馬場伸幸の発言 (本会議)
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○馬場伸幸君 日本維新の会の馬場伸幸です。(拍手)
明年、平成三十年は、明治維新から数えてちょうど百五十年目の年に当たります。
人生百年時代を迎えた今の日本で、たった百五十年前、それまで数百年と続いてきた前例、慣例の象徴であるちょんまげを切り、腰から刀を抜き、我々の先人たちが日本を近代国家に生まれ変わらせるため、文字どおり命をかけた大改革が行われました。
現在の日本について考えたとき、明治維新のときに設計された、人口が右肩上がりで増加し、経済が成長し、税収がどんどん上がっていくという前提で考えられた全ての行政制度は、その前提条件が崩れ、疲弊しています。
それだけではなく、憲法、外交、安全保障、社会保障、教育、環境問題など、どの分野も現状の日本に適合している状態とは言えず、閉塞感が漂っています。
国民は、現役時代は普通に働けば普通に暮らしていける、そして、現役を退けば、第二の人生は何の不安や心配もなく暮らしていける、そういう社会や制度を望んでいます。
そのためには、坂本龍馬の言葉をかりれば、日本をいま一度洗濯いたし候を行う必要があります。明治維新の志士たちの思いに応えるべく、これからの百年先、百五十年先の日本を想像しながら、今こそ日本大改革を行うときであります。
総理、もちろん、今の国民の暮らしを守り、現状の課題に立ち向かっていくことは重要でありますが、一強政権、安定政権だからこそできる大改革を総理主導のもとで行ってほしい、それが衆議院選挙で示された本当の民意であると考えます。
我々日本維新の会も、その名のとおり、「維れ新たなり」という発想で建設的な議論をこれからも行っていくことを約束し、質問に入ります。
さて、安倍総理は、さきの衆議院解散を国難突破解散と名づけました。北朝鮮による核とミサイルの開発は日本にとって確かに大変な脅威ですが、そうした国難を招いたのは一体誰の責任なのでしょうか。長年政権を担ってきた自民党の不作為の結果なのではないでしょうか。
日本が直面する少子高齢化の大波も大変厳しいものがありますが、既に確定した人口動態を国難とあおってみても、今の事態に至るまで手をこまねいてきたのはまさに自民党政権であり、国難ではなく怠慢です。
私たちは、北朝鮮の問題であれ、少子化の問題であれ、その課題に正面から向き合い、国民の生命と財産を守るため、仕事と生活を守るため、冷静かつ愚直に政策実現に取り組む以外にない、そう考えています。国難とあおってみても何も生まれない、むしろ、なすべきことはわかっているのですから、タブーを恐れず、覚悟を持って実行に移していくべきです。
あえて国難という言葉に意味があるとすれば、安倍政権になって国民負担率が二・七%ふえた、これこそ国民にとっては災難ではないでしょうか。国民の収入のうち、税金の負担率と社会保障負担率を合計したいわゆる国民負担率は、第二次安倍政権になる直前の平成二十四年には三九・七%でしたが、平成二十九年には四二・五%にはね上がりました。
安倍総理、こうした国民負担率の増大をどう認識されていますか。また、負担率を上げるその前にやるべきことがあるのではないでしょうか。
アベノミクスは失敗した、国民が好景気を実感できないと言われていますが、知らぬ間に負担だけがふえれば、実感できないのも当たり前です。さらに、二年後には消費増税が予定されています。政治家だけが議員特権を拡大し、国民の負担は確実に増大する、これこそ国難ではないでしょうか。
議員特権の象徴である議員年金について質問します。
国会議員の議員年金は平成十一年に廃止され、地方議員年金は、積立金が枯渇して制度が破綻する見込みとなり、平成二十三年六月に廃止されました。しかし、驚いたことに、自民党を中心に、地方議員年金にかわる新たな公的年金制度を求める動きがあります。
先日、自民党幹部は、元国会議員で生活保護を受けたりホームレスになったりする方もいると聞いているとし、議員年金の復活を示唆しました。
一方、廃止された地方議員年金の既存支給者への給付は現在も続いており、完全廃止まで今後五十年間、自治体は負担を負い続けます。総務省の試算によれば、公費負担累積額が一兆千四百億円にも上ります。
自治体はこれだけの負の遺産を背負わされています。その上に、地方議員の公的年金制度を復活させるというのは、とんでもない話です。
日本維新の会は、地方議員の新たな公的年金制度には徹底的に反対します。また、国会議員年金の復活にも徹底的に反対をします。
非常勤で兼業が許される地方議員の立場を考えた上で、新たな公的年金制度が必要なのかどうか。また、国民の中には、国民年金のみで生活をされている方々が少なからずいらっしゃいます。元国会議員が国民年金では生活できないということであれば、国民年金制度自体を根本的に見直すことが優先されるべきです。
国会議員、地方議員年金を復活させることについて、総理の所見をお伺いいたします。
次に、教育無償化の財源について質問します。
安倍総理は、所信表明演説において、どんなに貧しい家庭に育っても、高校、高専にも、専修学校、大学に行くことができる、そういう日本にしていこうではありませんかと述べられました。
私たち日本維新の会が言い続けてきた教育無償化に対する理解が広がっている、その結果であると自負し、評価もしています。
