片山虎之助の発言 (本会議)
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○片山虎之助君 日本維新の会の片山虎之助です。
私は、我が党を代表して、安倍総理に質問いたします。
第四十八回衆院総選挙が終わり、自民党は大勝し、与党は三分の二を超える議席を維持しました。自民党は、平成二十四年末政権復帰以来、国政選挙五連勝です。総理はこの結果をどのように総括されますか。この結果を受け、総理は謙虚に、真摯に政権運営に当たると表明されましたが、今後の国会運営、政権運営はこれまでとどこがどう違うのか、あるいは違わないのか、お聞かせをいただきたい。
また、総理は所信表明演説で、政策とその実行を何度も繰り返し強調されました。良き政策をつくり、それを全力で実行することは、まさに政治の原点であり、政治家の本来の使命です。改めて、今回の所信表明で強調された真意を御説明ください。
憲法第四十一条には、国会は国権の最高機関であり、かつ唯一の立法機関と規定されています。しかし、今の国会にそれだけの権威があり、国民の強い信頼があるとは私には思えません。前国会においても、国会議員の不祥事が続発、国会運営では、与党は数に頼んで力で押し、時に強行採決、野党は日程闘争とモリカケ問題のパフォーマンスに終始し、時に審議拒否、国民のための健全な議論も合意形成のための努力も共に足りなかったと私は思います。我が党は、小政党ながら国会審議に真摯に対応、課題に対しては是々非々主義に立ち、非の場合には建設的な対案を示し、国民の理解と信頼を得るよう懸命に努力してきたつもりです。いかがお受け止めでしょうか。
また、一強状況が続く中で安倍政権は、国会審議を忌避し、長期間国会を開かず、その間、重要政策を官邸や審議会主導で決めていく姿勢は国会軽視であり、国権の最高機関は官邸と誤解しているとの批判もありました。確かに、我が国は他の先進国に比べ総理や閣僚の国会拘束が多過ぎます。この際、質問時間の配分を含め、国会改革について与野党で真剣に取り組むことを提案します。総理に御所見があれば伺います。
私はかつて、参議院自民党国対委員長時代、参院は、与党であっても内閣や衆議院に対するチェック・アンド・バランスの関係に立つので質問時間では差を付けないようにすべきだと主張し、野党の理解も得て実現しました。
国会には、与野党を問わず立法を行うとともに、政権運営や行政執行を不断に監視、チェックする役割が求められています。したがって、その役割の多寡に応じ公正に質問時間が配分されるべきだと考えますが、政権側の総理の御所見を伺います。
唯一の立法府である国会は、今や閣法の追認機関と化し、本来中心であるべき議員立法は隅に追いやられています。我が党はそれを打破すべく、前国会に議員立法を計百八本提案し、今国会にも、十六日、十五本の身を切る改革法案を提出しました。しかし、全ての会派が同意しなければ議員立法の審議はしないのがこれまでの国会のあしき慣例で、審議してもらえません。是非、この審議入りを各会派にお願いしたいと思います。
また、国民に負担や痛みをお願いするのなら、まず身を切る改革を国会議員が率先して行わなければ説得力はありません。昨年、身を切る改革について、議員立法が成立するまで我が党だけでも行うことを決め、以降実行しています。
主なものは、第一に、議員報酬から毎月一人が十八万円を拠出、総額を毎月被災地へ提供しています。復興特別所得税は二十五年間、住民税は十年間、国民は負担し続けるのに、議員、公務員の報酬カットは震災後二年間で終わりました。第二に、企業・団体献金は受け取らない。受け取れば政党助成金との二重取りになります。第三に、議員一人月百万円支給されている文書通信交通滞在費の使途を公開しています。第四に、選挙区支部への寄附の税額還付は申請しない等です。
かつて総理には同じ質問をして御評価をいただきましたが、これらの実行にリーダーシップを発揮されるお考えはありませんか。自民党だけでもいかがですか。
憲法改正について、今回の選挙結果で、具体的な議論を開始することは国民の信任を得たと私は考えます。現憲法は、国民主権、基本的人権の尊重、平和主義の三原則など優れた内容を持ちつつも、制定に国民が直接参加せず、国民の意思も反映されていない点が最大の欠陥です。
私はその解消をできるだけ早く図ることが絶対の要件だと考えています。拙速は慎むとしても、また、あらかじめスケジュールありきではないとしても、衆参審査会の議論が結果的に引き延ばしにならないように、おおよそのスケジュール感の共有が必要だと考えますが、いかがでしょうか。
