下地幹郎の発言 (本会議)

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○下地幹郎君 日本維新の会の下地幹郎です。
 我が党を代表して、安倍総理に質問をいたします。(拍手)
 まず初めに、一昨日発生した草津白根山の噴火により、訓練中の陸上自衛隊員が死傷されました。お亡くなりになられました陸上自衛隊員に哀悼の意をあらわすとともに、被害に遭われた皆様に心よりお見舞いを申し上げます。
 本年は、平成三十年は、明治維新から数えてちょうど百五十年目の年に当たります。明治維新とは、言うまでもなく、幕末から明治新政府の樹立を経て実施された大改革であります。その範囲は、中央の行政の組織、法制、身分制、地方行政、金融、流通、産業、経済、文化、教育、外交、宗教に至るまで、万般にわたるものとなりました。
 そうした大改革をなすことができたのは、もちろん、坂本龍馬、西郷隆盛、大久保利通、木戸孝允といった政治リーダーの存在も重要ですが、社会のあらゆる分野で改革を支え担った市井の人々の数限りない努力の積み重ねがあったからだと私たちは考えています。
 幕末の思想家であり、同時代の精神的指導者、教育者でもあった吉田松陰は、こうした地方の改革の積み重ねの大切さをこう表現しました。一人の策を積みて一家の策をなし、一家の策を積みて一国の策をなし、一国の策を積みて天下の策をなす。御努力これを祈る。
 まさに、地方から生まれた唯一の国政政党日本維新の会の、その母体である地域政党大阪維新の会が支持者の皆様とともに実現してきた橋下、松井、吉村改革がそこにあります。そうした地方の改革を積み重ね、それらを国政につなげ、全国の大改革に広げていくことが私たち日本維新の会の使命であると、ここに改めて宣言をしたいと存じます。
 ことしの秋に大阪市で実施を目指している大阪都構想の住民投票は、国会での特別立法があったからこそ実現することができます。
 思い起こせば、日本維新の会の結党に先立ち、平成二十四年八月末に成立した大都市地域特別区設置法は、指定都市と道府県との間で深刻化する二重行政を解消するために、共産党と社民党を除く超党派七会派によって共同提出され、可決、成立しました。
 安倍総理に伺います。
 大都市における効率的、効果的な行政を実現するために、指定都市と道府県との間のいわゆる二重行政の解消を図ることは重要であり、現在も、その重要性が増すことはあっても減ずることはないと考えますが、総理の認識をお聞かせください。
 平成二十七年五月に初めて住民投票が大阪市で実施された際には、大阪市を廃止するという変化そのものへの不安や抵抗感もあり、賛成六十九万四千八百四十四票に対し、反対七十万五千五百八十五票という、わずか一万七百四十一票、得票率では〇・八%の僅差で否決されました。
 しかし、今後、住民投票では、平成二十六年五月に成立した改正地方自治法に基づく総合区とも比較をして、有権者に判断していただくことになります。総合区はあくまでも行政区ですが、特別区では、区長を選挙で選ぶことにより、真の住民代表機関が実現します。しかし、こうした住民自治強化に大阪自民党のみならず左派政党がこぞって反対しているのは、滑稽で仕方ありません。
 また、総合区では二重行政が温存されますが、特別区では、指定都市と道府県とがそれぞれ担っている広域行政に係る意思決定を一元化することができるので、二重行政が解消され、大都市行政の司令塔が一本化されます。
 特に大阪では、かつての東京と同じように、人口や事業所の集積が大阪市域を超えてほぼ府域全体に広がる中で、指定都市たる大阪市が、必ずしも大阪という大都市圏にとって最適な事業を実施することができないという深刻な問題を抱えていました。社会経済的なまとまりである都市圏と意思決定の単位である自治体の領域に大きなずれが生じ、拡大を続けてきたのです。かつての東京市を廃止したときと同じように、大阪市を廃止して、広域行政の意思決定を府に一元化することが必要になっているのです。
 既に二十都市に拡大している指定都市制度も、創設から六十年余りが経過しました。多様な選択肢を政府が用意し、それぞれの地域がみずからの手で成長の基盤たる大都市制度を選び取っていくことがますます重要になってくると考えますが、総理の御見解をお伺いします。
 橋下知事が誕生してから、明後日、二十七日でちょうど十年。大阪では、橋下、松井改革と松井、吉村改革を通じ、大阪府知事と大阪市長とが一体となって行政を遂行することが当たり前になり、その成果も具体的な数字となってあらわれてきました。
 府市一体の大阪観光局を創設して取り組んできたインバウンドについても、世界の主要百三十二都市の中で大阪が渡航先急成長ランキングで二年連続世界第一位であります。東京が六位ということを見ると、その成果は明らかであります。