しかし、画竜点睛を欠くとの言葉のとおり、最も大事な財源について、安倍総理は消費増税を活用すると明言されました。国の行財政改革は不徹底であり、増税よりも先になすべきことがあるのではないでしょうか。
大阪府では、六年前の平成二十三年から、私立を含めた高校の実質無償化を実現しています。そして、その財源は、身を切る改革から始まり、職員が一丸となって行財政改革に取り組み、財源を捻出し、府民の新たな負担なしに実現をしました。大阪市、守口市、門真市でも、新たな負担なしに幼稚園や保育園の無償化を実現しています。
総理、この大阪での、国民に新しい負担を負わせず教育の無償化を次々と実現していることをどう評価していますか。
国においても、徹底的な行財政改革によって財源を捻出し、増税を行わずに教育無償化を実現できる、実現すべきと考えますが、総理の所見をお伺いいたします。
次に、慰安婦像問題について質問します。
サンフランシスコ市セント・メリーズ公園の私有地に民間団体が設置した慰安婦像と碑文がありますが、展示スペースごとサンフランシスコに寄贈され、十一月十四日に同市議会が寄贈の受け入れを議決しました。
姉妹都市である大阪市の吉村洋文市長は、ハガティ駐日大使やリー・サンフランシスコ市長に、書簡を通じて、寄贈を受け入れれば慰安婦像と碑文の内容を同市の意思とみなさざるを得なくなると、姉妹都市関係の解消も視野に、慰安婦像の受け入れ撤回を強く求めてきました。
碑文には、日本軍に性奴隷にされた数十万人の女性や少女の苦しみの証拠といった、史実ではない極めて不適切な表現が含まれています。
この問題は、本来、日本政府が解決すべき外交問題です。リー市長が拒否権を行使しなければ、今月二十四日には慰安婦像と碑文が公共物になってしまいます。実にゆゆしき事態であります。
菅官房長官は、この問題に関し、十一月六日の記者会見で、極めて残念と述べ、関係者を通じた取り組みを行うと述べました。
自民党の二階幹事長も十七日の記者会見で、日本が喜ぶか、どういう反応が国民の間に広がるかを考えてみれば答えはおのずから明らかだ、米国がそういうことをして恥じないようなことであってはいけないと不快感を示し、これからは慰安婦問題について渡米時には必ず意見を申し述べてくる、日本から来た国会議員はみんな意見を持っていて、気をよくしているわけではないということを理解してもらうと述べました。
サンフランシスコ市への慰安婦像の寄贈問題を安倍総理はどう捉まえていますか。
大阪維新の会の大阪市会議員団は、十一月十七日、河野太郎外務大臣に、サンフランシスコにおける慰安婦像設置及び慰安婦の日制定について、その撤回等を求める要望書を提出しました。そして、慰安婦にまつわる諸問題は、朝日新聞を初めとする報道機関や一部のジャーナリストによる捏造であった事実をサンフランシスコにはっきり伝え、そのことの普及啓発に努めるよう要望しました。
しかし、時既に遅しです。
大阪市会は、ことしの五月と九月にも、慰安婦像設置を撤回するようサンフランシスコ市議会に求める決議を行おうとしましたが、市議会自民党が反対し、二回とも否決されました。維新の大阪市会議員団が河野外務大臣に要望せざるを得なかったのは、大阪市会で否決されたためです。
大阪市におけるこうした自民党の行動は国益に反するものと断じざるを得ませんが、安倍総理は自民党総裁としてどう受けとめられますか。お答え願います。
次に、ギャンブル依存症について質問します。
ギャンブル依存症は、ギャンブルにのめり込むことによる多重債務、貧困、虐待といった重大な社会問題を引き起こしています。しかし、対策は後手に回っていて、問題の解決の道筋が決まっていないのが現状です。
対策には、発症、進行、再発の各段階に応じたものが必要です。また、アルコールや薬物などの依存症と合併しているケースもあり、一筋縄では解決しない複雑な事情を持つ患者さんの例も多くあります。
この複雑化した問題の解決のために、ギャンブル依存症の関係者会議をつくって、有益な意見と実績を持つNPOにも参加をお願いすることを考えています。
苦しんでいるのは、依存症患者本人だけではありません。本人を支える家族も苦しんでいます。速やかな救済が必要であると考えます。
NPOの参加を含めた関係者会議を可及的速やかに設置すべきと考えますが、総理はどうお考えですか。お答え願います。
二〇二五年国際博覧会に関して伺います。
大阪・関西は、大阪湾岸の夢洲に万博を誘致すべく立候補しました。テーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」であり、東京オリンピック・パラリンピックの次に来る世界的な大イベントです。
日本経済が東京一極集中に進む中、東京以外の経済成長の拠点をつくるためにも重要なイベントです。
また、人工知能、ロボットなどの技術革新が進む中で、夢のある革新技術を社会や一般家庭に取り入れる絶好の機会であると考えます。
大阪・関西の万国博覧会の誘致は、オール・ジャパン体制で臨まなければなりません。ライバルは、ロシア、フランス、アゼルバイジャンと、いずれも強敵です。誘致をかち取るため、総理の決意を改めて伺います。
日本維新の会は和して同ぜず。冒頭にも申し上げたように、国民の皆様にとって納得のできる政治を実現するために、政府・与党に対しても、他の野党に対しても、是々非々という建設的な姿勢で臨んでいく、それをお約束して、私の質問を終わります。
ありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