井上義久の発言 (本会議)
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○井上義久君 公明党の井上義久です。
私は、公明党を代表して、ただいま議題となりました安倍総理の施政方針演説等四演説に対し、総理並びに関係大臣に質問します。(拍手)
質問に入る前に、このたびの草津白根山の噴火により、訓練中に亡くなられた自衛官の方に謹んで哀悼の意を表するとともに、被害に遭われた方々に対し、心よりお見舞いを申し上げます。
政府においては、引き続き、取り残された人がいないか確認に全力を挙げるとともに、今後の火山活動や雪崩に対する監視警戒態勢を強化し、二次被害が起きないよう万全を尽くすことを強く要請いたします。
安倍総理は、今国会を働き方改革国会と位置づけ、長時間労働や不合理な待遇差の是正などに取り組み、誰もがその能力を存分に発揮できる抜本的な大改革に挑戦すると強い決意を述べられました。
少子高齢化が進み、労働人口が急速に減少している我が国にあって、日本経済再生に向けた最大のチャレンジは、働き方改革にあると思います。長時間労働の是正を始め、子育てや介護など、家庭の事情に応じた多様な働き方の実現は、日本の潜在力を掘り起こす大きなチャンスでもあります。
そのためには、社会保障を全世代型へと転換し、高齢者はもとより、子育てや介護との両立など、現役世代への支援を一層充実することが不可欠です。
さらに、正規、非正規間の待遇格差の是正やリカレント教育の充実など、一人一人が持てる能力を十分に発揮できるよう、あらゆる人に光を当てた、人への投資が求められます。
今こそ、働く人の立場や視点に立った改革を大胆に進め、日本経済のさらなる成長と分配の好循環をより確実なものとし、活力ある日本の未来を切り開こうではありませんか。
ことし三月には、東日本大震災の発災から七年を迎えます。復興は着実に進んでいますが、被災地では、いまだ約八万人の方々が避難生活を余儀なくされ、約四万人の方々が仮設住宅での暮らしを強いられています。一方で、風化は確実に進み、風評被害も続いています。
私たち公明党は、被災者お一人お一人が当たり前の日常生活を取り戻し、人間としての心の復興、人間の復興をなし遂げるまで、被災者に寄り添い、風化と風評被害という二つの風と闘い続けていくことをお誓い申し上げます。
以下、働き方改革並びに子育て支援、介護の充実、中小企業支援、防災・減災対策など、国民が直面している課題を中心に、政府の具体的な取組について質問いたします。
働き方改革について質問します。
時間外労働に罰則つき上限規制を設けることや勤務間インターバル制度の普及促進などの長時間労働の是正や、不合理な待遇差の解消を目指す同一労働同一賃金といった働き方改革の実現に向け、今国会での法改正に政府・与党を挙げて全力で取り組まなければなりません。
教員の長時間勤務の実態も危機的状況にあり、看過することはできません。
昨年、公明党は、教員の働き方改革検討プロジェクトチームを立ち上げ、長時間勤務を是正するための教職員定数の拡充や学校現場における業務の適正化等の提言を行っています。
それを受けて、来年度予算案には、教員にかわり部活指導や大会への引率に当たる部活動指導員の配置費用の補助など、教員の働き方改革を前に進める施策が盛り込まれています。
今後、勤務時間の上限を示したガイドラインの策定や、教員の勤務実態を十分に反映した教職調整額の見直しを含む処遇のあり方等について検討を行うなど、教員の働き方改革を更に進めるべきです。
働き方改革に対する総理の決意並びに教職員の長時間勤務の是正について答弁を求めます。
子育て支援について質問します。
今では当たり前になった教科書の無償配付を始め、児童手当や妊婦健診の公費助成、出産育児一時金の拡充など、公明党が提案し、実現してきた子育て支援策は数多くあります。
二〇〇六年に、公明党は、子供が幸せな社会はみんなが幸せな社会との考え方に基づき、子育てを社会全体で支えるチャイルドファースト社会を目指して、党独自の政策提言、少子社会トータルプランを発表しています。