まず、衆参の憲法審査会で発議案をまとめるとして、各党が案を持ち寄らなければなりません。改正反対も一つの意見ですから、自由に各党が持ち込まれればよい。しかし、いずれにせよ、最大会派の自民党がテーマの集約を先導することは必要です。その用意はありますか。
我が党は、憲法改正案を既に発表しております。教育の無償化、地方分権・統治機構改革、憲法裁判所の設置の三項目で、案文も作成済みです。第九条改正については現在論議中です。これら三項目は、あるいは第九条を含めて、いずれも憲法事実、憲法を変えるだけの実態と必要性があると考えての上ですが、総理の御所見をお伺いします。
今から二年半前の平成二十七年三月の予算委員会で、私は、初めて総理に教育無償化について質問しました。その教育無償化は今回の総選挙では大きな争点となりました。無償化論の先駆けをし、流れをつくったと自負する我が党としては、大変好ましい事態です。そして、教育の無償化は国の基本法である憲法に書き込みたいというのが我が党の主張です。政権が替わっても財政状況が悪くなっても変更されない国是にしたい。これは自民党総裁としての総理のお考えとも一致すると思いますが、いかがですか。また、膨大な財源を要しますので、国民の理解を得ながら段階的に進めることも当然です。総理の御所見を伺います。
政府から示されるという二兆円規模の教育無償化のパッケージについてお伺いします。
三歳から五歳については年収に関係なく、ゼロ歳から二歳児については住民税非課税世帯を対象に無償化する案と聞きます。三歳から五歳についても所得に応じて助成額に上限を設ける考え方も出ています。財源上の理由からのお考えは分かりますものの、かえって不公平を助長するようで釈然としません。私は、現時点ではともかく、最終的にはナショナルミニマムとして幼児教育は全て無償とすることを基本方針とすべきだと考えますが、いかがでしょうか。
また、総理は、今回の選挙では、消費税の使途を見直し、教育無償化に充てるとの公約を前面に掲げられました。
消費税増税については、我が党は、景気の回復や身を切る改革・徹底行革など四条件が満たされなければ凍結と主張し、教育無償化の財源も、本気で身を切る改革・徹底行革等で捻出することを提案しています。今回の消費税の使途変更は単なる財源の付け替えであり、新たな財源とは言い難い。こうした努力から逃げて、本来、将来世代の借金を抑制するためだった消費税財源にその解決を求め、さらに足りない部分は別途経済界に拠出をさせる案は、少なくとも政権与党としては正攻法ではないと考えますが、いかがでしょうか。
高等教育機関の質の向上も大きな課題です。少子化が進むにもかかわらず大学の数が増え続けたことにより、大学全入時代となり、大学生の学力低下は深刻です。高等教育の場としての大学も、バウチャー制度など大胆な競争原理や規制緩和を導入し、思い切った再編や統廃合を促進すべきです。あわせて、地方活性化のため、大学の地方分散を更に奨励すべきでしょう。総理の御所見を伺います。
高等教育の無償化については、結論を急ぐ必要はなく、条件を整えつつ十分な検討をすべきだと考えますが、いかがですか。
次に、外交・安保政策についてお伺いします。
まず、日米関係について、先日来日したトランプ大統領との日米首脳会談では、強固な日米同盟の下、北朝鮮に対する圧力を最大限に高めていくことで一致した点など、大きな成果がありました。
一方、経済面については、これから本格化する日米経済対話や米国が離脱したTPP11の発効や運用にしっかりと取り組む必要があります。もしTPP11が米国抜きでも十分な成果を上げていけば、米国世論を刺激し、米国復帰を早めることにつながります。日欧EPAも同じ効果が期待されます。
さて、米中首脳会談では、中国、アメリカとの間で二十八兆円の巨額商談が発表されました。トランプ大統領から対米貿易赤字についての不満が表明されたことからも、アメリカ・ファーストに立った主張が今後の日米FTA交渉等の中で出てくることは想像に難くありません。中国が行ったように、経済界とも連携して先手を打つ方策を検討する必要はありませんか、総理の御所見を伺います。
次に、日朝関係についてです。
北朝鮮からの度重なる挑発的なミサイル発射や核実験は我が国の安全保障にとって重大な脅威ですが、幸い、九月十五日以降、挑発的な行為は止まっています。しかし、油断はできません。対話は重要としても、現時点で北朝鮮が直ちに応じ、事態が解決するとは考えにくい。今行うことは、国連安保理の追加制裁の完全実施や国際的に足並みをそろえた外交努力等を続けることです。
