古本伸一郎の発言 (本会議)
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○古本伸一郎君 希望の党の古本伸一郎でございます。
希望の党・無所属クラブを代表し、消費税と財源確保を中心に質問してまいりたいと思います。(拍手)
私からも、冒頭、豪雪災害で被災された皆様にお見舞い申し上げますと同時に、救助に当たられておられます警察、消防、自衛隊、関係機関に敬意を表する次第であります。国会としても、一刻も早い復興復旧に向けて努力してまいることをお誓い申し上げます。
幼児教育の無償化など、人への投資は財源がなければ実現できません。
二〇一四年十二月、当時の安倍総理は、翌十月に予定されていた消費税率一〇%への引上げの延期を問うと解散され、勝利されました。
多くの有権者は、消費税の延期に魅力を感じて投票したわけではないと思います。税はそう簡単に決められるものではない、そう思うからであります。
安倍総理は、二〇一六年の参議院選で二度目の延期を公約され、社会保障財源を赤字国債に頼る財政を続け、結果として更に悪化しました。
麻生大臣に伺います。
消費税率一〇%に引き上げなかったことによる、得られなかった税収は幾らでしょうか。また、これを穴埋めするために発行した国債は幾らで、償還に係る年間経費と、返済には何年を要し、将来世代へ総額幾らの負担増となるのか、お尋ねします。
安倍総理に伺います。
子育て世代を支援するための消費税としながら、先送りにより生じた新たな負担増を、その将来世代が返済しなければなりません。先送りは正しかったのか、御所見を求めます。
昨年十月の総選挙では、消費税率一〇%の使い道として、幼児教育の無償化などに充てると公約され、再び勝利されました。投票率は五三%、有権者の半数近くは棄権した選挙でもありました。投票しても世の中は変わらない、野党に魅力がないとの理由から多くが棄権されたとするならば、責任を痛感いたします。
二大政党の一翼を担える野党が定着しないのは、世の中をよくしてくれるならば何党でも構わない、そう思っておられるからではないでしょうか。政治が求められているのは、そのための仕組みの変革ではないかと思います。
二〇一二年の社会保障と税の一体改革は、年金、老人医療、介護に加えて、子育ての分野にも初めて消費税を使うことを、当時の主要な三党で協議し、国会で決めた、歴史的な仕組みの変革でありました。社会保障を安定的に制度として継続させるためには、可能な限り、より多くの党派が参加し、財源確保と使い道について合意する意義は大きかったと思います。
税率を何%にするかも大切ですが、どの分野に使わせていただくのか、このことこそ国民的な合意が必要です。納税者と使い道について信頼関係を築けたならば、消費税は日本の未来を支える確固たる礎になると確信いたします。
抜本改革法では、消費税収の使い道は、毎年度、制度として確立された年金、医療及び介護の社会保障給付、そして少子化に対処するための施策に要する経費に充てるとされました。
総理にお尋ねいたします。
三党協議では、大枠については合意に至りましたが、具体的な使い道は未定であったと理解しますが、正しいでしょうか。
今回の、保育を含む幼児教育の無償化及び大学の無償化に消費税を二兆円近く使うことは、初めて使途を決めることになります。関係法令のどこを照らせば、消費税の使い道を政府・与党の差配で決められるのでしょうか。これだけ大きな使い道の決定は、野党各党とも事前に協議すべきではなかったか、伺います。
昨年の選挙結果は、比例代表は、自公合わせ、有権者の二四%の得票でした。税率引上げで得られる財源の多くを幼児教育と大学の無償化に充てる公約が、納税者各層の御理解を得たと評価するのでしょうか。
幼児教育及び大学の無償化は制度として確立するのか、歳出で対応するのか、伺います。
社会保障制度改革推進法八条では、消費税の使い道として、待機児童に関する問題を解決するための即効性のある施策等の推進に使うとされました。
加藤厚生労働大臣にお尋ねします。