現在、政府・与党を挙げて取り組んでいる幼児教育の無償化や待機児童の解消、給付型奨学金の創設などは、公明党が、この政策提言をもとに、これまで十年以上にわたって実現を訴え続けてきた政策です。
子育てに係る経済的負担の軽減や、働きながら子育てできる環境の整備など、子育てを社会全体で支える政策の実現は、少子高齢化を克服する道にも通じると私たちは考えています。
また、公明党は、人への投資が未来を開くとの考え方に立ち、経済的な事情に関係なく、希望すれば誰もが必要な教育を受けられる社会を目指しています。
政府は、昨年末、閣議決定した新しい経済政策パッケージにおいて、三歳から五歳児までの全ての幼稚園、保育所、認定こども園の費用を無償化することを決定しました。対象範囲については、更に、障害福祉サービスや認可外保育施設、預かり保育も支援の対象とするなど、現場の実態を踏まえた丁寧な検討が求められます。
ゼロ歳から二歳児については、保育の受皿整備や保育士の待遇改善など、待機児童解消への取組とあわせ、着実に無償化を進めるべきです。
政策パッケージには、公明党が訴えてきた私立高校授業料の実質無償化も盛り込まれ、年収五百九十万円未満の世帯を対象に実現することが決まりました。政府に対し、安定的な財源を確保し、確実に実施するよう求めます。
また、経済的な事情によって大学などへの進学を諦めずに済むよう、二〇一八年度から本格的に実施される返済の必要のない給付型奨学金について、多子世帯や中所得世帯にも十分に配慮した給付額、対象人数に拡充するとともに、授業料減免についても大幅に拡大すべきです。
教育負担の軽減について、総理の答弁を求めます。
子育て世帯の中でも、一人親世帯は特に厳しい状況に置かれています。
厚生労働省の調査によれば、母子世帯の収入は、二〇一一年に行った前回調査からは改善はしているものの、依然として、児童がいる世帯全体の収入に対し、半分にも満たない状況です。
それに加えて、未婚の一人親世帯の場合はより厳しい現実があります。
例えば、所得税や住民税の寡婦控除の対象は、配偶者との死別や離婚した一人親世帯のみで、未婚の一人親世帯は対象外になっています。このため、税負担はもとより、それに基づき計算される保育料などの負担も重くなっています。
公明党は、これまでも寡婦控除の適用拡大を粘り強く訴え、地方議会でも寡婦控除のみなし適用の実現に取り組んできました。
二〇一八年度の与党税制改正大綱では、公明党の主張を反映し、未婚の一人親世帯への税制上の対応について、一九年度改正で検討し、結論を得ることになっていますが、未婚の一人親世帯にも寡婦控除を認めるべきです。
また、離婚後の養育費の不払いも深刻です。離婚した父親から養育費を受け取っている母子世帯は四人に一人を下回っており、改善に向け、早急に取り組むべきです。
貧困世帯、中でも、とりわけ厳しい状況にある一人親世帯の貧困の連鎖を断ち切るために、よりよい条件での就職、転職を可能とする学び直しや子供の学習支援、社会保障の強化など、トランポリン型セーフティーネットを充実すべきです。
一人親世帯への支援について、総理の答弁を求めます。
子育てや教育の現場では、医療の進歩に伴い、たんの吸引や人工呼吸器の装着が必要であったり、チューブによる栄養補給などが日常的に欠かせないなど、医療的ケアを必要とする子供がふえています。こうした医療的ケア児は、全国に一万七千人いるとされています。こうした子供たちが安心して学び、生活できるよう、学校での支援体制や在宅支援を早期に充実すべきです。
医療的ケア児の支援について、総理の答弁を求めます。
財政健全化について質問します。
少子高齢化を克服するため、来年十月に引き上げる予定の消費税財源を活用し、社会保障制度を、高齢者も子育て世帯も安心できる全世代型の社会保障制度へと大きく転換しますが、同時に財政健全化も確実に実現しなければなりません。