 大阪都構想は、これまで大阪維新の会という地域政党、さらには、知事と市長との人間関係をベースに実現してきた大阪府、大阪市の意思決定の一元化を行政機構、統治機構として制度化するものであり、ことしの秋にも、改めて住民投票を実施して実現してまいりたいと考えております。
 さて、ことしの最大の政治課題は、憲法改正でございます。
 日本維新の会は、特定のイデオロギーの表現のためではなく、政策的な課題を解決するため、その時代に即して、国民の判断のもと、憲法を見直していくべきだと考えています。
 第一は、中央と地方の関係です。
 憲法には道州制を規定することにより、中央政府の役割を外交、そして防衛などに絞り、産業や医療、福祉、そして教育などは、より住民に近い地方自治体で行うべきです。
 道州制が国をばらばらにするという批判は一部にありますが、これは誤解です。我が国には内憂外患がありますが、国は外患に備え、国民の生命と財産を守るための外交、安全保障やマクロ経済運営に専念し、また、地方においては、少子高齢化の対応を始め、内憂に対処する。道州制改革は、まさに、日本の繁栄を次世代へと引き継いでいくための基盤となる大改革となるのです。
 五年前の第二次安倍政権の発足当初は、安倍総理から道州制導入への言及もあり、私たちも期待しました。最近は聞かれなくなりましたが、道州制や国の出先機関の改革など、どう進めていくのか、あるいは進めないのか、明確な答弁を求めます。
 第二は、教育の無償化です。
 激動する世界の中で、日本の国力をアップし、その繁栄を維持していくには、教育が最重要です。どんな家庭であっても望む教育を受けられる仕組み、これを今こそ国の一大方針として憲法に規定してまいりたいと思います。
 昨年の出生数は九十四万人、二年続けて百万人を割り込みました。少子化対策の必要性は以前から叫ばれていますが、政府の政策はびほう策ばかりです。子供たちを産まない最大の理由の一つが教育費ということを考えると、教育の無償化により、子育て世代に重くのしかかっている教育負担を解消する必要があるのです。
 憲法には既に教育無償の規定があることを考えれば、これを拡大し、抜本的な少子化対策に資するものとすることが大事と考えますが、総理のお考えをお聞かせください。
 幼児教育を無償化するに当たり、待機児童を解消することは当たり前のことです。私たちは、総理が表明された三十二万人では足りないと考えています。
 そもそも、待機児童の問題が叫ばれるようになって二十年以上が経過したにもかかわらず、一向に解決しないのは、こうした政府の目標が間違ってきたからです。今回の三十二万人も、顕在化した利用申込みをベースに推計したものであり、本来の国民のニーズからは乖離しているおそれが大きいと思われます。
 そこで、改めて伺いますが、これまでの政府の目標は本来の国民のニーズから乖離しているのではないですか。特に、無償化の効果を加味していないのではないでしょうか。総理の認識をお答えください。
 そもそも、私たちは、待機児童問題について、国が目標を設定し対策を講じること自体がナンセンスだと言い続けてきました。全国の八割の自治体は待機児童ゼロ、待機児童の七二%は首都圏と大阪に集中しています。だからこそ、待機児童対策は、目標や制度を国がつくるのではなくて、首都圏と近畿圏の一部の自治体がそれぞれ全責任を持って取り組むことが大事なのです。
 国がやるべきことは、幼児教育の無償化を地方自治体に義務づけることだけ。財源は、自治体みずからが行政改革を通じて捻出をする。大阪維新の会の首長は、そのようにして幼児教育の無償化を実現しています。
 そして、保育所に係る権限は現場に任せ、制度、ルールは、住民ニーズを最も理解している自治体から決めるようにせねばなりません。
 面積基準、保育士以外でも能力のある人材の活用など、人員配置基準等の規制緩和を求めた大阪府、大阪市の特区提案が全く検討されていないのはなぜでしょうか。お答えをください。
 以上、私たちは、地方分権と教育無償化の二つを憲法改正の原案の柱に位置づけている理由は、深刻の一途をたどっている少子高齢化の大きな波を乗り越え、繁栄した日本を次の世代に引き継ぐためです。
 日本維新の会の憲法改正原案の第三の柱は、憲法裁判所の創設です。
 三年前の平和安全法制を審議した安保国会を思い起こせばわかるように、今の日本の統治機構のもとでは、内閣が憲法解釈を変更し、立法府の過半数が可決した法律の合憲性について、誰が判断するのか、誰が判断できるのか、よくわからなくなっています。本来は、やはり全ての法律、行政行為については、憲法適合性の最終判断を有する憲法裁判所を設置すべきだということが私たちの考えです。
 そもそも維新は、安保国会において、いわゆる平和安全法制に規定される存立危機事態の内容が広範囲過ぎるとの考えから、米軍等防護事態を柱とする独自の自衛隊改正案を国会に提出し、政府提出の平和安全法制に反対しました。