トランプ大統領の各国歴訪は、北朝鮮の非核化では一致したものの、韓国と日米には温度差があり、中国とは擦れ違い、ロシアとは会議もしないという状況でした。これらアメリカ、韓国、中国、ロシアの対応をどう理解し、どう評価されますか。特に中国とアメリカの本音をどう思われますか。
北朝鮮の脅威が増していく中、核・ミサイル防衛システムの一層の整備を図り、抑止力として敵基地攻撃能力の保有についての議論を高めることも必要です。
米国製の防衛装備品の更なる購入について、総理は、日本の防衛力を質的に量的に拡充していくと表明されましたし、かつて予算委員会での私の質問に、防衛費をGDP一%以内に抑えるという考え方は取らないとも答弁されました。私も同意見ですが、重ねて総理の御見解を伺います。
拉致問題についても解決に向けしっかりした取組が必要です。トランプ大統領は、国連総会の演説でも横田めぐみさんの拉致について触れ、訪日時には拉致被害者や家族等との面談が行われました。トランプ大統領はほかでも拉致問題に触れておられますので、国際世論を巻き込んでの解決が期待されます。総理は具体的にどのような方途をお考えでしょうか、お聞かせください。
次に、日中関係について、政府が尖閣諸島を国有化してから五年を迎えました。依然として、尖閣諸島周辺での中国関係船による領海侵入が常態化し、違法操業が横行しています。中国の海洋強国化が鮮明になり、中国海軍の軍備が増強される中、海上保安庁による警戒監視、取締りのみで対応は十分でしょうか、御所見をお伺いします。
また、日米はもとより、日豪、日印の首脳会談でも、アジアからアフリカに至る地域の成長と安定を目指す自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた協力が合意されました。もとより、一帯一路構想で存在感を増す中国を牽制する狙いもありますが、今後、日米豪印四か国を中心とした戦略的連携をどうつくり、我が国はどういう役割を果たすのか、総理の御所見をお伺いします。
一方で、総理は十一日に中国・習主席と、十三日に李首相とも相次いで会談をし、相互の往来を約して、日中関係改善が新たな段階に入りつつあることも世界に印象付けました。今後の進展についていかがお考えですか。
日本経済の現状認識は、株価の上昇や企業の好調な業績等、景気回復局面にあるという大方の見方がある中、七―九月期のGDP速報値も年率一・四%のアップとなりました。イザナギ景気を超える戦後二番目、七期連続の景気拡大ですが、依然、地方や中小企業などで景気回復の実感に乏しいのも事実です。また、雇用状況がこれだけ好転しているにかかわらず、なぜ賃金が上がらないのかも不思議です。総理はいかに認識されていますか。
また、日銀の黒田総裁の任期も来年四月に迫ってきました。金融緩和に対するいわゆる出口戦略について、米国、EUの動きに対し、日本だけが遅れているという意見が声高になっていますが、日銀の姿勢は変わりません。いかがお考えですか。
税制改正について、まず働き方改革と所得税改革は不可分です。昨年の税制改正、特に配偶者控除等の見直しは不十分で、結局、鳥籠を大きくしただけだとの批判があります。真に働き方改革を行うつもりなら、どの所得層をどう遇するのかという所得税在り方の基本哲学を持って抜本改革を行うべきでしょう。残念ながらそうなっていません。いかがですか。
世界的に法人税引下げ競争の様相を呈しています。米国は三五%から二〇%へ、フランスは三三%から二五%へを目指しています。我が国でも法人税実効税率はこの二、三年低下していますが、その効果は、賃金を上げたり設備投資に回らず、内部留保を増やしただけに終わっています。
内部留保課税には税理論から問題があるとの指摘もあり、経済の好循環を実現するためには賃上げや投資を行った企業に大胆に税負担を軽減する政策税制を選択する方がベターでしょう。いかがですか。
今国会は短い国会ですが、来年の通常国会に続く憲法改正や教育無償化に向けた本格的な議論が始まる重要な国会と考えます。我が党は、国会を正常化し、その権威と国民の信頼を回復するよう先頭に立つとともに、我が党政策の中心である身を切る改革・徹底行革と地方分権・統治機構改革に引き続き最大限努力することをお誓いして、私の代表質問といたします。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