団塊の世代が後期高齢者となる二〇二五年に向け、増大する医療や介護などの社会保障費を安定的に確保しつつ、将来世代の負担を抑制する財政健全化への取組は極めて重要です。歳出歳入改革を徹底し、中長期的な視野で着実に財政再建を進める不断の取組が欠かせません。
新たな財政再建計画の策定を含め、今後の財政健全化の道筋について、総理の答弁を求めます。
介護について質問します。
公明党は、高齢者がたとえ要介護状態になっても、住みなれた地域で自立した生活を送り続けることができる社会を目指しています。都道府県が策定する地域医療構想と地域包括ケアシステムとの一体的な取組を推進してきたのもその一環です。これにより、在宅医療や在宅介護サービスの提供体制が進み、医療の現場も病院から地域へと広がり始めています。
しかし、高齢化のさらなる進展を考えれば、医療、介護、住まい、生活支援サービス等を地域の中で一体的に受けられる地域包括ケアシステムの構築が急がれます。
特に、医療と介護サービスのネットワークが鍵となります。そこで重要なのは、二〇一八年度の診療報酬と介護報酬の同時改定です。
例えば、医療的ケアが必要だが入院するほどでもないというような高齢者が、自宅を始め、医療サービスが限定されている特別養護老人ホームなどでも生活ができるようにする対応が必要です。
また、今後増加が見込まれる慢性期の医療・介護ニーズに対応するため、現行の介護療養型病床にかわり、医療と生活の場を一体的に提供する介護医療院へとスムーズに移行できるかどうかは、今後の具体的な基準や報酬が大きなポイントとなります。
診療報酬と介護報酬の同時改定について、総理の答弁を求めます。
認知症患者は年々ふえ続けています。二〇一五年に五百二十五万人だった認知症患者は、二〇二五年には七百万人を突破すると予想されています。認知症は誰でも発症する可能性があり、誰もが要介護者に、また介護者になり得ます。
公明党は、認知症対策の充実、加速化を目指し、昨年八月、党に認知症対策推進本部を設置し、当事者や家族、有識者などと精力的に意見交換を行い、十二月に政府に提言を行っています。
提言では、特に、認知症患者の意思が最大限尊重されることが大切であり、医療や介護の一方的な提供ではなく、本人のこうしたいという意思決定を支援することが重要であると訴えています。
認知症患者の意思決定支援のあり方についてガイドラインを策定し、普及を図るべきと考えます。
また、政府が策定した国家戦略となる新オレンジプランには、認知症患者や家族の相談体制の充実や地域の見守り体制整備の強化、創薬等の強力な推進など、多岐にわたる幅広い施策が盛り込まれていますが、これらを政府を挙げて総合的に進めるためにも、認知症施策推進基本法を制定すべきと考えます。
認知症対策の推進について、総理の答弁を求めます。
政府は、特別養護老人ホームを始め、グループホームや小規模多機能型居宅介護事業といった在宅・施設サービスの整備を加速化し、二〇二〇年代初頭までに新たに五十万人分の介護の受皿を用意することとしていますが、介護人材の確保は最大の課題です。
介護人材を確保するため、私たち公明党も介護職員の処遇改善を提案し、これまでに自公政権で月額四万七千円の改善を実現してきました。
政府の新しい経済政策パッケージでも、介護サービス事業所で働く勤続年数十年以上の介護福祉士に月額八万円相当の処遇改善を行うこととしていますが、処遇改善の対象は介護福祉士だけではなく、他の介護職員の処遇改善にも充てられるよう柔軟な運用を認めることとしています。
介護職の給与水準は他の業種と比較して低く、離職率も高いため、引き続き、賃金格差の解消など待遇改善に全力で取り組まなければなりません。
介護人材の確保について、総理の答弁を求めます。
がん対策について質問します。
長寿命化が進む中、国民の命と健康を守る上で、がん対策の強化は極めて重要です。
昨年十月に閣議決定された第三期がん対策推進基本計画に掲げられているがん予防、がん医療の充実、がんとの共生の三本柱の着実な推進が求められています。