幼児教育の無償化が、どう待機児童対策につながるのでしょうか。待機児童問題の解決が消費税の使い道として適していると法律で明示した経緯を踏まえ、御説明を願います。
幼児教育の無償化はありがたいと思います。でも、働く子育て世帯の本音は、朝晩の保育時間の延長や病児保育園の整備、土日も受け入れてくれる託児所、シッターサービスなど、質の向上こそが切実な願いではないでしょうか。こうした整備に限定すれば予算も絞れると思いますが、御試算があればお示し願います。
子ども手当の反省から、第三子以降など、子供の多い御家庭に傾斜配分した方がより少子化対策につながると考えますが、御所見を求めます。
総理に伺います。
低所得世帯は、既に保育料の減免などが行われています。誰のための無償化なのか。国民全体が負担する消費税を充てる理屈は何か、伺います。
納税者の声は、保育園、幼稚園、託児所を全て無償化するお金があるならば、親や配偶者、そしてみずからの介護の安心にも消費税を使ってほしい、そう思っておられるのではないでしょうか。超高齢社会の実態に対応した消費税の使い道を提案し、総理の御所見を求めます。
地域によっては、待機児童よりも、特養に入所できないシニアの皆さんの不安がございます。
一括交付金など、自治体に委ね、子育てか介護か選ぶことができたならば、より地域の実態に合った施策になると考えますが、いかがでしょうか。
二〇一二年六月十五日の夜半に、当時の主要な三党で、社会保障と税の一体改革について合意しました。自民党が、亡くなられた町村信孝先生、公明党が斉藤税調会長、そして当時の民主党が藤井裕久先生でありました。未明の記者会見で町村先生が、税について与野党で合意した歴史的な一歩であると談話を出され、今でも忘れられません。
総理、そのときの約束、税の使い道の大枠を三党で合意し、消費税率引上げに当たっては、残された課題の解決に互いに努力するというとうとい合意は今も生きているとの御認識か、伺います。
残された課題の一つは、いわゆる逆進性の問題でした。
低所得者に絞り税を戻す給付つき税額控除とするのか、ある品物について消費税率を軽減する軽減税率なのか、もめました。最後は両論を併記し、互いを尊重することが合意であり、法律事項でありました。
そこで、麻生大臣に伺います。
今回、サラリーマン増税となる所得増税で得られた財源を消費税の軽減税率に充てるのは事実でしょうか。負担者と受益者に著しく乖離のある制度となりますが、どう説明されるおつもりでしょうか。
電磁的なカードを利用し、一定の低所得層に限定して税を戻すなど、折衷案が技術的に本当に不可能なんでしょうか。税は社会を変える力があります。一度導入すれば、なかなかもとには戻りません。両論併記を法律事項とした重みを踏まえ、御答弁を求めます。
希望の党として、議場の皆様に、仕組みの改革について提案があります。
一つが税の与野党協議です。
税は民主主義の原点。党派を超え、公平、中立、簡素な税制を目指すため、納税者の皆さんに一人でも多く納得していただけるよう努力を重ねる必要があります。
年度改正は、年末の限られた短期間で、十二月末に与党が税制改正大綱として取りまとめ、野党は国会が始まったこの時期に政府から説明があります。わずかな質疑を通じ、賛否などを決めるわけですが、急ごしらえは否めず、納税者の御期待にお応えしているのか悩みます。
そこで、国会の中に、通年で議員間討議ができる、税に関する小委員会を設置してはどうでしょうか。政府全体を見ておられる菅官房長官の御所見を求めます。
小委員会に出席する政府委員は、政治家は副大臣、政務官、そして官僚は課長以下の実務者に絞ります。各党が互いに予算哲学を主張、広く納税者に考えを説明する場とします。その分、大臣の国会出席が削減できたならば、外交や国際会議等へ対応が機動的となり、国益にも資すると考えますが、いかがでしょうか。
また、政務三役や若手の官僚も、通年での国会答弁を通じ、さまざまな立場の声に触れ、政策の鍛錬となります。国会のことは国会に聞いてくれではなく、むしろ、政府・与党と野党が真摯に協力すればかなう国会改革であると確信しますので、菅官房長官に検討を求めます。
