面会をいたしましたが、厳しい自己反省のことを口にされておりました。
 国民投票というのは、多数派が自己の権力を強化するための手段として使ってはいけない、大きな改革をするのに当たっては、その決定権を政権から国民に引き渡すこと、これを引き受けた国民が政権創出能力のある国民として適切に改革の是非について判断することができるような環境を整える必要がある、この二点が重要であると述べたことは極めて感銘深く受けとめております。
 今回の派遣を通じまして、やはり、この審査会の目的である、憲法及び憲法に関する基本法制の調査、そして改正の発議、国民投票に関する法律等の審査、この三点がこの憲法審査会の目的であり、特に国民投票についての議論はまだまだ必要であるということを認識しております。
 両院における合同審査会の規定、あり方についてはまだ議論がございません。あるいは、国民投票広報協議会の構成について、今のままいけば、少数党がメンバーには入れません。こうしたことの議論はまだ行われておりません。また、憲法一章についての議論もさきの国会で行っておりますが、憲法及び憲法にかかわる基本法制の調査というものは、まだまだこの審査会の役割として極めて重いものがあるのではないかというふうに思います。
 私からの報告は以上とさせていただきます。
 御清聴ありがとうございました。

発言情報

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発言者: 武正公一

speaker_id: 18971

日付: 2017-11-30

院: 衆議院

会議名: 憲法審査会