がん予防については、たばこを吸わないことが最も効果的ながん予防とされ、徹底した受動喫煙防止対策が必要です。また、医師等の外部講師の活用による、がん教育の全国展開にも取り組むべきです。
がん医療の充実については、がんゲノム医療や免疫療法など、がん研究を強力に推進すべきです。
がんとの共生については、就労や生活支援の取組が重要です。中でも、病気で休業中に生活を保障する傷病手当金制度の使い勝手をよくすべきです。また、医療者への緩和ケア研修の充実が不可欠と考えます。
がん対策について今後どのように進めていくのか、具体的な計画について、総理の答弁を求めます。
中小企業支援について質問します。
我が国の経済は、足元で二十八年ぶりとなる七四半期連続のプラス成長。四年連続の賃上げや、有効求人倍率など各種の指標も経済再生の加速を裏づけており、デフレ脱却に向けて、その歩みは確実に進んでいます。
ことしこそ、デフレ脱却を確実にする一年にするためにも、家計所得をふやす賃上げへの取組が重要です。総理が三%の賃上げを経済界に要請する中、春闘も本格的にスタートしました。政府としても、引き続き、賃上げの実現に向け、後押ししていただきたいと思います。
賃上げを更に持続的で力強いものにしていくためには、企業の生産性向上が不可欠です。特に、我が国の経済を縁の下で支え、雇用の七割を占める中小企業の生産性向上が今後の鍵です。
公明党は、この視点から、設備投資やITツールの導入を支援するものづくり補助金やIT導入補助金の拡充を推進してきました。
その結果、今年度の補正予算では、ものづくり補助金とIT導入補助金を前年より六百三十億円上乗せしており、より多くの中小企業が活用できるようになります。
また、税制面からも中小企業の投資を積極的に促すため、新たな設備投資に対する固定資産税の税率を二分の一から最大ゼロにできる制度を創設することにしております。
これによって、赤字の中小企業でも、設備投資の促進が図られるようになります。
足元の経済状況を絶好のチャンスと捉え、今こそ中小企業が生産性を高め、足腰の強い経営体質へと転換できるよう、強力に支援すべきであります。
一方で、経営者の高齢化が進む中小企業の事業承継の支援強化が喫緊の課題になっています。
来年度の予算案、与党税制改正大綱では、今後五年程度を事業承継支援の集中実施期間と位置づけ、事業承継する際の贈与税、相続税の現金支払い負担をゼロにするとともに、世代交代する中小企業が新しいチャレンジをするための設備投資への補助金制度を大幅に拡充するなど、予算、税制を活用し、円滑な事業承継を後押しすることにしております。
地域経済を牽引する中小企業の生産性革命と事業承継の支援について、総理の答弁を求めます。
農林水産業の持続的発展に向けた取組について質問します。
TPP11、日・EU経済連携協定などを受け、我が国の農林水産業は新たなステージを迎えています。生産者が安心と希望を持てるよう、国内対策を着実に実行し、世界に誇れる成長産業を構築するチャンスにしなければなりません。
その鍵は、若い人材の確保と育成です。
農業については、就農の準備段階から実際の就農開始、そして経営が確立するまでの一連の流れに寄り添う支援が不可欠です。次世代の農業を担う人材へ大胆に投資し、若手農業者の育成にスピード感を持って取り組むべきです。
こうした新規就農者を始め、農家が安心して生産に励むためには、それを支えるセーフティーネットが不可欠です。公明党が強く後押ししてきた収入保険制度が来年一月からスタートしますが、現場への丁寧な周知と加入促進に努めるよう求めます。
漁業についても、新規就業者など担い手の育成が重要です。
高性能の漁船や漁業用機器の導入により競争力を高めるとともに、国内消費とさらなる輸出の拡大に向けて、戦略的に支援すべきです。
林業については、森林資源を適切に管理しつつ、有効に活用していくことが喫緊の課題です。
