竹内譲の発言 (本会議)
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○竹内譲君 公明党の竹内譲でございます。
私は、自由民主党並びに公明党を代表し、所得税法等の一部を改正する法律案並びに国際観光旅客税法案について、安倍総理並びに財務大臣に質問をいたします。(拍手)
質問に入る前に、このたびの自衛隊のヘリコプター墜落事故により亡くなられたお二人の自衛官に謹んで哀悼の意を表しますとともに、けがをされた女子児童の早期治癒を祈願し、御家族を始め被災された皆様に衷心よりお見舞いを申し上げます。政府におかれては、二度とこのような事故が起きないよう万全を尽くすことを強く要請します。
また、北陸地方を中心とした記録的な豪雪被害に遭われた皆様にも、心よりお悔やみとお見舞いを申し上げます。現地での食料品やガソリン、灯油などの不足や、地方自治体の除排雪費用の増大等に対して、政府の強力な支援を求めるものであります。
さて、本二法案は、与党の税制調査会で議論し、昨年末に決定した税制改正大綱の内容を実行するためのものであり、税制面から成長と分配の好循環を後押しするものであります。
まず、個人所得課税改革について伺います。
近年の経済社会の著しい変化の中で、結婚、出産、子育てをする経済的余裕がない若者が増加しています。若い世代や子育て世帯に光を当てていくことは、政治の重要な役割です。
そのためには、税制、社会保障制度、労働政策等から、総合的な取組を進める必要があります。個人所得課税においては、所得再分配機能の回復を図ることの重要性とともに、現行の税制は昨今の経済社会の変化に対応できていないという問題が指摘されてきました。
すなわち、第一に、現行制度が働き方の選択に中立な制度になっていないこと、第二に、所得格差の拡大が意識されている中で、所得再分配機能が弱まっていること、第三に、雇用の流動化や労働者に近い形態で働く個人事業主の増加など、働き方の多様化に対応できていないことであります。
平成二十九年度改正では、個人所得課税改革の第一弾として、配偶者が就業調整を意識しなくても済むように、配偶者控除の見直しが実施されました。今回の平成三十年度改正は、その第二弾として、我が国の経済社会の構造変化に対応するための改革であると位置づけられます。
総理及び財務大臣に、今回の個人所得課税改革の狙い、及び、さきに述べた三つの課題にどのように対応しているのか、伺います。
個人所得課税は、個人の負担に直結するものであることから、今後の検討に当たっても、引き続き丁寧な議論が必要です。このたびの改正に当たっても、公明党内においてさまざまな角度から議論を重ねてきました。その結果、現行制度が抱える諸課題に対応しつつ、年収八百五十万円未満の世帯及び子育て世帯、介護世帯には新たな負担が生じない改正となっています。
子育て世帯への対応という観点から、寡婦控除の見直しについて伺います。
公明党は、平成二十五年以来、一人親家庭に対する支援の観点から、現行制度では婚姻歴の有無によって格差が生じていることを訴え、その是正に取り組んできました。
既に公営住宅はみなし適用がなされていますが、このたび、厚生労働省においても、保育料の算定基準を見直し、婚姻歴の有無にかかわらず、一人親にはみなし適用をすることを公表いたしました。
今回の見直しが実現すれば、未婚の一人親の不公平は一部解消されることになります。しかし、所得税や住民税の税負担は重いままであるなど、まだ課題は残っています。
子供の貧困に対応する観点から、税制についても積極的な見直しが必要だと考えますが、総理の御所見を伺います。
次に、賃上げ、生産性向上のための税制について伺います。
私は、今こそ、中小企業が生産性を高め、足腰の強い経営体質へと転換できるよう強力に支援すべきときだと考えます。
所得拡大促進税制については、これまでは平成二十四年度給与支給総額が基準になっていたことから、要件をクリアすることができない企業も多かったと聞きます。今回の改正により、前年度からの賃上げ率が要件となり、よりわかりやすくなっていることに加え、一層の賃上げに取り組む中小企業には税額控除の上乗せがされることになっています。
今回の税制改正をきっかけに、今まで賃上げにちゅうちょしていた多くの中小企業が思い切って従業員給与の引上げに取り組める環境づくりがますます重要であります。
他方で、働き方改革の推進により、残業時間の抑制が進むことは大いに歓迎するものではありますが、その分残業代が減り年収が下がれば、従業員にとっては本末転倒です。残業時間を削減しつつ、それ以上の売上げが確保できるよう、企業の生産性を高める取組とそれを支援することも不可欠であります。
総理に、今般の法人税改革の狙いや期待される効果について伺います。
企業の積極的な投資や賃上げを促す一方で、事業承継は、この先十年の日本経済にとって最重要テーマの一つであります。
このたびの改正では、株式の相続税、贈与税について、承継時の納税を全額猶予することや、雇用要件の弾力化、さらに承継時と売却、廃業時の納税額の差額を免除するなど、税制面から相当大胆な見直しが行われます。
事業承継は、こうした税制措置に加え、後継者のマッチング支援などの予算措置や、これらの制度を広く周知していくといった努力も欠かせません。
事業承継に対する総合的な支援の必要性と、今回の税制改正の効果について、総理の見解を伺います。
先週から平昌冬季五輪が開幕いたしました。二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックの成功に向けて、日本としても政府を挙げて準備を進めなければなりません。
そこで、初めに、健康増進、受動喫煙防止の観点から、たばこ税について伺います。
たばこのないオリンピック・パラリンピックは、過去のオリンピック開催国が引き継いできた大切な伝統です。
受動喫煙対策を進めるための法案が今国会の提出に向けて検討されていますが、税制の面からも受動喫煙対策や社会保障関係費の財源を確保するために、他の先進国に比べて低くなっているたばこ税率を引き上げることには合理性があると思います。
今回のたばこ税率引上げの趣旨と受動喫煙対策への総理の決意を伺います。
新たに創設される二つの新税について伺います。
一つは、長年議論が重ねられてきた森林環境税です。
国際的な温暖化対策に関する枠組みであるパリ協定を履行するために、間伐や再造林などの森林整備は喫緊の課題です。適齢期を迎えた森林資源の利用拡大も期待されます。
そこで、既に各自治体において独自に徴収している環境税との関係や、新たな国民負担が生じるものなのか等について、総理にわかりやすい説明を求めます。
もう一つは、国際観光旅客税です。
観光促進のための税財源として、日本各地の観光資源の魅力向上や、空港等での出入国手続施設の高度化に使われることとされています。これによって観光産業の活性化が図られ、さらに、訪日外国人旅行者の出入国手続が円滑になり、地方空港ネットワークの充実なども図られることになれば、地方創生にもつながると期待できます。
他方で、新税を創設する際には、その受益者と負担者の双方の理解と納得が欠かせません。
今回新たにつくられる税制が国民に受け入れられるためには、税収が何に使われているのか、その使途を明確にし、毎年度の予算審議においてチェックできるようにすることが必要不可欠と考えます。
使途の明確化についてどのように対応するのか、財務大臣に伺います。
以上申し上げてきたとおり、本二法案は、日本経済を再生するために必要な税制上の措置を実行するものであり、平成三十年度予算とあわせて早期に成立させる必要があることを訴えて、質問を終わります。(拍手)
〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