河野太郎の発言 (外務委員会)
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○河野国務大臣 外務委員会の開催に当たり、御挨拶申し上げるとともに、主な国際情勢及び外交政策の所信について申し述べます。
我が国を取り巻く安全保障環境は大変厳しくなっています。中でも、喫緊の課題は北朝鮮問題です。北朝鮮は、核・ミサイル開発を執拗に継続しています。日米同盟のもと、米国の同盟国に対する拡大抑止の明確なコミットメントを高く評価します。
また、北朝鮮の核保有は断じて容認できず、あらゆる手段を通じ国際社会全体で北朝鮮に対する圧力を最大限まで高め、北朝鮮の政策を変えさせなければなりません。そして、北朝鮮に対する国際社会の圧力をてことしつつ、北朝鮮に拉致問題の早期解決に向けた決断を迫ってまいります。
日本を始めとするさまざまな国々は、既存の国際秩序の維持のため、従来以上に大きな責任と役割を果たさなければならない時代となりました。さまざまな外交課題に直面する中、日本としては、国際協調主義に基づく積極的平和主義の旗のもと、特に以下の六つの重点分野を中心に取組を強化してまいります。
一つ目に、日米同盟の強化及び同盟国、友好国のネットワーク化を推進します。
引き続き、首脳間に加え外相間でも緊密に連携し、日米同盟の一層の強化を図っていきます。また、普天間飛行場の辺野古移設を始めとする在日米軍再編を着実に進め、沖縄を始めとする地元の負担軽減に全力で取り組みます。
加えて、インド、豪州、英仏等欧州主要国など戦略的利益を共有する各国との枠組みや、ASEANを含めたアジア太平洋の地域協力等、同盟国、友好国のネットワーク化を推進します。
二つ目に、近隣諸国との協力関係を強化します。
日中関係は、最も重要な二国間関係の一つです。日中平和友好条約締結四十周年に当たる本年は、日中両国がともに国民レベルの交流を深め、相互信頼関係を強化する好機です。先月の私の訪中の際は、中国側との間で、日中首脳往来を着実に進めていくことの重要性を確認しました。
同時に、東シナ海における一方的な現状変更の試みは断じて認められず、引き続き冷静かつ毅然に対応します。
北朝鮮の脅威がかつてなく強まる中、日韓共同宣言二十周年の本年、日韓両国が困難な問題に適切に当たりながら、未来志向の二国間関係を築くことが重要です。
日韓合意は慰安婦問題の最終的かつ不可逆的な解決を確認した両国間の約束であり、韓国側も合意を着実に実施するよう、引き続き強く求めてまいります。また、日本固有の領土である竹島については、日本の主張をしっかり伝え、粘り強く対応します。
日本は議長国として、次回の日中韓サミットをお互いの都合のよい、できるだけ早い時期に開催し、日中韓協力のさらなる発展に向けて取り組んでまいります。
ロシアとは、北方四島における共同経済活動の実現に向けた取組を進めるとともに、元島民の方々のための人道的措置等も実施します。引き続き、北方四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結するとの基本方針のもと、粘り強く交渉に取り組みます。
三つ目に、自由貿易の旗振り役として、より一層積極的な役割を果たします。
TPP11及び日・EU・EPAの交渉妥結は、その大きな成果です。これらの協定の早期の署名、発効のため、最大限の努力を傾注します。これに加え、質の高いRCEP等の多国間の経済連携や、小規模経済を含む二国間の経済連携に取り組んでまいります。また、WTOを始めとする自由で開かれた国際経済システムを強化するためのルール形成に取り組みます。
また、日本企業の海外展開を支援しながら、日本経済の成長を後押ししていきます。さらに、エネルギー・資源外交、戦略的なビザの緩和と、日本の多様な魅力の発信を含むインバウンド観光の促進に尽力します。
二〇一九年、日本はG20サミットを主催します。G20議長国として、世界経済におけるリーダーシップを発揮すべく、政府一丸となって準備を進めます。
四つ目として、地球規模課題の解決への一層積極的な貢献をしていきます。
昨年まで二年間、日本は安保理理事国として、北朝鮮問題を始め国際的な議論を主導してきました。国際社会がますます増大する諸課題に対処できるよう、引き続き、日本の常任理事国入りを含む安保理改革の実現に取り組みます。
核兵器のない世界に向け、賢人会議の開催や核兵器不拡散条約の維持強化を通じ、立場の異なる国々の橋渡しを行い、現実的かつ実践的な取組を主導します。また、通常兵器の分野でも、本年は武器貿易条約の議長国として締約国会議を日本で開催し、通常兵器の不正な取引を規制する議論を主導します。
ODAの積極的かつ戦略的活用、パリ協定の着実な実施を含む気候変動問題への対応や、持続可能な開発目標の推進、テロ及び暴力的過激主義対策、科学技術外交、ユネスコの改革、女性の活躍推進、保健分野の推進等に積極的に取り組みます。
五つ目に、対中東政策を抜本的に強化します。
中東の平和と安定は、日本を含む世界の平和や経済の繁栄に直接かかわっています。日本の中東へのかかわり方を示す河野四箇条のもと、経済面のみならず、中東への政治的関与を強化し、その平和と安定に向け、一層の役割を果たしていきます。
六つ目に、自由で開かれたインド太平洋戦略をしっかり推進します。
法の支配に基づくインド・太平洋地域の自由で開かれた海洋秩序は、国際社会の安定と繁栄の礎です。
この戦略を具体的に推進するため、航行の自由や法の支配等の普及定着、国際スタンダードにのっとった質の高いインフラ整備などによる連結性の向上等を通じた経済的繁栄の追求及び海上法執行能力の構築支援等による平和と安定の確保を進めていきます。
以上の六つの重点分野において着実な成果を上げていくため、外交の実施を支える足腰を強固にすべく、総合的な外交力を強化するとともに、戦略的な対外発信に努めます。
外務大臣のもとに設置された国際テロ情報収集ユニットを通じた情報収集のさらなる強化に努めます。また、関係各国とテロ対策に関する協力を強化し、穏健化の促進等に取り組みます。これと並行して、国際協力事業関係者の安全対策を強化するとともに、日本企業や日本人旅行者を含め、在外邦人の安全確保に万全を期してまいります。
また、国際機関で活躍する日本人や海外に展開する日本企業等、日本の全ての力を集結し、世界各地の日系社会とも連携して、日本の国益や平和をしっかり守りながら、世界の平和と安定に貢献し、日本の影響力を増進していく考えです。
人類が近代につくり出してきた自由、民主主義、人権、法の支配といった価値観を定着させるため、各国外相等との信頼関係やネットワークを強化しながら、外交成果を上げるよう努力してまいります。
中山委員長を始め、理事、委員各位の御指導と御鞭撻を心からお願い申し上げます。