平成三十年度の与党税制改正大綱では、市町村が実施する森林整備の財源として、森林環境税の創設を決定しました。現場の声を十分に踏まえて制度設計し、森林資源の適切な管理と林業の成長産業化へとつなげるべきです。
農林水産業の持続的な発展には、中山間地域や離島など、条件不利地域への支援が欠かせません。地域の特色を生かした取組を力強く後押しすべきです。
農林水産業の持続可能な発展について、総理の答弁を求めます。
防災・減災対策の強化、社会インフラの整備について質問します。
地震や台風、豪雨など、我が国はどの地域も自然災害と隣り合わせで生活していると言っても過言ではありません。昨年は、九州北部豪雨や台風二十一号などの局地的豪雨により、都道府県が管理する中小河川が各地で氾濫し、多くの被害が発生しました。
政府は、昨年、全国約二万と言われる中小河川の緊急点検を実施。優先的に対策が必要な全国各地の中小河川において、土砂、流木対策や水位計の設置など新たな治水対策の実施が進められることになりました。
防災・減災対策は待ったなしです。地方自治体の取組が着実に進むよう、政府は、地域、現場の課題などにも十分目配りをしながら、スピード感を持って対応していただきたい。
道路や橋、上下水道、学校施設など、地方における社会インフラの整備は、安全、安心の国土をつくり、国民の命と生活、財産を守る防災・減災対策に直結しています。また、生活の利便性、生産性の向上をもたらすとともに、地方経済に活力と成長をもたらし、雇用促進にもつながります。まさに地方創生のエンジンでもあります。
公明党は、防災・減災ニューディールの視点から、インフラの長寿命化、老朽化対策を推進してきたほか、中長期にわたって経済を成長させるストック効果を重視し、社会インフラの整備を推進してきました。
地方の社会インフラ整備を進めるためには、防災・安全交付金や社会資本整備総合交付金など、地方が自由に活用できる交付金のさらなる予算の拡充が必要です。
地方の防災・減災対策の推進、社会インフラの整備について、総理の答弁を求めます。
発災から七年がたち、東日本大震災からの復興の現場では、被災者や地域のニーズが多様化しています。それに対応したきめ細かな支援がますます重要な段階となっております。
二重ローン問題を抱える被災事業者の債務負担を引き続き軽減し、再生を支援していくため、今国会に提出予定の東日本大震災事業者再生支援機構法の改正案を早期に成立させることが必要です。
また、被災者の生活再建支援のため、収入にかかわらず、無料法律相談や裁判等に要する費用の立てかえ等を行う法律援助事業についても、法テラス震災特例法改正案を早期に成立させ、事業終了後の四月以降も継続すべきです。
福島では、昨年、帰還困難区域を除くほぼ全ての地域において避難指示が解除されました。また、帰還困難区域についても、双葉町、大熊町、浪江町において、住民の帰還等を目指した新たなまちづくりに向けた復興拠点の整備がスタートしました。
帰還される方はもちろんのこと、いまだ避難生活を余儀なくされている方々が住宅やなりわいを再建し、人間の復興を果たすため、まさにこれからが正念場です。引き続き、被災者にしっかりと寄り添いながら、支援に取り組まなければなりません。
また、風評被害対策も喫緊の課題です。
特に、福島県産の農産物については、食品安全を含めた生産工程管理の認証制度、GAP取得を全力で後押しするとともに、安心、安全の福島ブランドの育成と普及、アピールを促進していくべきです。
放射線についても、国が前面に立って、国内外への正しい情報発信を強力に推進すべきです。
さらに、新産業を創出し、福島再生の鍵を握る福島イノベーション・コースト構想の取組も加速させることが求められます。
東日本大震災からの復興加速、福島の再生について、総理の決意を伺います。
所有者不明土地対策について質問します。
所有者不明の土地は全国各地でふえ続けており、その対策が急がれます。
この問題が顕在化したのは東日本大震災でした。住宅の高台移転の際に、所有者不明の土地が相次いで確認され、事業のおくれが深刻な問題になりました。
