長浜博行の発言 (本会議)

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○長浜博行君 民進党の長浜博行です。
 会派を代表して、総理の所信について総理に質問いたします。
 質問に先立ち、この夏から秋にかけて台風や集中豪雨等でお亡くなりになられた方々に哀悼の意を表するとともに、被害に遭われた皆様に心からお見舞いを申し上げます。
 年々脅威を増す世界的規模での自然災害に対処することが急務です。先週までドイツで国連気候変動枠組条約第二十三回締約国会議が開催されていました。そこで議論されたパリ協定に基づくルール作りに日本は積極的に貢献すべきと私は考えます。総理は地球温暖化対策についてどのような御所見をお持ちか、また、パリ協定をどのように評価されているかについてお伺いをいたします。あわせて、来年ポーランドで開催されるCOP24に向けて政府の地球温暖化対策推進本部ではどのように取り組まれる方針か、本部長である総理に伺います。
 トランプ大統領が来日される直前の今月二日、私は、所属する超党派の地球環境国際議員連盟、GLOBEジャパンが衆議院の国際会議場で行ったシンポジウムにパネリストとして参加をしました。会議では、二〇〇七年にノーベル平和賞を受賞し、「不都合な真実」でも有名なアル・ゴア元アメリカ合衆国副大統領が地球温暖化の現状について強い危機感を持って訴えられました。出席された復興大臣はよく御理解のことと思います。
 総理は、先日の日米首脳会談あるいはグリーン上において、この問題についてトランプ大統領に対してどのような働きかけをなさったのでしょうか。パリ協定にコミットすることこそが世界の安心、安全、また米国の発展と経済的利益をもたらすということを粘り強く説得すべきであったと考えますが、総理の答弁を求めます。
 次に、余りに独善的な安倍総理の政治姿勢、政権運営に関して触れなければなりません。更に言えば、安保法制の議論のときにも感じたことですが、総理は日本国憲法第九十九条にある憲法を尊重し擁護する義務を本当に理解しておられるのだろうかということです。日本国憲法の冒頭には、「日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、」と書かれており、第四十一条では国会は国権の最高機関と規定されております。官邸主導の名の下に、国民の代表が集う国会での議論をないがしろにしてはなりません。
 憲法五十三条に、「内閣は、国会の臨時会の召集を決定することができる。いづれかの議院の総議員の四分の一以上の要求があれば、内閣は、その召集を決定しなければならない。」とあります。行政府の意思ですることができるということと、立法府の意思によりしなければならないということが書かれております。民主主義社会では多数決の原理が通用しますが、その裏には少数意見が尊重されるということも忘れてはなりません。
 民進党は、憲法の規定に基づいて、六月二十二日に臨時国会の召集を求めました。いつまでに開くとは憲法に書かれていないと驚くべき強弁をする方もおられますが、自民党の日本国憲法改正草案を拝見しますと、要求があった日から二十日以内に召集されなければならないと明記されています。また、そのQアンドAには、当然のこととはいえ、御丁寧にも、党内議論の中では少数会派の濫用が心配ではないかという意見がありましたが、臨時国会の召集要求権を少数者の権利として定めた以上、きちんと召集されるのは当然であるという意見が大勢でしたと書いてあるではないですか。
 これでは、森友、加計学園問題を始めとする諸課題について、国会での論戦を避けるために衆院を解散し選挙を行ったと言われても仕方がないのではないですか。李下に冠を正さずではなかったのですか。なぜ臨時国会を早期に召集しなかったのか、お答えください。
 八月に組閣された仕事人内閣の多くの大臣各位の御所見すら、国会ではいまだ拝聴しておりません。そんな中、解散の大義は判然とせず、どの大臣が何を御担当されていて、どんな抱負経綸かも争点にならず、選挙が終われば内閣総辞職、そして、再び大臣も副大臣も同じ顔ぶれで第四次安倍内閣を組閣。解散は理論上は国会閉会中でもできるとの説もありますが、一切議論することもなく、単に冒頭で解散するがためにのみ国会を召集したという暴挙は、国権の最高機関たる国会を愚弄したとは思われませんか、答弁を求めます。