 こうした一貫した立場から、日本維新の会は、自民党が検討する憲法九条改正の発議に先立って、平和安全法制の改正を与党に求めてまいります。現在の平和安全法制を前提に憲法九条の改正の国民投票を行っても、広く国民の理解を得ることは困難だと考えるからです。
 そこで、安倍総理に伺います。
 政府・与党が成立させた平和安全法制について、私たち日本維新の会とともに改正の要否について改めて協議をする考えはありませんか。
 北朝鮮の脅威が高まっている現下の安全保障環境だからこそ、日米同盟を基軸とした自衛隊の活動を支えるのに必要十分な維新提案の米軍等防護事態の考え方をベースに自衛隊法を再改正し、そして、速やかに憲法九条に自衛隊を規定するための国民投票を実施する。政府・与党の真摯な対応を心から期待いたします。(発言する者あり)求めてあります。
 本来の憲法制定権力である日本国民が直接憲法論議に参加できなかったという現在も続く不自然な事態を一刻も早く解消し、憲法を国民の手に取り戻さなければなりません。
 大都市行政のあり方と地方の分権、高等教育を含む教育の無償化、平和安全法制と憲法九条、これらの三つを軸に、両院の憲法審査会をフル回転させ、憲法改正の発議に向けた協議を前に進めていこうではありませんか。
 自民党総裁として、安倍総理に、憲法改正の発議に向けた決意と優先的な検討テーマについての御見解をお伺いいたします。
 次に、安全保障に関連し、防衛施設周辺における外国人や外国資本による土地の取得について伺います。
 日本にも外国人土地法が存在しますが、政府の不作為により、外国人による土地取得が大規模に行われており、国民の安全な生活を脅かす深刻な問題が生じています。
 昨年の通常国会で安倍総理は、我が党の丸山穂高議員の質問に応じ、政府としては、自衛隊施設や米軍の安全保障上の重要性に鑑み、いかなる施策が必要か検討を行ってまいりたいと答弁されましたが、その後の検討状況はどうなっているのか、説明をいただきたいと思います。
 私たち日本維新の会は、これまでに、安全保障上重要な土地取引の規制法案等を国会に提出してまいりました。これは、防衛施設周辺の土地や国境離島など安全保障上重要な土地の取引を規制し、我が国の平和と安全の確保を図るための法案であります。与党と連携しながら成立したい、その思いを伝えさせていただきます。
 最後に、議員特権、議員年金の復活についてお伺いします。
 地方議員年金は、積立金が枯渇して制度が破綻する見込みになったため、平成二十三年六月に廃止されました。しかし、自民党を中心に、地方議員年金復活の動きがあると仄聞します。
 しかし、そもそも地方議員も国民年金に入れるのです。商店等の経営者は皆、国民年金に加入しています。なぜ非常勤の議員だけが役所の、厚生年金の共済に入らなければならないのか、理解に苦しみます。
 国民年金では足りないというのであれば、それは議員年金の問題ではなく、国民年金という年金制度一般の問題です。国民が直面している低年金の問題を放置したまま、議員だけが特別に公費負担の年金制度をつくるというのは、まさに、先憂後楽ならぬ先楽後憂であり、日本維新の会としては、絶対に認めるわけにはいきません。
 地方議員年金は廃止されたものの、既存の支給者への年金支給額は、現在も続いており、公費負担は一兆一千四百億円にも上ります。
 地方議員のなり手がいない等の問題を挙げる向きもありますが、そうであれば、議員特権を拡大するのではなく、公職選挙法を含めた議員制度全般の改革をしなければならないのではないでしょうか。安倍総理のお考えを伺います。
 例えば、知事や市長といった首長には居住要件がないにもかかわらず、地方議員には居住要件を課しています。小さな市町村を出て大都市で生活している方々の中には、居住要件をなくして時間的制約も減らせば、ふるさとの行政に対して議員として貢献したいという方も必ずおります。
 国民の皆様には増税を強いておきながら、政治家の議員特権の拡大には奔走する。日本維新の会は、こうした古い政治に断固として反対を貫いてまいります。
 憲法制定から七十年が経過する中で、我が国の社会構造は大きく変化し、あらゆる制度に変化が求められています。急速に進む少子高齢化、東京一極集中、教育格差、経済格差による貧困の連鎖などの課題は、これまでの政治、行政の延長線上の政策では決して解決できません。
 日本維新の会は、既存の枠組みを超えた抜本的な改革の実現に向けて、今国会も獅子奮迅の働きをしていくことを国民の皆様に約束し、私の代表質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕

発言情報

speech_id: 119605254X00320180125_013

発言者: 下地幹郎

speaker_id: 12665

日付: 2018-01-25

院: 衆議院

会議名: 本会議