今国会では、こうした所有者不明の土地の有効活用に向け、新法の提出が予定されています。
法案には、所有者不明の空き地に十年以内の利用権を設け、広場や公園など公益性のある事業に使えるようにしたり、国や地方自治体が土地取得のために行う調査手続の簡素化などが盛り込まれております。
利用権の設定は、こうした所有者不明土地をめぐるさまざまな課題に本格的なメスを入れる第一歩になると期待されています。
しかし、これだけでは不十分です。国民の意識改革や不要土地の受皿づくり、相続登記の促進など、抜本的な解決に向けた議論を深める必要があると思います。
所有者不明土地問題について、石井国土交通大臣の答弁を求めます。
我が国の安全保障について質問します。
我が国を取り巻く安全保障環境が一段と厳しさを増す中で、いかなる事態にあっても国民の命と平和な暮らしを守り抜くことは政府の責任です。
そのため、来年度予算案には、安全保障環境の変化に対応し、弾道ミサイルを要撃する陸上配備型イージスシステムや、敵の射程外から発射できる射程距離の長いスタンドオフミサイルの導入が盛り込まれています。
これに対して、周辺諸国からの反発や、一部に敵基地攻撃が可能になるのではないかとの指摘があります。
ここで、我が国防衛力の整備について、これまでの基本的な方針である専守防衛や、日米安保条約のもとでの盾と矛の日米の役割分担という考え方に変わりがないことを改めて確認しておきたいと思います。
日本の安全保障の基本的な考え方について、総理の答弁を求めます。
日中関係の改善について質問します。
昨年の日中国交正常化四十五周年と本年の平和友好条約締結四十周年を節目に日中関係が改善されつつあることは、日中両国にとっても、また東アジアの平和と安定にとっても大いに歓迎すべきことと思います。
昨年末、私は、自民党の二階幹事長とともに訪中し、第七回日中与党交流協議会に参加をいたしました。習近平国家主席らとも会談し、日中関係の改善に向け双方が努力することを改めて確認できたことは大きな意味があったと思います。
交流協議会では、中国が提唱する一帯一路構想に関し、具体的な協力の検討や、観光、ビッグデータ、IoTなどについて二国間の実務協力を強化すること、日中企業間のさらなる協力の推進、朝鮮半島問題について、ともに努力して平和的解決に結びつけていくこと等を盛り込んだ提言をまとめました。
政府としても、この提言を積極的に受けとめ、日中間の交流促進や協力関係の強化などに取り組んでいただきたいと思います。
日中関係改善に向けた総理の決意を伺います。
最後に、一言申し上げます。
今、我が国は、少子高齢化、人口減少という大きな課題に直面していますが、今後、ヨーロッパ諸国や隣国の韓国、中国などでも同じ課題に直面することは確実です。
したがって、日本が少子高齢化、人口減少という課題を乗り越え、活力を将来にわたって持続することができれば、それらの国々にとって貴重な先進事例になることは間違いありません。
今こそ、日本の潜在力を大いに発揮し、ピンチをチャンスに変え、世界の最先端を走る課題解決の先進国として世界に大きく貢献するときではないでしょうか。
自公連立政権、安倍内閣が発足して五年。自民党と公明党の安定した政権基盤のもと、力強い日本経済の再生や地方創生、社会保障の安定、復興の加速、防災・減災対策などに着実に成果を上げてきました。
今後、更に、働き方改革の断行や生産性革命、全世代型社会保障制度の構築などに全力で取り組み、誰もが生活に張りを持ち、その能力を十分に発揮できる時代、社会を切り開いていかなければなりません。
公明党は、あらゆる課題解決に真っ正面から向き合い、これまで以上に、現場の課題は何か、それを真剣に受けとめ、我が党に求められている国民の期待にしっかりと応えていくことをお誓い申し上げ、私の代表質問を終わります。
御清聴、大変にありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