 また、憲法第七条においては、天皇は、内閣の助言と承認により国民のために国事に関する行為を行うことが記されております。国会を召集すること、衆議院を解散すること、国会議員の総選挙の施行を公示すること、国務大臣の任免。今御説明いたしましたこの僅か四か月の間に起きた事象を顧みて、総理は余りにも天皇の国事行為を軽々に考えておられるのではありませんか。総理がなされた内閣の助言と承認の的確性について、お考えをお聞かせください。
 国民の血税を無駄に使うことや不適切な経理処理は厳に戒めなければなりません。会計検査院は、今月八日、国の二〇一六年度決算の検査報告を総理に提出いたしました。四百二十三件で合計八百七十四億円の規模ではありましたが、氷山の一角にすぎないと言う方もおられます。この件に関して、総理の御所見を求めます。
 また、学校法人森友学園への国有地売却について、会計検査院は三月に検査を実施すると発表しましたが、今回の報告には含まれておりません。この問題は、さきの通常国会においても、予算委員会、国土交通委員会等において我が党の小川敏夫会長を先頭に疑惑追及を行ってまいりました。ごみ撤去費が国土交通省が算出した約八億二千万円よりも大幅に安い二億円から四億円程度で済み、値引き額は最大約六億円過大であったとの試算もあるようでございます。これまで政府は適正な価格で売却したとの答弁を繰り返してきましたが、答弁を変更されますか、お答えください。
 また、この本会議終了後参議院に提出される会計検査院の報告は、まさか資料が廃棄されているので積算の根拠が確認できないなどという唖然とするものではないでしょうね、お答えください。
 次に、加計学園問題について伺います。
 今月十四日、加計学園獣医学部の新設が文科大臣によって正式に認可されました。二〇一五年六月の閣議決定には獣医学部新設の四条件が示されていますが、内閣府は特区の認定をするだけ、文科省は学部新設を審査するだけで、四条件がどのように満たされたのか十分な根拠が示されておりません。政府は、国家戦略特区諮問会議の取りまとめの際に関係省庁で四条件の充足を確認したと答弁しています。それならば、なぜその後の大学設置審の審査で四条件の充足に関して多くの疑義が呈されたのか、安倍総理の認識を伺います。
 加計学園をめぐっては、加計学園関係者が国家戦略特区の会合に出席して発言していたことが議事要旨に記載されていないばかりか、内容が改ざんされたことが分かっております。また、官邸では面談記録すら保存されておらず、今治市の職員等が官邸で誰と何を話したのかが不明であるなど、分からないことばかりです。加計学園ありきで行政手続が進められたのではないというならば、議事要旨ではなくて議事録そのものを全面開示するとともに、官邸への出張記録の全面公開を今治市に求めることが必要だと考えますが、総理の見解を伺います。
 総理は、今国会では謙虚かつ真摯に対応されると伺っております。衆議院では従来に比して野党の質問時間を制限しようという動きが出ているようでありますが、これらの問題の真相解明に努力しておられる方々の要求にどのようにお応えになるのか、伺います。
 次に、公文書管理について伺います。
 通常国会での審議を振り返りますと、意図的な情報隠しとしか思えない政府の対応が次々と明るみとなりました。先ほどお尋ねした件にも関係しますが、財務省は、森友学園との国有地の売買契約に関する交渉記録を、行政文書管理規則に基づく歴史公文書等には該当せず、保存期間が一年未満であるとの理由で廃棄。また、政府は、加計学園に関する総理の御意向などと書かれた内部文書が文科省に存在することは認めたものの、個人のメモであり行政文書とは認めず。防衛省は当初、南スーダンPKOの日報は存在せず不開示と決定しましたが、その後、電子データの省内掲示板に公開されていた日報を、用済みになった個人資料であり行政文書には該当しないと説明。
 民進党は、パソコン上などの電磁的記録である行政文書や、当該行政機関以外の者との交渉が記録されている行政文書の保存期間を一年未満にできないようにすること等を盛り込んだ公文書管理法改正案をさきの通常国会で提出しました。自民党は総選挙の政権公約で「国民への情報公開、説明責任を全うするため、行政文書の適正な管理に努めます。」と約束しておられます。
 政府は、行政文書に関するガイドラインの改正でその場しのぎの対応をしようとしていますが、憲法二十一条を根拠とする国民の知る権利に関する事項なんですから、正々堂々と国会審議が必要な法改正で行うべきと考えますが、総理の見解を伺います。
