金子恵美の発言 (本会議)
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○金子恵美君 無所属の会の金子恵美です。
ただいま議題となりました所得税法等の一部を改正する法律案及び国際観光旅客税法案につきまして、会派を代表して質問いたします。(拍手)
冒頭、記録的な大雪が続く福井県を始めとして、豪雪災害により亡くなられた方々に心から哀悼の誠をささげ、被害を受けている全ての皆様にお見舞い申し上げます。
まだ大雪は続いています。これ以上犠牲者をふやすことがないよう、政府としても万全を期して対策を講じることを求めます。
税制は、社会保障制度などと同様に、社会をつくる手段であり、国には、あるべき社会像と、その手段としての税制改革の大きな絵姿を示す責任があります。
私が党籍を持つ民進党は、既に、所得控除から税額控除へ、さらに税額控除から給付つき税額控除へと進めることにより、所得再分配機能を回復し、中間層の復活を図る等の所得税の抜本改革を提案しております。
一方、今回の政府・与党の税制改正案は、改革の方向性を示さず、小手先の改正、びほう策に終始しており、その責任を全く果たしていないと言わざるを得ません。
特に、所得税については、一部のサラリーマンにのみ負担増を求めるだけでなく、制度をいたずらに複雑化し、公平、中立、簡素という租税の大原則からかけ離れた姿にするものと思われますが、安倍総理の評価を伺います。
もしすぐれた大改正であるというのであれば、なぜ、昨年の総選挙で訴えることなく、だまし討ちのように出してきたのですか。
消費税引上げ延期に際し、代表なくして課税なし、国民生活に大きな影響を与える税制において重大な決断をした以上、どうしても国民の皆様の声を聞かなければならないと判断したと言って、衆議院を突如解散したのは安倍総理です。
今回の増税は、国民の皆様の声を聞かなくてよい程度のものという判断なのですか。総理の見解をお聞かせください。
今回の改正案では、給与所得控除及び公的年金等控除の控除額を一律十万円引き下げ、基礎控除の控除額を一律十万円引き上げることで、増加しているフリーランス等の方々の負担を軽減するとのことですが、そもそも、伝統的な自営業者以外のフリーランスの方々の人数や平均収入を把握されているのですか。フリーランスの方々はここ十年でどれぐらい増加したのですか。麻生財務大臣の答弁を求めます。
給与所得控除が諸外国の水準に比べて高いので引き下げるとのことですが、日本における税の捕捉率の問題、いわゆるクロヨン問題を放置したまま給与所得控除を引き下げることについて、納税者の理解を得ることができるとお考えですか。安倍総理の見解を伺います。
また、そのような捕捉率の問題を放置したまま、今後も給与所得控除を引き下げていくお考えなのですか。総理、いかがですか。
所得税以外についても、理念なく、取りやすいところから取ろうという発想の増税が目立ちます。
国際観光旅客税、いわゆる出国税については、観光立国実現に向けた観光基盤の拡充強化を図るとの看板は美しく見えますが、本来、地方経済の活性化等の観点から、観光インフラや観光資源の整備促進のための財源は一般財源に求めるべきです。
出国税など、国境を越える人や金融資本の移動にかけられる税は、これまでの国際連帯税の議論や諸外国の導入実績等も踏まえ、主として、気候変動や感染症対策などの国境を越えた地球規模課題への対策にこそ使われるべきと考えます。
一九九二年に導入された地価税以来の新税であるにもかかわらず、十分な検討なく取りまとめられた国際観光旅客税は、なぜ日本人出国者にも負担を求めるのか、なぜ出国一回につき千円という水準なのか、なぜ来年一月七日から適用という性急過ぎる時期が設定されているのか、全くわかりません。総理の明確な説明を求めます。
たばこ税についても、税率を一本当たり三円引き上げるだけでなく、加熱式たばこを大幅に増税することとしています。
たばこ税については、あくまで健康の観点等から検討を行うべきであり、紙巻きたばこと、副流煙を出さない加熱式たばことを一様に扱うべきではないと考えますが、財務大臣の見解を伺います。
また、たばこ事業法には、財政収入の安定的確保が目的と記されておりますが、これを国民の健康的な生活を目的とすることに改めるお考えはありませんか。お答えください。
自動車関連税制について伺います。
本来であれば、社会保障と税の一体改革決定時には、自動車取得税の廃止を始めとする抜本的見直しが行われるはずでした。しかし、消費税増税先送りを口実に、見直しが行われないどころか、二十九年度の税制改正では、エコカー減税、グリーン税制が縮小されることとなりました。
自動車産業は我が国産業の基盤であり、自動車は、地方では生活の足となっています。そうした観点を踏まえれば、取りやすいところから取るといった発想で自動車関連諸税を増税するのは誤りであり、むしろ負担軽減を行っていくべきであると考えますが、総理の所見を伺います。
来月、三月十一日で、東日本大震災、東京電力福島第一原発事故が発災してから丸七年となりますが、被災地の復興再生はまだ道半ばです。
安倍総理は、消費税八%引上げに際し、復興特別法人税の前倒し廃止を行いました。復興費用は、当初の十年間二十三兆円から三十二兆円まで膨らんでいます。
その中で、被災地の住民にも負担がある復興特別所得税は続いています。あのとき黒字法人の税負担だけを軽減したことは、今でも正しかったとお考えでしょうか。安倍総理にお尋ねします。
最後に、安倍政治、アベノミクスによってもたらされた社会の分断化を食いとめ、日本の成長と全ての人を包摂する社会の実現を両立させることに尽力していくことを国民の皆様にお約束し、私の代表質問といたします。(拍手)
〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