現在、与党幹部の中に、外務大臣の外交を始め、機動的な国会対応を求める声があると承知しております。もし税の小委員会が設置できれば、国会改革につながると期待します。
もう一つが法案の出し方です。
規模の小さな租特から千億円規模の所得増税まで一本の法案として審議するため、仮に所得増税に反対となると、租特などは賛成なのに法案には反対をせざるを得ません。より多くの党派の賛同を得れば、より多くの納税者の声を生かすことにもなります。
国税一本、地方税一本とまとめて審議するやり方を、閣議請議の際、分けて提出するよう官邸が指示すればできる改革であり、官房長官の御所見を求めます。
今回のサラリーマン増税は、こうした与野党での議論の積み上げ不足、唐突感のある税制改革の典型例です。
総理は、フリーランスなどの自営業者を減税し、働き方に中立な税を目指すためと説明されましたが、サラリーマンから見れば不公平そのものです。源泉徴収のサラリーマンと、経費として実費処理が可能な職業との間に不公平感が深まる、働き方による分断線を政治が税制で引いてはなりません。
そこで、総理に伺います。
サラリーマンにも経費認定の枠を拡大しなければ、職業による税の不公平が拡大すると考えますが、いかがでしょうか。給与所得控除の縮減等によるサラリーマン増税は、今後、年収七百五十万円、六百五十万円と拡大をするおつもりはあるんでしょうか。それでもサラリーマン増税をするならば、あわせて金融課税、資産課税など、真に担税力のある富裕層への課税も示さなければ、サラリーマンの皆様の御理解は得られません。御所見を求めます。
麻生大臣に伺います。
設備投資や賃上げをした法人を減税する政策は、法人の七割が赤字を考慮すると、効果は限定されます。社会保険料の事業主負担の軽減を提案しますが、いかがでしょうか。
たばこ税は、加熱式は医学的にも通常たばこより負担が少ないとされ、従量税の本旨に留意しつつ、加熱式を据え置けば、財政物資としての役割を求めながらも、受動喫煙の削減や喫煙者自身の健康にも配慮できると考えますが、御所見を求めます。
新税のいわゆる国際観光旅客税は、観光資源の財源確保には理解しますが、日本に住む日本人は、国税及び地方税を通じ、既に納税しております。外国人旅客に限ってはどうか。また、入国税とする方がわかりやすいと考えますが、いかがでしょうか。
租特について申し上げます。
租税特別措置は、政策的な増税や減税を時限で行うものであります。役割を終えた租特は縮減又は廃止し、時代が求める政策分野には新たな租特をつくる機動性と合理性が求められます。
政策目的が終了しているのにいつまでも続ける政策増税の代表例が、自動車関係諸税の暫定税率、現在の当分の間税率であります。昭和四十九年のオイルショックのときより、本則税率に二倍から二・五倍の上乗せ増税を、購入時の取得税、登録時の自動車重量税、走行段階のガソリン税へと重課を続けてきました。
高度成長期には、道路建設の緊要性があり、特定財源でもあり、また、車を購入できる世帯は担税力があるとされた時代でしたので、一定の政策目的があったと思います。おかげさまで、世界に誇れる道路網が整備され、車は、夢のマイカーから、地方ほど、生活の中になくてはならないものとなっています。一般財源化された今、保有台数の多い地方ほど、家計に占める自動車関係諸税の割合は重くなっています。
麻生大臣に伺います。
都市と地方を比べると、世帯収入の低い地方ほど保有台数が多い傾向のため、自動車関係諸税の負担が重くなっています。担税力に見合わない税となっている現状について、麻生大臣の御所見を求めます。
税を通じ目指す社会をつくり終えれば、その税は改廃し、また税を通じて新たな社会をつくるべきであります。仕組みの変革は、政府と国会が協力すれば、必ず実現できます。税は社会をつくる、理想につながると確信し、質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