 また、政府のガイドラインの改正で、行政文書に該当するか否かを、文書の作成又は取得の状況、当該文書の利用の状況、保存又は廃棄の状況等を総合的に考慮して実質的に判断されるとした場合は、これまでと同様に、都合の悪い場合は個人のメモだと言って廃棄が可能となってしまう、いわゆる行政組織において国民の知る権利よりも上司の意向をそんたくする文化があるとすれば、それを払拭できなくなるおそれがないでしょうか。行政のトップである総理のお考えをお聞かせください。
 総務省統計局の資料では、二〇一六年の二人以上世帯の消費支出は、一世帯当たり一か月平均二十八万二千百八十八円で、前年比名目一・八%減、実質一・七%の減少となっております。消費支出の対前年実質増減比は、二〇一四年二・九%減、二〇一五年二・三%減で、三年連続の実質減少です。安倍総理は華々しくアベノミクスなるものを吹聴しておられますが、消費低迷の原因をどのようにお考えでしょうか、答弁を求めます。
 私は、実質賃金が二〇一一年と比べ五%程度下がっていることに加え、国民の将来不安が大きいと考えます。財務省のホームページを拝見しますと、債務残高の対GDP比を見ると、一九九〇年代後半に財政健全化を着実に進めた主要国と比較して我が国は急速に悪化しており、最悪の水準、二〇一七年度で約二五三%となっています。また、平成二十九年度一般会計予算における歳入のうち、税収で賄われているのは約三分の二であり、残りの約三分の一は将来世代の負担となる借金、公債金収入に依存していますと書かれています。多くの国民の皆様は分かっているんです。
 安倍政権は大規模財政出動を繰り返してきただけでなく、二度にわたって消費税引上げ延期を行ってきました。このことが持続可能な社会保障制度構築への国民の不信を惹起し、将来への備えのために消費低迷に拍車を掛けたとは思いませんか。
 そもそも、消費税の引上げは社会保障と税の一体改革の中で決められたものです。社会保障の充実、安定化を図り、将来世代に過度な借金を押し付けないため、一体改革は着実に推進しなければならず、政争の具にはしてはいけないとの観点から、民主党、自民党、公明党の三党の合意に至った枠組みであります。しかし、安倍政権は、先ほど述べましたように、消費税引上げ延期と使途変更を二度の総選挙及び参議院選挙のまさに政争の具に仕立て上げることによって、当時の政党の責任者が苦労して積み上げた合意をずたずたに引き裂いてしまいました。このことは後世に大きな禍根を残したと私は痛感しておりますが、総理の御所見を伺います。
 本年六月、通常国会で天皇の退位等に関する皇室典範特例法が成立しました。民進党は、皇室のいやさかを祈念し、両陛下、皇族方のお気持ちを酌み取りながら、国家の基本に関わる象徴天皇制を支えるため引き続き努力してまいります。
 今朝、官房長官が会見で、本法施行日決定の前提となる皇室会議を十二月一日に開催することを発表されましたが、皇室会議の議長を務める総理はどのような方針で臨まれるのか、国民に明らかにしてください。答弁を求めます。
 本法は立法府の総意を受けて提出されており、政府は、天皇陛下の退位や新天皇の即位の儀式などの検討状況について適宜適切に各党会派に説明を行うべきと考えますが、見解を求めます。
 また、本法の採決に当たって附帯決議がなされていることを忘れてはなりません。それは、「政府は、安定的な皇位継承を確保するための諸課題、女性宮家の創設等について、皇族方の御年齢からしても先延ばしすることはできない重要な課題であることに鑑み、本法施行後速やかに、皇族方の御事情等を踏まえ、全体として整合性が取れるよう検討を行い、その結果を、速やかに国会に報告すること。」等であります。
 政府として、安定的な皇位継承を確保するための方策についてどのように議論を進めていくのか、国会への報告時期も含めて答弁を求めます。
 外交日程が一段落し、いよいよ国会で遅ればせながら実質的審議が始まりました。しかし、過日の所信表明で総理が大切な一文を読み飛ばすという珍事といいますか不祥事が発生をいたしました。与党の関係者の方々も扱いに苦慮されていると思いますが、国会軽視と言われないように、行政府の誠意ある対応を求めるとともに、総理の猛省を促します。
 今後、予算等各委員会において、総理ほか大臣と山積する諸課題、国際会議出席等の成果等について丁寧かつ十分な議論ができることを願いながら、質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 119515254X00520171122_014

発言者: 長浜博行

speaker_id: 32088

日付: 2017-11-22

院: 参議院

会議名: 本会議